防風通聖散は「飲むだけで劇的に痩せる薬」ではありませんが、食事・運動療法と組み合わせることで、数ヶ月単位での体重減少が報告されています。
国内外の臨床研究では、内臓脂肪型肥満の方で12週間〜6か月継続した結果、平均2〜4kg前後の体重減少や腹囲の減少がみられたと報告されています。
| 研究・試験 | 期間 | 条件 | 平均体重変化 |
|---|---|---|---|
| 小林製薬 試験 | 12週 | 肥満傾向成人、内服のみ | −2.1kg、腹囲−3.3cm |
| 東海大学 医学部 | 12週 | 生活習慣指導+防風通聖散 | −5.9kg |
| 青柳ら 6か月検討 | 24週〜 | 肥満患者で6か月以上継続 | −1.4〜−4.8kg |
※個々の結果には幅があり、上記はあくまで研究条件下の平均値です
1か月以内に期待できる主な変化は「体重」よりも、便通やむくみなどの体調面の改善が中心です。
1か月の体重変化の目安としては、体質や生活習慣にもよりますが、0〜3kg程度とされることが多く、特に便秘やむくみが強い方ほど数字に表れやすい傾向があります。
| 条件 | 1か月の体重変化の目安 | 主な変化の内容 |
|---|---|---|
| 防風通聖散のみ(生活習慣を変えない) | 0〜1kg | 便通改善・水分排出による一時的な減少 |
| 防風通聖散+食事改善 | 1〜2kg | 便通・むくみの改善+摂取カロリー減少 |
| 防風通聖散+食事改善+有酸素運動 | 2〜3kg程度 | 上記に加え、脂肪燃焼のスタート |
なお、「1か月で5kg以上痩せた」といった口コミも存在しますが、防風通聖散単独の効果としては考えにくく、極端な食事制限や水分喪失の影響が大きいとされています。
防風通聖散は、3か月以上継続して初めて脂肪燃焼や体質改善の実感につながりやすいとされています。
BMI25以上の肥満症患者を対象とした研究では、12週間〜6か月の服用で平均2〜3kg、条件によっては3.4kg前後の体重減少や内臓脂肪量・腹囲の有意な減少が報告されています。
<例>
「ほとんど痩せなかった」「途中でやめた」というケースでは、次のような要因が考えられます。
防風通聖散は万人向けではなく、体力があって余分な脂肪・熱・水分をため込みやすい「実証タイプ」に適した漢方です。
持病がある方や多剤服用中の方は、必ず医師・薬剤師に相談してから使用を検討しましょう。

防風通聖散は、18種類前後の生薬から構成される漢方薬で、便秘・肥満症・むくみ・皮膚炎などに用いられます。
体内にこもった熱や余分な脂肪・水分・老廃物を排出し、代謝や循環を整えることで、肥満に伴う症状の改善が期待されます。
| 生薬名 | 主なはたらきの例 |
|---|---|
| 麻黄 | 発汗・代謝促進のサポート |
| 大黄 | 瀉下(便通促進)作用 |
| 芒硝 | 便をやわらかくし排出を促す |
| 防風・荊芥 | 体表の風邪・熱をさばく、炎症の改善補助 |
| 当帰・芍薬 | 血の巡りを整え、冷え・月経のサポート |
| 黄芩・山梔子 | 熱・炎症をさましてニキビやのぼせを緩和 |
※構成や含有量はメーカー・処方により異なります。
動物実験や臨床研究では、防風通聖散が脂肪細胞の分解(リパーゼ活性)やエネルギー代謝を促進する可能性が報告されています。
動物を用いた基礎研究では、防風通聖散により摂餌量を変えずに体重や白色脂肪組織の重量が減少したり、インスリン感受性が改善したとする報告があります。
こうした結果から、防風通聖散には脂質代謝を調整し、内臓脂肪の燃焼をサポートする作用がある可能性が示唆されています。
ただし、「飲むだけで脂肪がどんどん燃える」というより、食事・運動と組み合わせたときに内臓脂肪の減少をサポートする位置づけと考えるのが現実的です。
防風通聖散は、利尿作用や血流改善作用をもつ生薬を含み、体内の水分バランスを整えることで、脚や顔のむくみを和らげる効果が期待されています。
むくみが強い方では、体重の数字以上に「見た目がスッキリした」と感じやすい点も特徴です。
大黄・芒硝などの瀉下成分により、腸の動きを高めて便通を改善します。
一部の研究では、便秘症状の改善や腸内環境の改善が報告されており、これが体重・代謝への良い影響につながる可能性があります。
また、過剰な食欲を抑え、食べ過ぎ防止に役立つとされる報告もあります。

防風通聖散は即効性よりも、数週間〜数か月かけて体質を整えていく漢方薬です。
便通やむくみなどの症状の改善は、早い方で1週間〜2週間程度、見た目や体重への影響は2週間〜1か月前後から現れ始めることが多いとされています。
次のようなタイプの方は、防風通聖散との相性が比較的良いとされています。
一方、やせ型・虚弱体質・強い冷え性の方には向かないことが多く、別の漢方を検討した方が良い場合もあります。

体重計の数字より先に、「お腹周りが少しスッキリした」「顔のむくみがとれた」といった変化を感じる方も少なくありません。
おおよその目安としては、
| 1〜2週間 | 便通・むくみの変化 |
|---|---|
| 2週間〜1か月 | ウエストや顔まわりの見た目の変化 |
| 3か月〜 | 体重・体脂肪率の変化 |
といった段階で変化を感じやすいとされています。

防風通聖散は「いつ・どのくらい・どれくらいの期間」飲むかで体感が変わることがあります。
用法・用量を守ることはもちろん、生活習慣との組み合わせが重要です。
一般的な防風通聖散(ツムラなど)の成人用量は、1日7.5gを2〜3回に分けて、食前または食間に服用するよう指示されています。
空腹時の方が生薬成分が吸収されやすいとされますが、胃が弱い方では負担になることもあるため、症状に応じて医師・薬剤師と相談しながら調整することが大切です。
防風通聖散だけに頼っても、大きな体重減少は得られにくく、以下の工夫を組み合わせることで効果が高まりやすくなります。
| 食事 | 脂質・糖質・アルコールの摂取を控え、野菜や発酵食品を増やす |
|---|---|
| 運動 | ウォーキングなどの有酸素運動+軽い筋トレを週数回 |
| 生活リズム | 睡眠不足やストレス過多を避け、自律神経を整える |
漢方は「からだ全体のバランス」を整える薬です。
生活習慣の見直しとセットで考えることが成功の近道です。

防風通聖散は市販もされている比較的メジャーな漢方ですが、成分として刺激の強い麻黄や大黄を含むため、副作用が出ることもあります。
特に便通を促す作用が強いため、元々下痢気味の方や胃腸が弱い方は注意が必要です。
「飲み始めてから下痢や腹痛が続く」「動悸やめまいが出る」などの症状がある場合は、自己判断で続けず、早めに医療機関に相談してください。
防風通聖散は長期間漫然と続ける薬ではなく、「効果があるかどうか」を見極めながら、適切な期間にとどめる必要があります。
自己判断で年単位で飲み続けるのではなく、定期的に医師や薬剤師に相談しながら使用することが大切です。
防風通聖散には、ドラッグストアなどで購入できる市販薬と、医療機関で処方される保険適用の漢方製剤があります。
| 項目 | 市販薬 | 処方薬(保険診療) |
|---|---|---|
| 成分量 | 製品により幅があり、少なめ〜標準 | 通常、標準的な生薬量で処方 |
| 価格 | 自費。1か月分で数千円前後が目安 | 保険適用で自己負担が3割など |
| 相談・フォロー | 店頭で薬剤師に相談 | 医師の診察+薬剤師の服薬指導あり |
| 適応の見極め | 自己判断になりがち | 体質・持病・併用薬を踏まえて選択 |
「自分に本当に合うか」「ほかの薬との飲み合わせは大丈夫か」といった点まで含めて安全に使いたい場合は、医療機関で一度相談し、必要に応じて処方を受ける方法がおすすめです。
近年はオンライン診療で体質や症状を相談し、防風通聖散を含む漢方薬の処方を受けられるサービスも増えています。
対面診療に比べて相談時間や情報量が限られる場合もあるため、持病や多剤服用がある方は、かかりつけ医とも情報を共有しながら利用すると安心です。

A. いいえ、誰にでも同じように効くわけではありません。
防風通聖散は「実証」と呼ばれる体力があり、肥満・便秘・のぼせ・むくみなどを伴うタイプの方に適した漢方です。
やせ型・虚弱体質・冷えが強い方には、別の処方が向く場合もあるため、漢方に詳しい医師や薬剤師に体質を相談することをおすすめします。
A. 防風通聖散を中止したからといって、直ちにリバウンドするわけではありません。
ただし、服用中に整えた食事・運動習慣を元に戻してしまうと、体重は再び増加しやすくなります。
根本的な生活習慣の改善こそがリバウンド予防の鍵です。
A. 防風通聖散は、肥満症だけでなく、便秘、にきび、湿疹、蓄膿症、肥満に伴うのぼせなどに処方されることがあります。
ただし、症状や体質に応じて他の漢方薬が適する場合も多いため、「なんとなく」で自己判断せず、医師・薬剤師に適応を確認してから使用しましょう。

防風通聖散は、便秘・むくみ・内臓脂肪型肥満を伴う「実証タイプ」の方に用いられる漢方で、2週間〜1か月程度で便通やむくみの改善、数か月単位での体重・腹囲の減少が期待されます。
一方で、体質に合わない場合や、生活習慣が大きく変わらない場合には十分な効果が得られないこともあり、副作用や長期服用のリスクにも注意が必要です。
当院では、漢方だけに頼らない食事・運動・生活習慣のトータルな見直しをご提案しつつ、必要に応じて防風通聖散を含む漢方薬や他の医療ダイエットとの併用もご相談いただけます。
「自分に防風通聖散が合うのか知りたい」「どのくらいの期間・量で続けるべきか迷っている」という方は、一度カウンセリングでご相談ください。
2008年に自治医科大学医学部を卒業。2010年に大阪府立急性期総合医療センター産婦人科に勤務後、2014年に大阪府障害者福祉事業団すくよかで医療部長を務めました。2015年から大阪府健康医療部で地域保健課主査を歴任し、2017年から愛賛会浜田病院産婦人科に勤務。2020年より某大手美容外科で働き、2021年には小倉院と心斎橋御堂筋院の院長を務めました。2023年からはルヴィクリニック院長に就任しています。
【資格・所属学会】
ボトックスビスタ® 認定医、
ジュビダームビスタ® 認定医、
ジュビダームビスタ® バイクロス 認定医、
日本美容外科学会(JSAS) 正会員、
日本産科婦人科学会 会員、
日本産科婦人科学会 専門医、
日本医師会認定産業医、
母体保護法指定医