
防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)は、18種類前後の生薬からなる漢方薬で、体力が充実し、お腹まわりに皮下脂肪が多く、便秘がちな「実証タイプ」の肥満症に用いられます。
添付文書では、効能・効果として「腹部に皮下脂肪が多く便秘がちなものの肥満症、高血圧に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ、便秘、にきび、湿疹・皮膚炎、蓄膿症(副鼻腔炎)など」が挙げられています。
防風通聖散の主な作用は次の3つです。
日本やアジアの肥満患者を対象にした臨床研究では、防風通聖散を一定期間服用した群でBMIや腹部脂肪が有意に減少したという報告もあり、メタボリックシンドロームへの有用性が検討されています。
変化を感じるまでの期間には個人差がありますが、臨床試験では数ヶ月単位で評価されることが多く、1ヶ月は「体調や便通の変化を探る初期段階」と考えるのが現実的です。

防風通聖散は「飲むだけで劇的に痩せる薬」ではありませんが、もともと体力があり、お腹まわりに脂肪がつきやすく便秘やむくみを伴うタイプの肥満症の人で、1ヶ月前後でいくつかの変化を感じるケースがあります。
一方で、臨床試験でも体重減少は「数ヶ月かけて数%程度」という穏やかな変化であり、食事制限や運動を併用しないと有意差が出にくいことも示されています。
そのため、1ヶ月で体重計の数字が大きく変わらなくても、ウエスト周りの変化や体の軽さなど、質的な変化を指標にすると現実的です。
口コミや臨床現場でも「まず便通が良くなった」という声が多く、体重よりも先にお通じやお腹の張りの変化を感じる人が目立ちます。
1ヶ月程度の服用では、「体重は1〜2kg程度の変化でも、見た目の印象が変わった」というケースが報告されています。
| 項目 | 起こりやすさの目安 | 内容の例 |
|---|---|---|
| 便通の変化 | 高い | 回数が増える・お腹の張りが軽くなるなど |
| むくみの軽減 | 中〜高 | 顔・足のむくみが取れてすっきり見える |
| 体重・BMIの変化 | 低〜中 | 数ヶ月でBMIが0.5程度低下という報告も |
| ウエスト周りの変化 | 中 | 内臓脂肪・皮下脂肪の軽減が報告 |
※個人差が大きく、体質や生活習慣により大きく変わります。

市販薬のレビューやクリニックの声をまとめると、効果を感じた人の共通点として次のような傾向が見られます。
多くの医師・薬剤師は「食事内容の見直しや運動と組み合わせることで、体重減少効果を感じやすくなる」と指摘しています。
※個人の体験に基づくもので、同様の結果を保証するものではありません。
一方で、「1ヶ月飲んでも体重がほとんど変わらなかった」「お腹がゆるくなりすぎて中止した」といった口コミも一定数あります。
考えられる要因としては、以下が挙げられます。
「飲んでも痩せなかった」という人の中には、そもそも適応外(体力がない、冷えが強い、下痢しやすいなど)の体質だったケースも少なくないとされています。

ただし、胃が弱い人では空腹時に飲むと胃部不快感を感じることもあり、その場合は医師・薬剤師の指示に従い、食後に変更することもあります。
一般的な医薬品の服用指導では、次の点が推奨されます。

防風通聖散は市販もされている一方で、医療用と同じ有効成分を含む「医薬品」です。ダイエット目的であっても、副作用リスクを理解しておくことが重要です。
大黄・芒硝などの瀉下成分が強く効きすぎると、下痢、腹痛、吐き気、食欲不振などの消化器症状が出やすくなります。
軽度の症状であれば一時的なこともありますが、日常生活に支障が出るほどの下痢・腹痛が続く場合は、服用を中止して医師・薬剤師に相談する必要があります。
防風通聖散には甘草(カンゾウ)が含まれており、長期服用や他の甘草含有薬との併用により、偽アルドステロン症(むくみ、血圧上昇、手足の脱力感など)が起こることがあります。
厚生労働省も、甘草含有薬の長期連用で偽アルドステロン症が発生しうることを注意喚起しています。
「甘草入りの漢方薬を複数飲んでいる」「高血圧や心疾患などがあり、利尿薬などを使用している」場合は、必ず事前に医師・薬剤師へ相談が必要です。
このような場合は、自己判断で市販薬を始めるのではなく、必ず医師に相談した上で処方や服用可否を判断してもらうことが推奨されています。

市販・医療用ともに複数のメーカーから製品が出ており、「どれを選べばいいの?」と迷いやすい領域です。
初めて試す人や胃腸が弱い人は、減量処方から始めて体調を確認し、必要に応じて医師と相談しながら切り替える方法も選択肢です。
「味がとにかく苦手で継続できない」「顆粒だと飲みやすい」など、飲みやすさは個人差が大きいため、自分がストレスなく続けられる形を選ぶことが大切です。

臨床試験や専門家の解説でも、防風通聖散はあくまで「肥満症治療をサポートする薬」であり、生活習慣の改善なしに十分な減量効果を期待するのは難しいとされています。
ダイエットの基本は、摂取カロリー<消費カロリーの状態をつくることです。
揚げ物・甘いお菓子・砂糖入り飲料など高カロリー食品を控え、野菜・海藻・きのこなどから食物繊維をしっかり摂り、肉・魚・大豆などから良質なたんぱく質を確保することが推奨されます。
「極端な糖質制限」よりも、「長期的に続けられる少し控えめの食事」を心がける方がリバウンドを防ぎやすいとされています。
ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動は、脂肪燃焼を促し、防風通聖散の脂肪代謝サポート作用とも相性が良いと考えられています。
筋力トレーニングで筋肉量を増やすと基礎代謝が上がり、「太りにくく痩せやすい体質」に近づきます。
「通勤で1駅分歩く」「エレベーターを階段に替える」など、日常生活の中に小さな運動習慣を取り入れるだけでも、長期的なダイエット効果に寄与します。
2008年に自治医科大学医学部を卒業。2010年に大阪府立急性期総合医療センター産婦人科に勤務後、2014年に大阪府障害者福祉事業団すくよかで医療部長を務めました。2015年から大阪府健康医療部で地域保健課主査を歴任し、2017年から愛賛会浜田病院産婦人科に勤務。2020年より某大手美容外科で働き、2021年には小倉院と心斎橋御堂筋院の院長を務めました。2023年からはルヴィクリニック院長に就任しています。
【資格・所属学会】
ボトックスビスタ® 認定医、
ジュビダームビスタ® 認定医、
ジュビダームビスタ® バイクロス 認定医、
日本美容外科学会(JSAS) 正会員、
日本産科婦人科学会 会員、
日本産科婦人科学会 専門医、
日本医師会認定産業医、
母体保護法指定医