ヒアルロン酸注射後の腫れと痛みのピークは?部位別ダウンタイムと対処法

投稿日:2026.5.12
美容コラム

ヒアルロン酸注入はメスを使わない分、「ダウンタイムが軽い」施術ですが、それでも多くの方が「腫れや痛みがどのくらい続くか」を不安に感じておられます。

ここでは、国内クリニックのデータや臨床試験の結果を参考に、腫れ・痛みのピークや部位別のダウンタイム、セルフケアのポイントをわかりやすくご紹介します。

腫れ・痛みのピークと全体の流れ

1. 腫れや痛みはいつ強く出る?

  • ヒアルロン酸注入後の腫れは、施術から24〜48時間ごろに強く出ることが多く、その後は少しずつ落ち着いていきます。
  • 腫れやむくみは多くの方に見られる反応ですが、その大部分は1週間ほどの経過で気になりにくい状態になっていきます。
  • 痛みは施術当日から翌日にかけてがピークとなりやすく、多くの場合は1〜3日ほどで落ち着いてきます。

2. ダウンタイムの目安(全体像)

時期 体の変化の目安
当日〜翌日 赤み・腫れ・押すと痛い感じが出やすい
1〜3日目 腫れのピーク。翌日の朝に強く出ることが多い
3〜7日目 腫れ・むくみが徐々に引いてくる
1〜2週間 内出血があれば薄くなり、形がなじんでくる

※あくまで平均的な目安であり、体質や注入量、部位によって前後します。


部位別:腫れやすさとダウンタイムの目安

部位別ダウンタイム早見表

国内クリニックの公開データをもとに、部位ごとの目安をまとめました。

部位 腫れのピーク 目立つ期間の目安 完全に落ち着く目安
24〜48時間 2〜5日 1〜2週間
24〜48時間 3〜7日 2週間前後
涙袋・目元 1〜3日 3〜7日 2週間程度
ほうれい線 1〜3日 数日〜2週間 2週間程度
額・眉間 1〜3日 1〜2週間 数週間でより自然に

唇(リップフィラー)

他部位に比べて腫れやすく、1〜2日目に最も大きく感じることが多いです。

多くの症例で3〜5日程度で仕事や外出に支障のないレベルまで落ち着き、最終的な仕上がりは2週間ほどで安定します。

鼻(鼻筋・鼻先)

骨・軟骨の近くに注入するため、圧迫感や軽い痛みを伴うことがあります。

特に鼻筋は皮膚が薄く、直後は圧迫感や軽い腫れを感じやすい部位です。

腫れのピークは24〜48時間で、その後3〜7日程度で徐々に落ち着いていくケースが一般的です。

涙袋・目周り

皮膚が非常に薄く、むくみが目立ちやすい部位です。

腫れや軽い浮腫は3〜7日程度、完全に落ち着くまで2週間ほど見ておくと安心です。

ほうれい線・額・その他のしわ

表情でよく動く部位のため、直後は「少し盛り上がって見える」ことがあります。

多くは1週間程度でなじみ、2週間前後で自然なラインに落ち着きます。

ヒアルロン酸注射後に腫れる原因|内出血・むくみの理由

腫れの仕組み

針やカニューレで皮膚の下の血管や組織が軽く傷つくことで、「軽い炎症」が起き、腫れや赤みが出ます。

ヒアルロン酸は水分を引き寄せる性質があるため、注入直後は「少し多めに膨らんで見える」のが通常です。

また、まれではありますが、体質や使用した製剤との相性によって、アレルギー反応のような赤み・腫れ・かゆみが出るケースも報告されています。

内出血(あざ)

針が細い血管に当たると、皮膚の下で少し出血し、青あざのように見えることがあります。

内出血が出た場合でも、多くは数日〜1〜2週間ほどの経過で、メイクで隠せる程度まで薄くなったり、自然に目立たなくなっていきます。

むくみ

ヒアルロン酸の保水力、注入部位の血流・リンパの流れの変化などで、一時的なむくみが出ることがあります。

塩分のとり過ぎ、飲酒、睡眠不足などもむくみを悪化させる要因になります。

腫れ・痛みを最小限にするセルフケア

冷やすときのポイント

施術直後〜当日は、注入した部分を軽く冷やすことで、腫れや痛みを抑える効果が期待できます。

  • 保冷剤や氷はタオルで包み、直接肌に当てない
  • 1回15〜20分を目安に、様子を見ながら行う
  • 強く押し付けたり、長時間当てっぱなしにはしない

冷やしすぎは逆に血行を悪くして回復を遅らせる可能性もあるため、「気持ちよい程度」を目安にしていただくと安心です。

避けた方がいい行動

ヒアルロン酸注入後の経過をできるだけスムーズにするために、次のような行動はしばらく控えていただくことをおすすめしています。

当日〜1、2日程度控えたいこと

  • 激しい運動・サウナ・長時間の入浴(体が温まりすぎる行為)
  • 飲酒
  • 注入部位を強くこする・押す・マッサージする

数日〜数週間は注意したいこと

  • 美顔器・強いフェイシャルマッサージ
  • 長時間のうつ伏せ寝や、顔を枕に押しつける姿勢
  • 歯科治療など、部位によっては圧迫がかかる行為(事前に要相談)

飲酒を控える理由

アルコールは血流を促進し、腫れ・内出血・赤みなどのトラブルを悪化させる可能性があります。

そのため、施術当日の飲酒は控えていただくことをおすすめしています。できれば、腫れが落ち着いてくるまでの1〜2日間も、お酒はお休みしていただくと安心です。

注入部位をあまり触らない理由

注入直後のヒアルロン酸はまだ完全に固定されておらず、強い圧力が加わると形が変わってしまうことがあります。

手には多くの細菌がついているため、むやみに触ることで感染リスクが上がる可能性も指摘されています。

しこり・違和感があるとき

よくある「一時的なしこり」

注入後しばらくは、腫れやむくみの影響で「触ると少し硬さを感じる」「片側が少し高い気がする」といったことがあります。

多くの場合、1〜2週間ほどでなじみ、見た目・触った感じともに自然になっていきます。

すぐに受診した方がいいサイン

次のような症状は、血行障害や感染などの「緊急性の高い合併症」の可能性があるため、すぐに医師へご連絡ください。

  • 強い痛みが急に出てきた、どんどん痛みが増している
  • 皮膚が異常に白くなった、または網目状に赤くなっている
  • 片側だけ極端に腫れて熱を持っている

翌日の仕事や予定について

ヒアルロン酸注入は、外科手術に比べるとダウンタイムが短く、多くの方が「翌日から仕事に復帰」されています。

ただし、唇や目元などは腫れや内出血が目立つこともあるため、人前に立つご予定(大事なプレゼン・撮影・式典など)がある方は、余裕を持って数日前の施術をおすすめします。

ヒアルロン酸注入を検討中の方へ

国内外の臨床データを見ると、ヒアルロン酸注入後の腫れや痛み・内出血は「よくある一時的な反応」であり、多くの方で1〜2週間以内に落ち着くことがわかっています。

その一方で、まれではありますが、血管閉塞や感染など早急な対応が必要な合併症も報告されているため、「気になる症状があればすぐに相談できるクリニック」を選ぶことがとても大切です。

当院では、

  • 注入前にダウンタイムの目安・予定のご相談
  • 使用製剤や注入量のご説明
  • 施術後のセルフケアの手順と、受診の目安

を丁寧にお伝えし、不安なく施術を受けていただけるよう心がけています。

参考にしている医学的な情報

本コラムの内容は、当院での診療経験に加え、ヒアルロン酸フィラーに関する国内外の医学論文やガイドラインなどの情報をもとに作成しています。

  • Artzi O, et al. Adverse Events Reported From Hyaluronic Acid Dermal Filler Injections to the Facial Region: A Systematic Review and Meta-analysis. Cureus. 2023;15(4):e38286.
    <ヒアルロン酸フィラー注入に伴う副作用発生率をまとめたシステマティックレビュー> PMC
  • Sito G, et al. Severe Acute Local Reactions to a Hyaluronic Acid-derived Dermal Filler. J Clin Aesthet Dermatol. 2010;3(5):32-35.
    <ヒアルロン酸フィラー注入後の局所反応(腫れ・赤み・内出血など)を報告した症例報告> PMC
  • DeLorenzi C, et al. Guideline for the Management of Hyaluronic Acid Filler-induced Vascular Complications. Aesthetic Surg J. 2021;41(7):NP1032-NP1044.
    <ヒアルロン酸注入による血管閉塞のリスクと対応をまとめた国際ガイドライン> PMC
  • Beleznay K, et al. Management strategies for vascular complications in hyaluronic acid filler injections. J Cosmet Dermatol. 2023;22(1)
    <ヒアルロン酸フィラーによる血管合併症とそのマネジメントをまとめたレビュー> Wiley Online Library
  • Heydenrych I, et al. Management of vascular complications following facial hyaluronic acid injections. J Cosmet Dermatol. 2021;20(8):2468-2479.
    <ヒアルロン酸フィラー注入後の血管合併症に対するハイアラーゼ使用プロトコル> ScienceDirect

個々の経過には差がありますので、本ページの内容はあくまで一般的な目安としてご覧ください。実際の診断・治療は、診察時に患者さま一人ひとりの状態を踏まえて行っています。

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この記事の監修

小西 恒 医師
小西 恒

2008年に自治医科大学医学部を卒業。2010年に大阪府立急性期総合医療センター産婦人科に勤務後、2014年に大阪府障害者福祉事業団すくよかで医療部長を務めました。2015年から大阪府健康医療部で地域保健課主査を歴任し、2017年から愛賛会浜田病院産婦人科に勤務。2020年より某大手美容外科で働き、2021年には小倉院と心斎橋御堂筋院の院長を務めました。2023年からはルヴィクリニック院長に就任しています。
【資格・所属学会】
ボトックスビスタ® 認定医、 ジュビダームビスタ® 認定医、 ジュビダームビスタ® バイクロス 認定医、 日本美容外科学会(JSAS) 正会員、 日本産科婦人科学会 会員、 日本産科婦人科学会 専門医、 日本医師会認定産業医、 母体保護法指定医

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