食事や睡眠に気を使っているはずなのに、疲れが抜けず体調がすぐれない日が続くことってありますよね。
疲れた体を回復させるためには「休むことが大事」だと言われますが、毎日忙しく生活しているとゆっくり休む時間がないという人もいるはずです。
そんな方におすすめなのが、マイヤーズカクテルです。
マイヤーズカクテルは、体を元気にしてくれる点滴療法です。
もともと体内に存在する栄養素を直接取り入れるので、副作用やリスクがほとんどありません。
栄養を取り入れることで、様々な疾患や肌状態に良い効果をもたらすことが期待されています。
今回は、マイヤーズカクテルが誕生した経緯や、効果が期待できる疾患、配合されている成分について紹介します。
マイナーズカクテルとは、ビタミンやミネラルなどの栄養素を配合した点滴療法です。
人間の体では、体内で必要になる全ての栄養素を作り出すことはできません。
栄養素が不足すると、体全体の機能も低下してしまい、それに伴って様々な疾患を及ぼしてしまいます。
体全体の機能を回復させるためには、栄養を摂取するのが一番です。
マイヤーズカクテルは、人間の体に必要不可欠となる栄養素を体内に取り入れることで治癒力を高め、体全体の回復に効果をもたらします。
また、美容にも良いとされている成分を配合しているので、美白を目指す人や肌荒れが気になるという人にもおすすめです。
点滴療法なので血管痛や点滴刺入部の痛みが生じてしまうこともありますが、もともと体の中に存在する栄養素を直接体内に吸収させる治療法なので、副作用やリスクはほとんどありません。
安全面から考えても比較的受けやすい美容医療だと言えるでしょう。
今から50年ほど前、メリーランド州ボルティモアで家庭医をしていたジョン・マイヤーズ医師が喘息や慢性疲労、うつ病などの症状で苦しむ患者のためにビタミンやミネラルの点滴を使って治療を行っていました。
この点滴治療は30年以上行われていたわけですが、1984年にマイヤーズ医師が死去し、マイヤーズ医師が行っていた治療法を受け継いでくれる医師が現れることなく時間だけが過ぎていくことになります。
マイナーズ医師のもとで治療を受けていた一人の患者は困り果てた挙句、別の医師を探すことにしました。
医師を探す過程で出会えたのがペンシルベニア州・カーライル市で開業医をしているアラン・ガビー医師です。
患者はガビー医師に「マイヤーズ医師が行っていた治療を受けることはできないか?」と尋ねました。
ガビー医師はどのような治療なのか患者からの説明を聞いていくうちに興味を抱き、研究して現代医学に合わせた改良を行い、マイナーズ医師が行っていた点滴療法を再現させることに成功しました。
その後、ガビー医師はこの点滴療法をマイナーズ医師の名をとって「マイナーズカクテル」と名付け、これまで20以上の学会で数千人の医師に教育講演を行ったり、11年間で1,000人の患者に対し15,000件の点滴療法を行うなど精力的に活動しました。
これらの活動が実を結び、今では米国の10,000以上の医師がマイヤーズカクテルを治療に取り入れ、自然医療医の定番となっています。
マイヤーズカクテルは以下の疾患への効果が期待できます。
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マイヤーズカクテルは、様々な疾患の改善に役立ちます。
また、肌に良いとされているビタミンも配合されているので、透明感のある肌へ導いたり、シミやシワの予防をしたりなどの効果も期待できます。
水溶性ビタミンであるビタミンB群は、一度にたくさん摂取したとしても排泄されてしまう特徴があるので、毎日定期的に摂取したい栄養素でもあります。
マイヤーズカクテルには、以下6種類のビタミンB群が配合されています。
名称 | 特徴 | 不足した場合の症状 |
---|---|---|
ビタミンB1 | 糖質をエネルギーに変換する 皮膚や粘膜の健康維持を助ける |
イライラ 集中力の低下 |
ビタミンB2 | 皮膚や粘膜の健康維持を助ける | 疲れやすくなる 肌荒れ 口内炎 |
ビタミンB3 | 正常な神経や消化器系の維持を助ける | 食欲不振 消化不良 皮膚の発疹 |
ビタミンB5 | 免疫力をアップさせる 抗ストレスに作用する |
免疫力低下 頭痛 倦怠感 |
ビタミンB6 | 免疫機能の働きを正常に保つ アミノ酸の再合成を助ける |
皮膚炎 口内炎 貧血 神経障害 筋力の低下 |
ビタミンB12 | 葉酸とアミノ酸の代謝を助ける 神経を正常に保つ |
貧血 めまい ふらつき |
ビタミンCには、3つの働きがあります。
ビタミンCによって生成されるコラーゲンは、肌の保湿力を高めたり、皮脂の過剰分泌を抑えたりする作用があり、肌にハリツヤをもたらす効果と老化の進行を遅らせることが期待できます。
鉄は赤血球を生成するために必要な栄養素で、鉄の吸収をサポートするのがビタミンCの役目です。
他にも、抗ストレス効果や様々な疾患に対する免疫力強化、疲労回復効果、生活習慣病の予防など、体にもたらす効果が多いのが特徴です。
最近ではビタミンCの抗酸化作用が注目され、がんや動脈硬化の予防に有効であると期待されています。
ビタミンCが不足すると壊血病、鉄欠乏性貧血、皮下出血、骨形成不全になる恐れがあります。
また、体が疲れやすくなったり、コラーゲン不足によって肌荒れやそばかすなどの肌トラブルに繋がることもあるため、美容に気を遣う人は積極的に摂取してほしい栄養素です。
マグネシウムは、健康を維持するために必要となるミネラルの一種です。
体内で起こる300種類以上もの酵素反応やエネルギー生成をサポートし、体内では以下のような働きにかかわる酵素の補助因子としての役割を担います。
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マグネシウムはカルシウムとの関係性も深いため、骨や歯の形成にも欠かすことはできません。
体内に存在するマグネシウムは約25gで、そのうち50%〜60%は骨、残りは筋肉や脳、神経に分布すると言われています。
血中のマグネシウムが不足すると、腎臓でマグネシウムの再吸収が促されたり、骨からマグネシウムを取り出したりして、マグネシウムの量を一定に保とうとします。
骨からマグネシウムを取り出されると、結果、カルシウム不足にも繋がってしまいます。
カルシウムは、体内に最も多く含まれるミネラルの一種で、体重の1~2%を占めています。
ごく一部のカルシウムは血液や筋肉、神経内にありますが、ほぼ全てのカルシウムは歯と骨に存在します。
カルシウムが不足した場合、過剰摂取の場合に引き起こる疾患は以下の通りです。
case | 疾患 |
---|---|
不足した場合 | 骨粗しょう症 糖尿病 動脈硬化 高血圧 |
過剰摂取した場合 | 高カルシウム血症 高カルシウム尿症 泌尿器系の結石 腎機能不全 血管壁の石灰化 便秘 |
カルシウムは、牛乳や乳製品、大豆製品、魚介類、野菜類、海藻などに多く含まれています。
一度に多量摂取するよりも何食かに分けて摂取した方が吸収されやすくなる特徴があるので、摂取する際は気を付けてみましょう。
グルタチオンは「グルタミン酸」「システイン」「グリシン」の3つのアミノ酸からなる化合物です。
名称 | 特徴 | 多く含まれている食材 |
---|---|---|
グルタミン酸 | 脳の機能を活性化させる アンモニアの解毒と利尿作用に効果をもたらす たんぱく質を構成する |
大豆 魚類 肉類 小麦粉 鶏卵 牛乳 チーズ 海藻類 |
システイン | 黒いメラニン色素の産生を抑える | レバー 魚類 鶏卵 にんにく たまねぎ ブロッコリー 芽キャベツ |
グリシン | 不眠を改善させる コラーゲンを構成する 活性酸素の生成を抑制する |
魚介類 |
グルタチオンは肝臓で作られ、皮膚や肝臓に多く含まれていますが、年齢や紫外線の影響によって減少しやすいという特徴があります。
グルタチオンには以下の健康効果が期待できます。
強力な抗酸化作用が含まれているグルタチオンは、活性酸素によるダメージから細胞を守ります。
活性酸素は、体内に入ってきた細菌やウイルスを退治する働きがありますが、増えすぎると細胞を傷つけてしまい体に害を与えかねません。
過剰に発生した活性酸素から体を守ることで病気や老化を予防できます。
マイヤーズカクテルの治療は以下の流れで行われます。
予約日に来店し、医師によるカウンセリングを受けます。
カウンセリングでマイヤーズカクテルについて理解し、治療についての不安が解消できたら、治療を開始します。
治療方法は、希望するどちらかの腕に針を刺して点滴を落としていくだけです。
点滴時間は30分ほどで終了します。
治療が終了したら次回の予約をして帰宅します。
高濃度ビタミンC点滴と合わせて治療する場合は、治療を受ける前に「G6PD検査」が行われます。
G6PD検査は、以下2つの状態をチェックするために行われる血液検査です。
ビタミンCは血管内に入ることによって貧血を起こす場合があります。
そのため、上記の検査で問題がある場合は高濃度ビタミンC点滴にマイヤーズカクテルを追加しての治療はできません。
マイヤーズカクテルは、体に必要となる栄養素を直接体内に取り込むことで、疲労回復や疾患の改善、肌荒れ予防などの効果をもたらしてくれる点滴療法です。
もともと体内に存在している栄養素を取り入れるので副作用やリスクはほとんどありません。
疲れが抜けない、体調がすぐれない、肌荒れが酷くなったなどと感じたら、マイヤーズカクテルを受けてみましょう。
また、点滴療法には更年期障害やエイジングケア、代謝アップなどに効果をもたらすメニューが豊富にあります。
どんな治療が自分に合っているのか分からない時は、とりあえずカウンセリングを受け医師に相談してみるのもおすすめです。
マイヤーズカクテルの施術にご興味のある方は是非メディカルアルファクリニックにお問い合わせください。
カウンセリングで詳しくご説明させていただきます。
2008年に自治医科大学医学部を卒業。2010年に大阪府立急性期総合医療センター産婦人科に勤務後、2014年に大阪府障害者福祉事業団すくよかで医療部長を務めました。2015年から大阪府健康医療部で地域保健課主査を歴任し、2017年から愛賛会浜田病院産婦人科に勤務。2020年より某大手美容外科で働き、2021年には小倉院と心斎橋御堂筋院の院長を務めました。2023年からはルヴィクリニック院長に就任しています。
【資格・所属学会】
ボトックスビスタ® 認定医、
ジュビダームビスタ® 認定医、
ジュビダームビスタ® バイクロス 認定医、
日本美容外科学会(JSAS) 正会員、
日本産科婦人科学会 会員、
日本産科婦人科学会 専門医、
日本医師会認定産業医、
母体保護法指定医