糸リフト(スレッドリフト)の術後ダウンタイムの注意事項について解説!腫れやひきつれが現れた時に対応方法も紹介

2023.7.9
美容コラム

切らないフェイスリフトとして人気の施術である糸リフト。糸を使用して、顔のたるみを改善し、リフトアップ効果をもたらしてくれます。
フェイスラインの引き上げ以外にも、肌全体にハリ・つやをもたらす肌再生効果や、マリオネットライン・ほうれい線などの改善、たるみ毛穴・小じわを改善など、さまざま嬉しいポイントがある施術ですが、ダウンタイムも存在します。
今回はそんな糸リフト施術に伴うダウンタイムについて、またその注意事項や対処方法についてご紹介します。

 

糸リフト(スレッドリフト)とは

加齢とともに目立つようになる顔のたるみやほうれい線ですが、原因の多くは重力や組織が劣化することで下がった下垂脂肪と言われています。
糸リフトとは、医療用の細い糸を顔の皮下組織に挿入することでその糸の反発力を利用して下垂脂肪を引っ張り上げ、リフトアップを実現する施術です。

フェイスリフトのように大がかりな手術は必要なく、施術時間は20分〜30分程度と短い時間で完了します。
ほうれい線やマリオネットライン、フェイスラインのもたつきに効果的で、定期的に受けることで重力による影響を防ぎ、たるみの進行予防にも役立ちます。

またリフトアップ効果以外にも、糸にはバイオコーンやコグと呼ばれるトゲのようなものがあり、この刺激で皮膚内の細胞を活性化させ、コラーゲンやエラスチンなどの生成が促進されるといったメリットもあります。
そのためリフトアップだけでなく肌のハリ感やツヤ感をアップさせることができ、その効果は半年から1年ほど持続します。
皮膚を切開しないため術時の傷も小さく、周囲に知られることなく顔のリフトアップを図りたい人に人気の施術となります。

糸リフトの施術方法について

まず、どの部位のたるみを一番解消していきたいかを医師と相談の上どこに糸を挿入するかを決め、顔にマーキングします。
準備ができたらベッドに横たわり、笑気麻酔や局所麻酔薬を使用し糸を挿入する部分にある知覚神経に麻酔を打つことで痛みを感じなくさせます。

そのあと、このあと挿入する糸がついた先のとがっていない針が入るくらいの小さな入口を作ります。
この入り口は小さいため、特に傷跡として残らず施術後は自然に治癒します。ここまできたらいよいよ糸を挿入します。

事前につくった小さな入口に糸のついた針を挿入し、針だけを抜くことで糸が皮下組織にひっかかり、下垂脂肪が引きあがります。
これで施術は終了となりますが、最後にマーキングをふき取り、針の挿入箇所にはテーピングを行います。

また感染予防のため、薬が処方される場合もあるのでしっかりと決められた通りに服用をする必要があります。

 

糸リフトのダウンタイムにおける症状

短い施術時間でリフトアップを可能とする糸リフトですが、それでも術後にダウンタイムは存在します。

ダウンタイムにおける主な症状としては5つあります。

腫れ

1つは、腫れてしまうことです。
糸リフトの施術後、生じる腫れはおよそ1日~3日後がピークとなります。
これは麻酔によるもので、むくみのような腫れが頬骨周囲に現れることがあります。
とはいえ顔がパンパンに腫れてしまうということはほとんどなく、軽度な腫れであることがほとんどです。

内出血

2つめは内出血を起こしてしまうことです。
内出血は皮膚の内側の組織において毛細血管から出血することを原因とするため、施術の過程で糸が進んでいくこめかみ、目元、口元、エラの部分は特に内出血を起こしやすいと言えます。

糸が進んでいく箇所は皮膚が薄い場所のため内出血をすると少し目立ちやすくなる場合もありますが、コンシーラー・ファンデーションで隠すことが可能です。
あざと同じように、赤色・青色の状態から緑色へ、そして黄色になり、消えていくような過程を1〜2週間かけてたどります。

引きつれ

3つめは引きつれです。
糸リフトは神経の多い部分に糸を挿入することから違和感を覚えやすく、また糸の挿入でダメージを受けた組織が修復する過程で引きつっているように感じる場合があります。
施術の特性上避けられないことですが、必ずしも起きるものでもなく、引きつれを全く感じない人もいます。

手術が成功したとしても引きつれの違和感を感じる人は多いと言われています。
術後1か月程度で違和感はほとんどなくなっていきますが、その期間を経ても引きつれの違和感が治らない場合は糸を取り除いたり入れなおしたりといった手術が必要となりますので、施術を担当した医師へ速やかに相談するようにしましょう。

口が開きにくくなる

4つめは口の開きにくさを感じることです。
糸リフトは施術後、馴染むまで口の開きづらさを感じる人も多くいます。
これは局所麻酔による影響や、糸のトゲが皮下脂肪をひっかけていることが原因です。
ほとんどは数日で改善し、1か月後には馴染んで口の開き辛さを感じることもなくなるでしょう。

痛み

5つ目は痛みです。
施術において神経の多い場所に糸を挿入したことで、皮膚内の組織がダメージを受け、痛みを感じていることが原因として挙げられます。
痛みが生じるかどうかは顔のつくりや肌の状態、挿入位置や挿入本数によって変わってくるため、一概に施術を受けた人全員に痛みが生じるとは言えず個人差があります。
もし痛みがある場合には1週間~3週間ほどで治まってきます。

 

使用する糸の違いによるダウンタイムの違い

糸リフトは、施術で使用する糸の種類によってもダウンタイムの症状が異なります。

PCL(ポリカプロラクトン)は柔軟性のある糸で、体内にゆっくり吸収されるのが特徴の糸です。
2〜3年の持続効果を持ち、溶ける糸の中では最も長い時間リフトアップ効果を発揮します。
施術後の痛みもほとんどなく、腫れや内出血が出たとしても3日ほどで消失し、メイクで隠せる程度がほとんどです。

PLA/PLLA(ポリ乳酸)を使用した糸は他の糸と比べるとやや硬いものの、植物を原料とした安全性の高い糸でアメリカ食品医薬品局(FDA)の承認を得ています。
こちらも溶ける糸で、ダウンタイムはほとんどないと言われています。
腫れ、内出血、引きつれが起こる可能性もありますが、大体1週間以内で改善していきます。

POD(ポリジオキサノン)を使用した糸は手術でも使用される糸で、糸リフトの施術に使用される最も一般的な糸と言えます。
こちらは個人差はあるものの内出血や腫れを1週間~2週間伴うことがあり、徐々に改善されていくような過程をたどります。

PP(ポリプロピレン)も手術でも使用される糸となりますが、POD(ポリジオキサノン)と異なるのは溶けない糸であるという点です。
長い間リフトアップ効果を持ちますが、伸縮性が無いことで施術後に違和感を感じる場合があります。

こちらの糸で施術した場合には腫れや内出血などが起こる可能性がありますが、大体2週間ほどで治まっていきます。
口を開けた時などに違和感・痛みを感じる場合もありますが、こちらは1か月程度の時間をかけて治まっていくでしょう。

 

 糸リフト施術後のダウンタイム中の過ごし方・対処方法について

糸リフトの施術後は、飲酒や激しい運動、温泉やサウナなど血流が良くなるようなことは避ける必要があります。

ダウンタイム中に血流が良くなってしまうと、傷が開いてしまい治りが遅くなってしまうからです。
また傷に刺激を与えることもよくないため、紫外線を浴びることや手で擦るなど刺激を与えることは避けるようにしましょう。

基本的に安静にすることが重要ですが、それでも腫れや痛みなどの症状が現れてしまう場合は多くあります。
痛みが辛い時には施術部位を適度に冷やすことで内出血などを抑えて熱感を和らげることができます。

糸リフトの施術部位は主に顔となりますが、不必要に横になると顔の血流が流れやすくなることで傷が開きやすくなってしまいます。
痛みが発生した場合は横になりたくなりますが、できるだけ身体を起こした状態にしておくことでダウンタイムをより短く快適に過ごすことができるでしょう。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。糸リフトはメスを使わず、20分〜30分と短い時間で終了するので気軽に試すことのできる美容施術の一つです。
もちろんデメリットやリスク、そして今回紹介したダウンタイムは存在しますが、それらを理解した上で、カウンセリングにおいて医師としっかりと相談して施術するようにしましょう。

 

メディカルアルファクリニックでは、初めて美容医療を体験する人でも安心して施術を受けられるようなサポート体制を整えています。
夜は19時まで、土日も診療を受け付けており、お仕事帰りなど気軽に立ち寄ることが可能です。
糸リフトに興味を持たれた方は、是非メディカルアルファクリニックにお問い合わせください。

この記事の監修

小西 恒

2008年に自治医科大学医学部を卒業。2010年に大阪府立急性期総合医療センター産婦人科に勤務後、2014年に大阪府障害者福祉事業団すくよかで医療部長を務めました。2015年から大阪府健康医療部で地域保健課主査を歴任し、2017年から愛賛会浜田病院産婦人科に勤務。2020年より某大手美容外科で働き、2021年には小倉院と心斎橋御堂筋院の院長を務めました。2023年からはルヴィクリニック院長に就任しています。
【資格・所属学会】
ボトックスビスタ® 認定医、 ジュビダームビスタ® 認定医、 ジュビダームビスタ® バイクロス 認定医、 日本美容外科学会(JSAS) 正会員、 日本産科婦人科学会 会員、 日本産科婦人科学会 専門医、 日本医師会認定産業医、 母体保護法指定医

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