GLP-1注射の副作用とダイエット効果の大小を天秤にかけて

2022.5.11
ダイエット注射

GLP-1ダイエット注射の主な副作用=吐き気・胃もたれ

 副作用は、体がお薬に慣れてくると出にくくなったり感じなくなったりしていきます。
もちろんはじめから感じない方もいらっしゃいますが、大半の方は、初めの一週間を過ぎると症状が改善されるようです。

 

 

実は
吐き気は、GLP-1ダイエット注射をされたかたが一番多く感じやすい副作用になります。

胃の出口部分を収縮させてくれる働きがあり、そのことにより食べたものが胃の中に長時間とどまります。胃の中にずっと何かあるような…胃もたれをしているような…そのような感覚です。

胃もたれをしているとお腹もすかず、自然と食欲も減りますよね。
そうすると摂取カロリーを抑えることができ、自然と体重が落ちていきます。
お腹もすかず自然と体重が落ちていくので、皆さん「気が付けば体重が落ちていた」と口をそろえて仰います。

ダイエットには食欲が旺盛なことは、天敵でありストレスです。GLP-1ダイエット注射がストレスなくダイエットできることはこのような利点があるからではないでしょうか。

副作用の便秘はあることをしたら解消される

GLP-1の効能である消化器の動きを緩やかにすることが原因でおこります。

しかし、なぜか皆さんGLP-1ダイエット注射開始から2か月頃をピークに起こり、その後は何か対処法を取らずとも自然と改善されていきます。

便秘は、胃もたれや吐き気の症状程頻繁に起こるものではなく1/4の割合です。

時間が経つと自然と改善されていきますが、あまりにもひどい方や気になる方は、乳酸菌サプリで改善していきます。
また、水分を日頃より多めにとってあげることで改善していきます。

整腸剤を処方されるところが多いですが、整腸剤は太りやすくする悪循環を生みだしてしまうのでお勧めしておりません。
詳しくは、別の記事で説明していきます。

低血糖や急性膵炎の関連性は見られないとの報告も

国内ではビクトーザが糖尿病治療薬として2010年に認可をうけました。

よく、「糖尿薬ということは、糖尿病になる可能性はありますか?」とご質問いただきますが、全く関係性がなくむしろ糖尿病を予防してくれるといった利点があります。

この点を理解したうえで次の症状について解説していきます。

・低血糖症状
低血糖症状は、ふらつきやめまいが起こります。
一般的に糖尿病で使われるお薬はインスリン(血糖を下げるホルモン)を打って血糖値を下げていきます。打つと血糖値の高低関わらず血糖値は下がります。

しかし。

ここで知っておいていただきたいことは、GLP-1ダイエット注射(サクセンダ)は血糖が高くなったときにのみ血糖を下げる作用が働きます。

 

 

 

 GLP−1受容体作動薬は、主に膵臓に作用してインスリンの分泌を促す作用を持つ2型糖尿病の注射薬です。
「GLP-1」は、インクレチンというホルモンのひとつで、食事摂取などが刺激となり、消化管から分泌されるホルモンです。 GLP-1は体の中のGLP-1受容体に作用し、体の中で作用しますが、GLP-1はからだの中でDPP-4という酵素によって短時間で分解されるため、その作用は直ぐに消えてしまいます。

 

食後の血糖値の急上昇も抑えてくれるので、太りにくくしてくれます。

※サクセンダも低血糖を起こさないとは言い切れないので注意は必要です。

食事を極端にとらなかった場合やほかの糖尿病薬と併用した場合は低血糖になるリスクは高くなりますので注意が必要です。
(そもそも糖尿病患者の方や糖尿病薬を飲まれている方はGLP-1注射は使えません)

低血糖の症状が出た場合は、直ちにブドウ糖を摂取してください。
コーラや飴玉などがあります。

・急性膵炎
2型糖尿病患者153万人を対象にした実験で、インクレチン薬と急性膵炎リスクとの関連性は見られないという結果がでています。

GLP-1ダイエット注射でダイエット効果が高く副作用の少ない製剤とは

クリニックでよく見かけるGLP-1製剤は主に3種類あります。サクセンダ・ビクトーザ・オゼンピックです。

サクセンダとビクトーザは毎日1回決まった時間に注射をします。
オゼンピックは1週間に1回の投与でよく効果も強いのですがその分副作用がかなり強く出てしまいます。
中には、「一日中吐き気を催し仕事どころではなかった」といわれる方も。

副作用のリスクが低いのは、圧倒的に1日1回投与するタイプです。

慣れてから、オゼンピックに移行してもよいかもしれません。サクセンダやビクトーザでも十分体重減少は見込めます。

それでは、サクセンダとビクトーザでの違いですが、一回に打てる容量が違います。
ビクトーザのメモリが0.3刻みに対してサクセンダは0.6刻みです。打つ用量が多い分
ビクトーザに対してサクセンダの方が体重減少に効果が見込めます。

まとめ

もちろんお薬である以上、低血糖や急性膵炎のリスクは可能性は0ではありません。
しかし、今やGLP-1ダイエット注射は世界中で承認されている非常に安全性の高いメディカルダイエットです。
GLP-1製剤とインスリン注射は全くの別物で、 GLP-1ダイエットは糖尿病治療とは異なります。
このことをしっかりと理解しているとおそらくGLP-1ダイエット注射に対する不安や抵抗はなくなるでしょう。

お薬の特徴や作用、副作用のリスクを理解したうえで、メディカルダイエットである以上きちんと医者の指示の上で安全にダイエットを行いましょう。

この記事の監修

小西 恒 医師
小西 恒

2008年に自治医科大学医学部を卒業。2010年に大阪府立急性期総合医療センター産婦人科に勤務後、2014年に大阪府障害者福祉事業団すくよかで医療部長を務めました。2015年から大阪府健康医療部で地域保健課主査を歴任し、2017年から愛賛会浜田病院産婦人科に勤務。2020年より某大手美容外科で働き、2021年には小倉院と心斎橋御堂筋院の院長を務めました。2023年からはルヴィクリニック院長に就任しています。
【資格・所属学会】
ボトックスビスタ® 認定医、 ジュビダームビスタ® 認定医、 ジュビダームビスタ® バイクロス 認定医、 日本美容外科学会(JSAS) 正会員、 日本産科婦人科学会 会員、 日本産科婦人科学会 専門医、 日本医師会認定産業医、 母体保護法指定医

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