脇ボトックスは打ち続けると後悔する?5つのデメリットと後悔しないための対策を解説

2025.9.4
美容コラム

脇ボトックスとは?基本情報と作用の仕組み

脇ボトックスとは医療用ボツリヌス毒素製剤をわきに注入する治療で、発汗腺の働きを抑えることで脇汗の軽減を目指します。ここではデメリットや作用の仕組み、アラガン社製との違いを整理して見ていきましょう。

どうして汗を抑えられるのか?

脇ボトックス注射は汗を出す神経伝達物質アセチルコリンの働きを抑制することで、エクリン汗腺やアポクリン汗腺が過剰に反応しなくなり、ワキガや多汗症による脇汗を減らす作用があります。施術直後から神経伝達が遮断されるため、その日から軽減を感じやすいケースもあります。脇汗とニオイを伴う汗への両方に効果が期待されますが、神経機能の回復とともに副作用として一時的な筋肉痛や内出血が現れることがあります。薬機法に配慮しつつ、患者さんの個体差で効かない人もいる点を理解することが大切です。

使用される薬剤とアラガン社製の特徴

主に使用される製剤はアラガン社(アラガン製)による「ボトックスビスタ」で、抗体が作られにくく、効果の持ちが比較的安定しています。医師は通常80単位前後を両脇に分けて注入し、麻酔を併用して痛みを和らげることが多いです。韓国などから安いジェネリック製を輸入するクリニックもありますが、品質や抗体リスクの観点から慎重な判断が必要です。

ワキガや多汗症への適応と限界

脇ボトックスは厳密には多汗症の治療として保険適応されるケースもありますが、ワキガについては保険適用外です。効果には個人差があり、打ち続けると抗体ができて効かなくなるリスクがあります。また、深いアポクリン汗腺の抑制には限界があり、深部まで届かず効果が不十分なケースもあります。こうした限界とリスクを理解することが後悔を避けるためのポイントとなります。

脇ボトックスのメリットと効果

ここからは、メリットやその持ち、脇ボトックスがどれほど役立つのかを効かないケースと比較しつつ見ていきましょう。

どれくらい効果があるのか?

多くのクリニックで、注入後1週間から2週間で効果を実感する人が多く、持ちとしては3〜6ヶ月程度が目安とされています。アラガン社製ならではの安定した質で、80単位注射の場合、個人差がありますが、脇汗が軽減されたと感じる方もいます。ただし、必ずしも全員に同じような効果が出るわけではなく、十分な効果を感じられない方もいます。こうした失敗や効かない事態に備えて、カウンセリングで体質や過去の施術履歴をよく確認することが大切です。

効果の持続期間と発現タイミング

施術後、1〜3日で初期反応が始まり、1〜2週間ほどでピークに達します。その後4〜6ヶ月かけて効果が徐々に薄れていき、「打ち続けると」肌や神経が慣れて効かなくなるリスクがあります。アラガン社製を定期的に使用すれば、抗体形成リスクはありますが、高頻度(3ヶ月以内など)で繰り返すと有効性が落ちやすくなりますので、施術頻度は半年ペースでの調整が推奨されます。

ワキガ・わき汗に対する具体的な効果

ボトックスは多汗症の治療として使われることが一般的ですが、臭いの主因は菌にありますので完全な改善は難しいです。一方、多汗症による脇汗の著しい減少は、効果を実感される方が多い傾向があります。ただし、ワキガと多汗症は異なる症状ですので、クリニックではその違いを理解した上で治療の適応を判断する必要があります。

効果が「ない」「効かない人」の特徴と原因

続いて、脇ボトックスが効果を感じにくい人に共通する理由を探ってみましょう。

打ち方・量・医師の技術による差

施術技術は結果に直結します。麻酔の効き方や注射部位のばらつきによって、薬液が汗腺に均等に届かないことがあり、そうすると部位によって効果にムラが出て「効かない人」になりやすくなります。80単位の使用は標準ですが、クリニックによっては安い価格設定(安いクリニック)で単位を抑えてコスパ重視と謳う場合もあり、結果的に効果不足につながる例が散見されます。しっかり効果を得るには、使用量と医師の経験のバランスが重要です。

体質による効かないケース

そもそもの体質や神経伝達の個人差によって、注入したボトックスがうまく作用しない方がいます。特に重度の多汗症や深層のアポクリン汗腺が発達している体質では、十分な効果が得られないことがあります。また、脇汗の規模が大きい人では単に80単位では不十分な可能性があり、医師との相談が必要です。体質に合った治療でなければ、どうしても効かない状況は起こり得ます。

効果がすぐに消えるのはなぜ?

効果の持ちが短いケースは、抗体ができて効かなくなる可能性がありますし、クリニックによっては頻度を高く打ち過ぎて慣れてしまうリスクもあります。アラガン社製品でも抗体のリスクはゼロではなく、特に繰り返し施術しているうちに、効果が薄れ、『効かなくなる』可能性に直面する方もいます。このような失敗を避けるためには、半年以上の間隔で様子を見ることが望ましいです。

脇ボトックスのデメリットと副作用

それでは施術後に起こり得るデメリットや副作用について詳しく見ていきましょう。

一時的な副作用(腫れ・内出血・筋肉痛)

注射部位には最初少し腫れや赤みが現れたり、内出血の跡ができることがあります。この内出血は通常1週間ほどで治り、入浴は翌日から問題なく可能ですが、血行を良くするために軽めのシャワーが推奨されます。麻酔を使うため痛みは軽減されますが、施術後数日は圧迫感や筋肉痛のような違和感を感じる人もいます。こうした副作用は一時的ですが、人によっては日常生活に支障が出るケースもあるため、事前にクリニックで詳しい説明を受けることが重要です。

代償性発汗や効果のムラ

汗が減ると他の部位、胸や背中に熱が逃げようとして代償性発汗が起きる場合があります。これは全身の汗腺の調整による自然な反応ですが、脇汗が治まっても「背中に汗が増えた」と感じれば不安になります。部位ごとにムラが出やすく、特に左右の効果差を感じる人も少なくありません。こうしたデメリットは繰り返し施術しても完全には防げないケースがあり、リスクとして考慮する必要があります。

打ち続けると効かなくなるリスクと抗体の話

長期的に繰り返すことで抗体ができて作用が弱くなる現象は報告されています。これはアラガン社製であっても免疫系が働くためで、特に頻度を高めすぎることで「効かなくなる」リスクが上がります。一度抗体ができると同じ製剤が使えなくなる可能性があり、その場合は韓国製など代替製剤を検討することになりますが、品質や安全性の面で注意が必要です。薬機法の下で扱いにも慎重さが求められます。

アラガン製でも効かないことはある?

アラガン社の品質は高く、多くの医師が信頼していますが、80単位でも体質や注入位置のズレによって十分に効果が出ないこともあります。安い価格帯で大量に注入しているクリニックと比べても、品質丁寧さの面で差が出ることがあるため、アラガン社製を選んだとしても必ずしも安心とは限りません。これが「失敗」と感じられる原因の一つです。

脇ボトックスの費用とコスパ

次に、費用面での見方や他治療との比較を見ていきましょう。

一回あたりの値段と年間コスト

クリニックによって価格設定は様々で、相場は約3万円〜10万円程度です。アラガン社製を使うクリニックでは単価が高め設定ですが、安い韓国製を使うクリニックでは3万円前後で提供されることがあります。ただし安い治療ほど効かない人が出やすく、効果持ちも短くなるリスクがあります。年間コストとして年2回の施術を想定すると、6〜20万円程度を見込む必要があります。コスパを考える際には効果の持ちや頻度も加味して検討することをおすすめします。

他の治療法(ミラドライなど)との比較

脇ボトックス以外の多汗症・ワキガ治療としてはミラドライがあります。ミラドライは高周波で汗腺を熱破壊する方法で、治療は麻酔下で行いその日から通院不要ですが、施術後に腫れや痛みが強く、跡が残るリスクもあります。効果の持ちはより長く1〜2年単位で期待できますが、コストは相対的に高く10万円以上かかるケースも多いです。ボトックスが比較的安価で手軽なのに対し、治療効果の安定性や持続性はミラドライに分があるため、自分の優先順位次第で選択すべきです。

脇ボトックスと他の選択肢をどう比較するか?

脇ボトックスを検討する際、同じ悩みを解決する他の治療法や対策と比較することはとても重要です。ここでは、ミラドライや市販のデオドラント製品、さらには韓国製品との違いについて詳しく見ていきましょう。

ミラドライとの違いと選び方

ミラドライはワキガや多汗症に対して半永久的な効果を期待できる治療で、ボトックスとは根本的に作用が異なります。マイクロ波で汗腺を熱変性させるため、アポクリン・エクリン両方に影響を及ぼす点が特長です。ミラドライはその日だけで完結し、通院も不要なケースが多く、忙しい人には魅力的な治療法です。ただし、痛みが強く麻酔が必要で、施術後の腫れや跡が長引く可能性があります。ボトックスより費用は高くなりますが、頻度を抑えられるため、長期的にはコスパが良くなることもあります。

デオドラントや外用剤との比較

市販のデオドラント製品や塗布薬は、手軽で安い一方で、重度の多汗症やワキガには効果が不十分なことが多いです。外用剤は汗の出口を塞ぐことで臭いや汗を減らす仕組みですが、根本治療にはなりません。脇ボトックスは神経伝達を遮断する医療的作用があるため、よりしっかりした効果を求める方に向いています。また、デオドラントは毎日の使用が前提となるため、手間と効果の持ちのバランスを見極めて選ぶことが重要です。

韓国製ボトックスとの違いと注意点

一部のクリニックでは、アラガン社製より安い韓国製ボトックスを使用しています。費用を抑えたい方にとって魅力ですが、効果の持ちや安全性にばらつきがあることが指摘されています。韓国製製剤の中には、80単位と記載されていても有効成分量が異なる場合があり、実際の作用に差が出る可能性もあります。また、製品管理や流通経路の信頼性にも注意が必要です。安いからと安易に選ぶのではなく、リスクも把握した上で選択することが大切です。加えて、韓国製は製造ロットや保管状態によって品質が左右される可能性もあります。アラガン社製と比較すると、有効性や安全性の検証データが十分でない場合が多く、薬機法の観点からも慎重な取り扱いが求められます。安さに惹かれて選んだ結果、効かない・効果が持たないといった失敗につながることもあるため、価格だけで判断せず、医師としっかり相談した上で選ぶことが重要です。

脇ボトックスで後悔しないためにできること

最後に、失敗しないようクリニック選びから施術後までの注意点を整理します。

脇ボトックス後のケアと生活の注意点

施術後は大きなダウンタイムがないことが魅力ですが、日常生活にはいくつかの注意点があります。まず当日の入浴は避け、施術部位が熱を持っている間はぬるめのシャワーにとどめてください。発汗を促す激しい運動やサウナは控えることが推奨されます。また、施術後は内出血の跡が出ることもあるため、白い服などは避けた方が安心です。麻酔が切れた後に違和感や筋肉痛のような感覚が出ることもありますが、数日で落ち着くケースがほとんどです。違和感が続く場合や腫れが悪化する場合は、クリニックにすぐ相談してください。

脇汗が減ることで精神的なストレスが軽くなる人も多いですが、代償性発汗が生じた場合には、新たな不快感に戸惑うこともあります。この変化は一時的なことが多いですが、気になるようなら医師に相談し、必要に応じて対策を講じることが重要です。何より、打ち続けると慣れて効かなくなるリスクを避けるためにも、施術の計画は医師と一緒に立て、無理のない頻度を設定することが長く効果を維持するための鍵となります。

失敗を防ぐクリニックの選び方

まず、クリニックが使用するボトックスがアラガン社製かどうかを確認してください。価格があまりに安い場合は、品質や注入量が不十分な可能性があります。麻酔対応の有無、80単位という標準的な頻度・量を使用しているかも重要です。医師の経験や症例数、施術後のケア体制なども含めた総合判断が、後悔しない施術には欠かせません。

初回カウンセリングで確認すべきこと

カウンセリングではまず多汗症かワキガどちらがメインかを明確に伝え、汗の量やニオイについて具体的に話しましょう。アポクリン汗腺へのアプローチや効果持ち、抗体生成リスク、代償性発汗についても確認すると安心です。施術後に腫れや跡がどの程度続くか、入浴や日常生活にどんな制限があるのかをしっかり聞いておくことが失敗を防ぐために有効です。

打ち続ける際の計画の立て方

一度効果が出ても、4〜6ヶ月ほどで薄れてくる可能性がありますので、次にいつ打つかのプランを医師と立てておくことが肝心です。あまり頻繁に打つと抗体のリスクが高まるため、最低でも半年間隔が目安です。もし効果が急に効かなくなったり、脇汗が戻ってきたと感じたら、ミラドライなど他治療への切り替えも視野に入れて計画を立てておくことで、後悔を回避しやすくなります。

まとめ

脇ボトックスは脇汗やワキガ対策として高い効果が得られる一方で、効果がすぐに消えたり、抗体ができて効かなくなるなどのリスクもあります。アラガン社製を使い、麻酔対応かつ適切な頻度で施術することでリスクを抑えられますが、必ずしも万人にとって安定的とは限りません。ミラドライなどの他治療との比較も踏まえて、事前カウンセリングで体質や希望を伝えることが、後悔しない鍵となります。適切なクリニック選びと計画で、脇汗やワキガのケアの成功につなげてください。

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この記事の監修

小西 恒 医師
小西 恒

2008年に自治医科大学医学部を卒業。2010年に大阪府立急性期総合医療センター産婦人科に勤務後、2014年に大阪府障害者福祉事業団すくよかで医療部長を務めました。2015年から大阪府健康医療部で地域保健課主査を歴任し、2017年から愛賛会浜田病院産婦人科に勤務。2020年より某大手美容外科で働き、2021年には小倉院と心斎橋御堂筋院の院長を務めました。2023年からはルヴィクリニック院長に就任しています。
【資格・所属学会】
ボトックスビスタ® 認定医、 ジュビダームビスタ® 認定医、 ジュビダームビスタ® バイクロス 認定医、 日本美容外科学会(JSAS) 正会員、 日本産科婦人科学会 会員、 日本産科婦人科学会 専門医、 日本医師会認定産業医、 母体保護法指定医

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