口元のたるみにアプローチできる?口角ボトックスの特徴と注意点を徹底解説

2025.11.20
美容コラム

目次

口角ボトックスとは?どんな施術なのか

口角ボトックスは、口元の筋肉に少量注入して口角を上げる施術です。口角下制筋をターゲットにすることで、たるみに見える口元の印象を軽減することが期待されます。注入部位や対象となる筋肉と、実際の施術の流れについて深堀りして見ていきましょう。

注入部位と対象となる筋肉(口角下制筋など)

口角下制筋は、口角や唇を下方向に引っ張る筋肉で、加齢や筋肉の癖によって口角が下がり、真顔でもたるみに見える原因になります。口角ボトックスではこの筋肉に注入して動きを抑え、口角挙上を促します。施術は注入量や位置を精緻に調整し、左右差や歪みを予防しながら、自然な変化を目指します。多くのクリニックでは、アラガン社のボトックスビスタ®を用いて医薬品品質基準に沿った製剤を使用することで、安全性を重視しています。麻酔はクリームあるいは笑気麻酔を用い、痛みを和らげつつ、真顔でも表情の違和感が残らないように調整します。整形的な極端な変化ではなく、予防的かつ自然な印象を目指す施術として選ばれることがあります。

施術の流れと所要時間

施術前には、医師とのカウンセリングで口元や唇、人中の形状、笑顔と真顔の違いを確認します。麻酔後に極細の針で注入し、鏡を見ながら注入部位を微調整します。施術時間は10〜15分程度で済み、痛みや腫れがほとんどないため、ダウンタイムが短く日常生活にほとんど影響がありません。施術直後から洗顔やメイクが可能なケースも多く、当日は軽く安静に過ごすだけで大丈夫です。

なぜ今、口角ボトックスが注目されているのか

ここでは、美容医療の中でも口角ボトックスがなぜ多くの人に支持されているのかを、背景と特徴から見ていきます。

整形よりも自然で試しやすい選択肢

整形手術に抵抗のある方でも、ボトックスはメスを使わないためハードルが低く、特に口角ボトックスはダウンタイムが短く、施術後すぐに日常生活に戻れるという点が大きな魅力です。ヒアルロン酸や糸リフトとの併用も可能で、外科的施術に抵抗がある方にも自然な若返りをもたらす「ミニマム整形」として注目されています。

表情筋への繊細なアプローチが可能

口角下制筋など表情筋への注入は、医師の技術が問われる分野です。真顔でも笑顔でも不自然さを感じさせず、歪みや左右差を避けるためには、解剖学の知識と経験が不可欠です。唇や人中とのバランスを見ながら、わずか数ミリ単位での調整が行われます。

予防的な美容医療としての側面

近年では、30代から口角ボトックスを始める方も増えており、たるみや歪みが深刻化する前の「予防美容」としての価値も高まっています。表情の癖による将来的な下がり口を防ぎつつ、年齢を重ねても若々しい印象を保てることから、継続的に取り入れている人が増えています。

口元のたるみにどう作用する?ボトックスの働きと考え方

ここでは、口元のたるみにどう働きかけるのか、その仕組みと自然な表情を保つための考え方を詳しく見ていきましょう。

筋肉の動きを緩和する仕組み

アラガン社製のA型ボツリヌス毒素(ボトックスビスタ®)は神経伝達物質アセチルコリンの放出を抑制し、筋肉の収縮を緩めます。口角下制筋への注入により、その引っ張る力が弱まり、口角が自然に上がります。その結果、笑顔でも真顔でも口元のたるみやへの字口の印象が改善され、若々しい印象を目指す方に選ばれています。これはヒアルロン酸とは異なり、筋肉の働きを調整することで自然な変化を促す方法です。

自然な表情を保つための工夫

施術では注入量を極めて少なくし、複数回に分けて調整することで、笑えないほど表情が固くなったり、口角が上がりすぎて不自然になったりするリスクを避けます。さらに、ヒアルロン酸を併用して唇や人中の形を整えることで、口元全体のバランスをとりながら、不自然な整形印象を与えず自然な笑顔を維持します。表情全体の歪みや左右差を術中に確認・調整し、時間の経過とともに自然な変化が続くよう配慮します。

ボトックスの効果はいつから?持続期間の目安

次に、効果が現れ始める時間、持続期間、そして繰り返し施術による変化を順を追ってご説明します。

効果が現れるまでの期間(通常3~7日)

ボトックスの効果は注入後通常3日から7日程度で現れ始めます。初期の数日は真顔での変化を感じづらいかもしれませんが、笑顔が軽くなったように感じる場合もあります。注射後の経過中には軽い腫れや真顔での表情の違和感を感じることがありますが、これらは通常数日で落ち着きます。施術後、笑いや会話、唇の動きなどで口元のバランスを注意深く観察しながら、左右差や不自然な感じが出ないか確認していきます。麻酔は短時間で効果が切れますが、経過中に痛みを感じることは少なく、整形手術に比べ、比較的簡単に受けられる施術です。

効果の持続期間(おおよそ3〜6ヶ月)

注入したボトックスの効果は一般的に3ヶ月から6ヶ月続きます。個人差はありますが、アラガン製の製剤を使用した場合、比較的長めに安定した効果が期待でき、真顔や笑顔の表情変化も違和感なく保たれます。効果が薄れてくると徐々に筋肉の収縮が戻り、笑ったときに口元のたるみが目立つようになります。持続期間の終了後は、唇や人中の状態、口角の位置を再評価して、必要に応じて再施術やヒアルロン酸の追加を検討します。整形ではなく予防目的で施術を重ねることにより、たるみの進行に対して予防的に取り入れられることがあります。

繰り返しの施術でどう変化する?

繰り返し定期的に口角ボトックスを受けることで、筋肉の動きが徐々に穏やかになり、効果の持続が長く感じられるケースがあります。しかし、過度な繰り返しにより、左右差や表情の不自然さが増すことがあるため、医師と経過をしっかり相談しながら判断することが大切です。特に注入量や注入部位は毎回微調整が必要になります。大きな変化を望まない方でも、自然な口角位置を継続して保つためには適切な頻度でのメンテナンスが有効です。

副作用・ダウンタイム・注意点

ここからは、副作用やダウンタイム、施術後の注意点について詳しく見ていきます。

内出血や腫れの可能性について

注射を伴う施術のため、注入部位に軽度の内出血や腫れが起こることがあります。多くの場合、施術後1日から数日で目立たなくなり、1週間以内には自然に消失します。内出血の部分は真顔でも色味でわかることがありますが、メイクで隠せる程度です。ダウンタイムは短く、日常生活への支障がほとんどありませんが、重要な予定がある直前の施術は避けたほうが安心です。アラガン製の薬剤を用いることで、注射後のリスクを極力抑えた施術が可能となります。施術中に麻酔を併用することで痛みと腫れの軽減が期待でき、施術直後から笑顔や会話ができるケースがほとんどです。

左右差・表情の違和感が起きることも

口角ボトックスでは注射の微妙な差により、左右差や表情に違和感が出ることがあります。たとえば笑顔になると片側だけ口角が上がりにくい、不自然に歪む、真顔で口角の位置が左右で異なるといった変化です。これらは施術後の経過の中で徐々に改善することが多いですが、長引く場合はクリニックに相談が必要です。事前に表情評価を十分行い、真顔と笑顔の差を細かくチェックすることで、左右差や不自然な変化を予防できます。施術後には鏡で変化を確認し、笑えないほどぎこちない表情になっていないかを慎重に見ておくことが望ましいです。

施術後の過ごし方とNG行動

施術後は注射部位を強くこすったりマッサージしたりすることは禁止です。刺激によってボトックスが隣接する筋肉に広がり、意図しない部位に作用する可能性があります。入浴や激しい運動、飲酒もダウンタイム中の腫れや内出血を悪化させる恐れがあります。当日は安静に過ごし、翌日以降も腫れが残る場合や左右差が出る場合は早めに医師と経過を確認してください。妊娠中・授乳中の方や重度の神経筋疾患を持つ方は施術を控えるのが望ましいとされています。

どんな人に向いている?検討時のチェックポイント

ここからは、口角ボトックスが合う人と避けたほうがよいケースを見ていきましょう。

ボトックスが合う人の特徴

口角が下がり気味で、口元にたるみを感じている方、真顔でも笑顔でも口元のラインが気になる方、大きな変化は望まず、自然な印象を保ちながら若々しさを予防的に維持したい方に向いています。ヒアルロン酸による唇や人中の補正治療と併用することで、整った口元の印象を作ることが可能です。歪みや左右差を抑え、顔全体のバランスを整えたい方におすすめです。

避けたほうがよいケースとは?

過去にボトックス注射でアレルギー反応があった方や妊娠中・授乳中の方、重度の神経疾患や筋力低下のある方は、口角ボトックスを避けた方が安全です。不自然なリフトアップや大きな変化を求める方、あるいはたるみが非常に強く切除的なリフト施術を希望する方には、ヒアルロン酸注入やリフト手術、切開による整形のほうが適している場合があります。

他のたるみ治療との違いや併用について

ここでは、ヒアルロン酸やリフト施術との比較と、総合的なたるみケアとして口角ボトックスをどのように位置づけられるかを説明します。

ヒアルロン酸やリフト施術との比較

ヒアルロン酸注入は皮下にボリュームを追加してしわや凹みをふっくらさせ、たるみを補整しますが、吸収されると元に戻るリスクがあり、不自然な膨らみが出ることがあります。リフト施術は皮膚や組織を物理的に持ち上げる手法で、引き上げ効果は高いものの、切開やダウンタイムが長期になる傾向があります。一方で口角ボトックスは、筋肉の働きを抑えることで自然な変化を促し、持続期間は3〜6ヶ月程度ですが、左右差や不自然なリスクを比較的抑えて施術できる選択肢です。

総合的なたるみケアとしての位置づけ

口角ボトックスは、表情筋へのアプローチとしてヒアルロン酸やリフトと併用することで、口元から顔全体のリフトアップや若々しさ予防を目指す統合的なケアになります。たとえば唇や人中にヒアルロン酸を注入し、ボトックスで口角下制筋を抑制し、さらにリフト施術で支持組織を引き締めれば、バランスのとれた口元を目指す方法のひとつです。施術後の経過を見ながら調整することで、整形感を抑えた段階的な変化を目指す施術法です。

実際の症例に学ぶ、口角ボトックスの経過とリアルな感想

ここでは実際の施術例を想定し、施術前後の経過や感想を通じて、リアルな“変化”や“歪み”“左右差”への配慮について見ていきましょう。

施術前の悩みと期待

30代女性のAさんは、口元のたるみと口角の下がりに悩んでいました。真顔では口角が下がって見え、鏡を見るたびに人中から唇にかけてのラインが気になっていたそうです。毎朝のメイクでもヒアルロン酸には抵抗があり、自然な口角挙上を求めてボトックスを検討しました。カウンセリングで医師からは、麻酔があるため痛みは少なく、アラガン社の製剤を使うことで安全性や予防的な経過管理がしやすいとの説明を受け、「整形とは違う、自然な変化」を期待して施術を決意されました。

経過中に感じた変化

注入当日は軽い腫れとほんのり赤みを感じましたが、翌日には腫れが引いて真顔でも違和感はありませんでした。3日目頃には口角がほのかに上がり始め、鏡を見るたびに口元に変化を実感できるようになりました。笑顔も自然で、真顔から笑顔への切り替え時に不自然さがなく、左右差も感じられませんでした。経過観察のため1週間後に再来院し、嚥下や会話、表情のチェックを受け、微調整が行われました。

施術後数週間の様子と再来院のポイント

2週間経過したころには、ほぼ完成形に近づき、口角のリフトアップと口元のたるみ軽減を感じられました。その後約3ヶ月間は確かに効果が続き、ヒアルロン酸を併用して唇にわずかなボリュームを持たせることで、人中から唇にかけてのバランスが整い、整形的でない自然な印象となりました。副作用はなく、左右差や不自然な表情もなく過ごせたとのことです。3ヶ月後に再来院した際には、注入量を微調整しながら経過を確認し、「早期の予防ケア」が可能なことを実感されたようでした。

施術を受ける前に確認したいクリニック選びのポイント

ボトックス施術の成功には、施術を行うクリニックの選定が非常に重要です。ここでは、信頼できるクリニックを見極めるためのポイントを詳しく見ていきましょう。

医師の経験と症例写真の有無

ボトックスは注射だけで行う比較的簡単な施術と見なされがちですが、実際には繊細な技術が求められます。特に口角周辺は顔の表情全体に影響を与えるため、施術実績が豊富な医師を選ぶことが重要です。公式サイトに症例写真が掲載されているか、医師のプロフィールにボトックスの専門性や経歴が明記されているかをチェックすると良いでしょう。過去の症例を確認することで、自分が求める「自然な変化」や「不自然でない仕上がり」が実現できるかをイメージしやすくなります。

カウンセリングの丁寧さと対応力

初回カウンセリングでの対応もクリニック選びの大切な要素です。たとえば、医師が口元や唇、人中の状態を丁寧に観察し、たるみの程度や筋肉の動きに合わせた施術プランを提案してくれるかどうかは大きな判断基準です。リスクや副作用についてもしっかり説明があり、無理に他の施術を勧められないか、患者の悩みに寄り添っているかを見極めましょう。納得のいく説明があることで、施術後の経過への不安も軽減されます。

アフターケア体制の充実度

口角ボトックスはダウンタイムが短いとはいえ、まれに左右差や違和感、笑えないなどのトラブルが起きることもあります。そうした際、スムーズに再診が受けられるか、微調整や再注入に対応してもらえるかといったアフターケア体制の有無も確認しましょう。施術後に経過観察の機会があるクリニックでは、問題があればすぐ対応してもらえるため安心です。口コミやSNS、第三者評価サイトの評判なども参考になります。

よくある質問Q&A

こちらでは読者の疑問に答える形で、「痛み」や「不自然さ」などの不安にこたえます。

施術は痛い?麻酔は必要?

施術前にクリーム麻酔または笑気麻酔が使われることが多く、痛みは極めて少なく済みます。細い針で少量ずつ注入するため施術時間も10〜20分と短く、痛みのために笑えないようなことはまずありません。不安な方には施術前カウンセリングでサンプル注射を試すクリニックもあり、麻酔の有無や注入量に応じたリスク評価がされていることが多いです。

表情が不自然になるって本当?

過度な注入や位置のズレがあると、真顔で口角が左右違った位置になったり、笑えないような硬い表情になるリスクがあります。しかし、良心的な医師は鏡確認をしながら注入し、真顔・笑顔両方で調整を重ねてくれるため多くの場合不自然な変化は起こりません。左右差や表情の歪みが気になる方には、ヒアルロン酸で唇や人中のバランスを補正しながら、口角を自然に整えるという組み合わせ施術が最適です。

他人にバレない?ナチュラルさは?

口角ボトックスは「変化」が極めてナチュラルなので、他人から見て整形したと気づかれることはほとんどありません。口角挙上やたるみの軽減は微妙な変化ながらも印象が若々しく見える効果があります。ヒアルロン酸注入やリフト施術と併用しても、全体のバランスを考えれば周囲にバレずにナチュラルな変化を得ることができます。施術後の経過中に段階的な変化を確認しながら進めることで、「不自然さ」や「歪み」「左右差」「笑えない」などの症状を最小化できます。

まとめ

口角ボトックスは、口角下制筋に注射することで口角挙上を促し、口元のたるみに自然にアプローチする治療です。施術効果は注入後3〜7日で現れ、3〜6ヶ月持続します。軽度の内出血や腫れ、左右差、不自然な表情のリスクがあるものの、麻酔や注入調整により軽減が可能です。ヒアルロン酸やリフト施術と併用することで、もっと総合的なたるみケアが叶い、整形的な変化を求めずに自然な笑顔と若々しさを維持したい方に適しています。事前にカウンセリングで口元・唇・人中の状態を評価し、経過を丁寧に見ながら進めることで、より安心できる施術になります。

関連ページ

この記事の監修

小西 恒 医師
小西 恒

2008年に自治医科大学医学部を卒業。2010年に大阪府立急性期総合医療センター産婦人科に勤務後、2014年に大阪府障害者福祉事業団すくよかで医療部長を務めました。2015年から大阪府健康医療部で地域保健課主査を歴任し、2017年から愛賛会浜田病院産婦人科に勤務。2020年より某大手美容外科で働き、2021年には小倉院と心斎橋御堂筋院の院長を務めました。2023年からはルヴィクリニック院長に就任しています。
【資格・所属学会】
ボトックスビスタ® 認定医、 ジュビダームビスタ® 認定医、 ジュビダームビスタ® バイクロス 認定医、 日本美容外科学会(JSAS) 正会員、 日本産科婦人科学会 会員、 日本産科婦人科学会 専門医、 日本医師会認定産業医、 母体保護法指定医

YouTubeリンク

お問い合わせ

050-1724-3463

電話受付時間/10:00~19:00
(休診日:不定休)