首ボトックスで後悔しないために|失敗例とデメリットから学ぶ施術前の注意点

2025.11.9
美容コラム

首ボトックスとは?基本情報と施術の目的

首周りのしわ・たるみが気になってきたら、「首ボトックスとは」どのような施術なのかを理解しておくことが重要です。ここでは、治療法の概要と目的をわかりやすく見ていきましょう。

首のシワ・たるみに注目される理由

首の肌は顔に比べて薄く、重力や表情の動き、肩から鎖骨にかけての筋肉の張りによって縦ジワ・横ジワが目立ちやすくなっています。特に肩のラインや鎖骨近くから上がる筋膜や筋肉が強く働いていると、首の前方に線が入ったり、皮膚が「盛り上がる」ような印象になったりすることがあります。加えて、美容の先進国である韓国では、首専用の注射メニューが人気となっており、首元の老け感を改善したい方にとって首ボトックスが注目されています。表情筋や肩の張りが強い場合、首のしわやたるみが進行しやすくなるため、首回りの筋肉を適切にコントロールすることが施術目的となります。

広頚筋とは?施術が行われる部位の解説

首の前面にある広頚筋は、声を出す時・笑った時・肩をすくめるときに働く筋肉です。首ボトックスでは、この筋肉の動きを緩和させることにより、首の縦ジワ・横ジワや肌表面の凹凸が目立ちにくくなることが期待されます。ただし、効果には個人差があります。この筋肉を過度に抑えてしまうと、首の動きが制限されたり、首が突っ張るような感覚を招いたりするため、注入量と部位を慎重に見極める必要があります。解剖学的知識が十分でないまま施術を受けると、満足のいく結果が得られにくくなる場合があります。

肩や顔とのバランスにも影響する施術の特徴

首ボトックスは首だけに限定されるわけではなく、肩の筋肉(肩ボトックス)や顔周辺の筋肉、さらに鎖骨あたりのラインとのバランスも考慮されます。首が短く見える、肩が盛り上がって見える、顔と首の境界線が曖昧という悩みがある場合には、首・肩・顔それぞれの施術を組み合わせることで、より自然で若々しい印象に近づけることを目的とした施術です。長期的に見れば、首だけを触っても肩の張りが残ると首のしわが再び目立ってしまう可能性があるため、全体のバランスを整えることが施術前の重要なポイントです。

首ボトックスの効果とメリット

首ボトックスを検討するなら、「どのような効果が期待できるのか」「どんなメリットがあるのか」を知ることが大切です。次に、その具体的な内容を確認していきましょう。

首の縦ジワ・横ジワの改善に期待できること

首の前面に入る縦ジワや横方向に広がる線は、首を動かしたり表情を作ったりしたときに強調されがちです。首ボトックスでは表情筋の過剰な動きを抑えることで、しわが目立ちにくくなる場合があります。肌質の変化には個人差があり、すべての方に同様の結果が出るわけではありません。一般的に、施術から1週間後あたりに効果が実感され始め、4ヶ月程度は持続するとされています(平均的には約3〜4ヶ月)。また、首だけでなく「肩とのつながり」「鎖骨上の筋肉の影響」が軽減されることで、首全体が細く、長く見えるようになるメリットもあります。効果がないと感じるケースの多くは、注入単位や筋肉の選定が最適でないことが原因です。継続的な通院を前提とするなら、初回から施術計画を立てておくのがおすすめです。

肩ボトックスとの併用で得られる見た目の変化

首のしわやたるみの原因が肩の筋肉の過緊張である場合、肩ボトックスを同時に行うことでより効果的な改善が期待できます。肩から首にかけての筋肉が調整されると、首の前面・横のラインがシャープな印象を与えることを目的とした施術ですが、効果の現れ方には個人差があります。美容大国である韓国では「小顔」施術の一環として肩・首・顔をセットで施術することも一般的で、全体の調和を意識した若返りプランとして人気があります。こうした点から、首ボトックス単独ではなく、肩へのアプローチも視野に入れることで、より満足のいく見た目の変化を実感しやすいとされています。

表情の印象を若返らせる効果とは?

首は動きやすい部位であり、表情や姿勢の影響を受けやすいため、首の状態が改善されることで、全体の印象に変化を感じる方もいます。首元がすっきりすることで「年齢より若く見える」「首の線が目立たず、肌が引き締まった印象になる」といったメリットがあります。また、首のしわ・たるみが気になることで化粧では隠しづらい悩みとなっていた場合、一時的な対応ではなく、中長期的な変化を目指した治療の一つとして検討されることもあります。ただし、効果が永久というわけではなく、持続期間は限られているため、定期的な治療を考える必要があります。

後悔・失敗とされるケースの具体例

せっかく施術を受けるのですから、後悔しないためにも「失敗例」がどのようなものかを理解しておくことが重要です。施術前にリスクを把握しましょう。

効果が実感できなかった例

設計が十分でなかったケースとして、施術後「1〜2週間経っても変化がない」「4ヶ月後にほとんど効果が薄れていた」「首のしわは減ったが肩の影響で新たな横ジワが出た」といったものがあります。特に、筋肉量が多い方や肩の筋肉が張っている方、首の皮膚がたるんでいる方では、注入量が少なめだったり適応範囲を外れていたりする場合があります。こうした「失敗」感を減らすためには、施術前のカウンセリングで肩・鎖骨・首の筋肉の状態を医師と確認し、「どれくらいの料金で何単位使うのか」「どの部位に注入するのか」を明確にすることが大切です。

表情が不自然になった・首が突っ張る感覚

注入量が過剰だったり、筋肉の使われ方・表情のパターンを考慮しなかったりすると、首が突っ張ったような感覚、笑顔を作ったときに肩や鎖骨部の動きが目立ってしまうというケースがあります。また、首の自然なしわの上・下・側面にボトックスが入ることで、表情が硬くなったり、呼吸や首の動きが制限されたりする可能性があります。こうしたリスクを未確認のまま施術を受けると「後悔」につながりやすいため、治療前に医師から「表情がどう変わるか」施術後の経過について、医師から説明を受け、予測される変化の目安を理解しておくことが重要です。

左右差やシワの悪化につながった例

注入が左右均等でない、または片側だけ筋肉量が違ったまま施術が進められた場合、左右差が出てしまったことによる後悔もあります。さらに「しわが十分に目立たなくならなかった」「施術部位以外にしわが目立つようになったと感じる場合もあります。特に首の後ろ・背中・肩の筋肉とのバランスを無視して施術されたとき、首だけでは改善しきれずに新たなラインが出てくることがあります。実例として、「ほうれい線」のように首から顔への移行部にあったしわが強調されたという報告もあり、施術前に全体像の診断を受けることが重要です。

副作用・デメリットについて理解しておくべきこと

首ボトックスにはメリットだけではなく、デメリットや副作用というリスクも存在します。リスクを知ることで後悔せずに治療を進められますので、ここで解説します。

一時的な腫れ・内出血・違和感

注射後、1週間ほどは注入部位に赤みや腫れ、内出血が出る可能性があります。この違和感は数日で収まることが多いですが、首という露出しやすい部位だけに化粧ができない・メイクが難しいと感じる方もいます。また、施術直後に肩や首の動きが多少制限されることもあります。こうした副作用は通常軽度ですが、麻酔や注射時の痛み、費用(料金)といった点を考慮すると、メリットばかりではないことを理解しておきましょう。

筋肉の使い方が変わることによる影響

ボトックスによって首回りの筋肉が抑制されると、別の部位に負担がかかるようになることがあります。結果として首から肩にかけてのラインがむしろ強調されたり、表情が硬くなったりすることがあり、これが「失敗した」「効果がない」と感じる原因となることがあります。継続的な治療を望む場合は、「まれに筋肉が慣れてしまって効果の持ちが短くなる」といったデメリットもあるため、施術設計を慎重に行うべきです。

継続注射による抗体リスクと効果減弱の可能性

ボトックスを長期にわたって継続使用した場合、一部の方で抗ボツリヌストキシン抗体が産生され、効果が出にくくなるという報告があります。このため、4ヶ月~6ヶ月ごとに同じ部位に注射を繰り返す際には、注入量・頻度・部位を見直すことが望まれます。また、筋肉を動かさない時間が長すぎると元の筋力が落ち、しわが再び目立つようになったり、首のたるみが進行する可能性があります。

首ボトックスの料金相場と通院頻度

治療を検討する際に「料金はいくらか」「通院はどれくらい必要か」という点は大きな要素です。正しい目安を知って準備しましょう。

部位別の料金比較(首/肩/顔)

首ボトックスの料金はクリニックによって差がありますが、首単独の場合、数万円台からスタートするケースが一般的です。肩ボトックスと併用する場合は料金が高くなる傾向です。例えば、首と肩のセットで10万円前後という見積もりが出ることもあります。韓国の施術では顔・首・肩をまとめてトライするプランもあり、料金が「施術1回あたり」だと「いくら」という表示が明確にされています。施術単位(注入量)によっても料金が変わるため、カウンセリング時に「何単位使うか」「再注射時の料金はどうか」などを確認しておくことが賢明です。

効果の持続期間と再注射の目安

効果の持続期間は一般的に3〜4ヶ月程度言われており、4ヶ月を過ぎると徐々に筋肉の働きが戻ってきてしわ・たるみが再び目立つ可能性があります。そのため、再注射の目安としては「4ヶ月後」「半年以内」というスパンが多く設定され、通院予定を立てやすくなっています。施術後1〜2週間で変化が出始め、その後4ヶ月ほど維持されるケースが多いため、初回施術時には今後の通院計画も共有しておくことが後悔しないために重要です。

年間でどれくらいのコストがかかるのか?

たとえば1回あたり5万円の治療を年3回受けると、年間で15万円というコストがかかります。長期的に継続するにはそれなりの費用が必要となるため、「効果が永久に持つ」と誤解して始めると後悔につながることがあります。施術料金だけでなく、「通院回数」「持ち」や「料金改定」の可能性も考慮に入れておきましょう。将来的には施術の「持ち」が改善されて通院頻度が減るケースも一部では報告されています。

後悔しないためのクリニック選びとカウンセリングのポイント

治療がうまくいくかどうかは、クリニック選びとカウンセリングにかかっています。施術前に確認すべき点を整理しておきましょう。

経験豊富な医師の見極め方

首ボトックスは首・肩・鎖骨・背中まで関連筋肉があるため、経験が浅い医師や安価な価格だけを売りにするクリニックでは適切な設計がされない可能性があります。特に施術後「表情が不自然」「首が突っ張った」「効果がない」と感じるケースは、筋肉構造の理解や適切な単位設定が不足していた例が多いです。カウンセリング時には「このドクターは何回この部位を施術してきたか」「失敗例も見せてもらえるか」「料金と注入量の根拠が明確か」を確認しましょう。

症状と適応を正確に確認することの重要性

首回りのしわ・たるみの原因は、表情筋・肩筋・姿勢・背中からの影響など多岐にわたります。自分の首に「盛り上がり」「横ジワ」「縦ジワ」「肩の張り」などどれが主な原因かを医師と共に把握しないと、施術後に「失敗した」と感じる可能性が高まります。施術を受ける前に、鏡で首を動かしてみて「1週間後」「2週間後」でも変化を感じられるかどうかをイメージしておくと安心です。また、首ボトックス単独では改善しきれず肩ボトックスや背中の筋肉調整を別途検討するケースもありますので、総合的な設計が不可欠です。

無理に施術を勧められない環境を選ぶ

料金が極端に安かったり、「永久に効果が持つ」「しわが完全に消える」といった過大な宣伝をするクリニックには注意が必要です。施術を受ける前に、「施術後に化粧がいつから可能か」「施術の痛み・ダウンタイムはどれくらいか」「副作用・リスクをきちんと説明してくれるか」などを確認し、医師と十分に相談し、自身に適したクリニックを選択することが重要です。

まとめ

首ボトックスは首のしわ・たるみ・肩の張りなど様々な悩みにアプローチできる有効な治療法ですが、料金・副作用・持ち・継続という観点から十分に検討することが必要です。施術前に「効果が失敗に終わらないように」「後悔しないように」しっかりと医師と相談し、自分の適応や注入量・治療回数・通院計画を立てた上で施術を受けましょう。施術後1週間、2週間、そして4ヶ月と経過を見ることで、単なる短期的な変化ではなく長期的な美しさを目指すことが大切です。

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この記事の監修

小西 恒 医師
小西 恒

2008年に自治医科大学医学部を卒業。2010年に大阪府立急性期総合医療センター産婦人科に勤務後、2014年に大阪府障害者福祉事業団すくよかで医療部長を務めました。2015年から大阪府健康医療部で地域保健課主査を歴任し、2017年から愛賛会浜田病院産婦人科に勤務。2020年より某大手美容外科で働き、2021年には小倉院と心斎橋御堂筋院の院長を務めました。2023年からはルヴィクリニック院長に就任しています。
【資格・所属学会】
ボトックスビスタ® 認定医、 ジュビダームビスタ® 認定医、 ジュビダームビスタ® バイクロス 認定医、 日本美容外科学会(JSAS) 正会員、 日本産科婦人科学会 会員、 日本産科婦人科学会 専門医、 日本医師会認定産業医、 母体保護法指定医

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