Qスイッチルビーレーザーとは、アザやシミ、刺青やアートメイクなどの色素沈着を治療するための医療用機材です。
レーザー治療と聞くと痛いのではと思われますが、Qスイッチルビーレーザー治療は痛みが少なく金額も従来の治療より安く抑えられます。
この記事ではQスイッチルビーレーザーによるシミ取り治療について施術方法や治療後のダウンタイムなどを詳しく解説します。
Qスイッチルビーレーザーとはどんな医療用機材なのでしょうか?
レーザーにはQスイッチルビーレーザー以外にもいくつかのタイプがあります。
他のレーザー治療との違いやシミへの効果についてそれぞれ詳しく解説します。
Qスイッチルビーレーザーは、1960年に誕生したレーザー機器で、現在のレーザー機器の発祥とも言われています。
黒いメラニン色素に最も吸収の良い694nmという波長を持ったルビーレーザーを、Qスイッチという超短時間に高いパワーで照射する医療機器のことです。
Qスイッチルビーレーザーの波長は、黒色への反応が高い一方で、赤色への吸収率が低いという特徴があります。
赤色への吸収率が低いということは、血管内のヘモグロビンに反応しません。
そのため血管のダメージを抑えながら目的となる黒色メラニンに照射できます。
また、高いパワーによってシミの元になるメラニン色素を確実に破壊しますが、レーザー照射時間が超短時間のため、周囲への熱の拡がりが非常に少ないです。
また、周囲への正常組織へのダメージを最小限に抑えることができます。
高いパワーが照射できるので表皮病変だけでなく、真皮病変の治療にも効果があります。
シミ、色素沈着、アザ、刺青などの深くて濃い黒色の色素や、紫外線が原因の老化性色素斑(シミ)の治療に高い効果があります。
また濃いシミだけでなく、薄い茶色っぽいシミの治療にも効果が期待できます。
照射時間が短いため、施術にかかる時間は数十分程度です。
Qスイッチルビーレーザーには2種類のモードが選択できる機能があります。
1つは「Qスイッチモード」といい、照射時間を短くする設定ができます。。
そのためエネルギーを集中させながら、周囲の皮膚へのダメージを与えにくくすることができます。
もう1つは「短パルスモード」といい、皮膚の表面に近い表皮部分に効果的なモードです。皮膚の深部にダメージを与えずに照射できます。
この2種類のモードを症状に応じた出力で施術できるため、シミの治療だけでなくアザや色素沈着、そばかすなど様々な症状の治療に効果を発揮します。
QスイッチYAGレーザーは基本波の1064nmと、その半分の532nmの2つの波長を皮膚の深層度によって使い分けることのできるレーザーです。
深部に届きやすい1064nmの波長ではメラニン色素の黒色やヘモグロビンの赤色に対する吸収率は低いのですが、532nmの波長は黒色に反応が高いため、シミの治療が可能です。
波長を切り替えることで幅広い色素病変の治療ができます。
QスイッチYAGレーザーはQスイッチルビーレーザーに比べて高出力を出すことが可能です。
またQスイッチルビーレーザーは速く打てる機種でも1秒間に2発しか出ませんが、QスイッチYAGレーザーは1秒間に10発も照射することができます。
これだけ聞くとQスイッチYAGレーザーの方が性能が高いため、シミの治療に効果が高いと思われるかもしれませんが。
しかし、シミの治療にはQスイッチレーザーの方が効果が高くなります。
なぜならシミの治療で重要になるのはメラニンへの反応の高さと酸化ヘモグロビンへの反応の低さだからです。
シミの原因であるメラニンへの吸収度はQスイッチルビーレーザーの方が高く、酸化ヘモグロビンへの反応は非常に低くなっています。
そのため、Qスイッチルビーレーザーの方がシミへの反応がよく、出血や色素沈着のリスクが低い治療法だと言えます。
Qスイッチレーザーのパルス幅が5〜20ナノ秒であるのに対して、ピコレーザーはパルス幅が300〜750ピコ秒まで短縮されています。
現在、美容医療用ピコレーザーには、アレキサンドライトとNd:YAGレーザーが存在します。
ピコレーザーに進化したことで、治療後のダウンタイムの軽減、色素沈着のリスク軽減や薄いシミへの反応が向上しました。
レーザーそのものの特性で厚めのシミ、深いシミに対する治療の効果は、深達度の問題で従来のルビーレーザーの方が効果があります。
また、アレキサンドライトやNd:YAGは、治療の際の血管に対する影響や色素沈着のリスクは依然として残っています。
Qスイッチルビーレーザーよりピコレーザーの方が少し高く料金設定がされているクリニックが多いようです。
Qスイッチルビーレーザー治療が他のレーザー治療よりシミに効果的な治療であることをお伝えしてきました。
ここからはQスイッチレーザー治療がシミへ働くポイント3つについて解説します。
先にも述べましたが、ルビーレーザーは他のどのレーザーよりメラニン色素に対して反応が高く、血液のヘモグロビンへの反応がほとんどありません。
そのためシミの原因であるメラニン色素への選択性が高く、他のレーザーよりシミ治療の効率が良いと言えます。
シミにQスイッチルビーレーザーを照射するとすぐに照射した部分の肌が白くなるIWP(immediate white phenomenon)という反応が出ます。
この反応を見ることでシミのメラニン色素の破壊具合や皮膚へのダメージを判断することができます。
IWPは10分ほど経つと落ち着き、白くなった部分は灰色になり徐々にかさぶたを形成していきます。
シミをきれいに取るには、適切な出力で治療を行う必要があります。
シミを除去することだけを考え、必要以上に強い出力で治療すれば、肌へのダメージが強くなりすぎてしまい治療後に傷ができたり、色素沈着したりする可能性があります。
逆に出力が弱すぎれば治療による肌へのダメージは少ないですが、シミが残ってしまいます。一番良いのは、肌へのダメージは最小限でシミを完全に除去することです。シミの色が薄い場合は、レーザーに対する反応が弱いため、出力を強くしなければ完全除去に必要な反応が得られません。
シミの色が濃い場合は、レーザーに対する反応が強いため、出力は弱くても十分完全除去できます。しかし、このとき出力を十分に下げられなければ、肌へのダメージが大きくなってしまいます。Qスイッチルビーレーザーは照射の出力が調整できるため、症状に合わせて照射が可能です。
Qスイッチルビーレーザー治療はどんな症状に適応しているのでしょうか?シミには一般的なシミ以外にも種類があります。
種類によって表在性のシミと深在性のシミがあります。ここからはシミの種類とその適応について詳しく解説します。
シミには7つの種類がありり、それぞれのシミの症状や特徴について詳しく解説します。
1.老人性色素斑(日光黒子)
最も一般的なシミで、形は円形で大きさは個人差があります。色は茶褐色で、顔だけでなく、手の甲や腕など、どこにでもできます。20代でもできる可能性はありますが、30代以降で多く発生します。
放置しておくと、数や色が濃くなってしまう可能性があり、紫外線や摩擦が原因で発生します。
2.そばかす
思春期あたりの若いうちから発生するシミです。
主な原因は紫外線ですが、遺伝する可能性もあります。
そばかすもどこにでもできる可能性がありますが、多くは頬骨の上から鼻にかけて左右対称に横一直線に発生します。
5mm以下の小さい粒状で薄茶色をしています。
季節によって色が変化し、紫外線の強い春から夏は色が濃くなります。
3.肝斑(かんぱん)
左右対称にもやもやと目の周りを避けるような形で発生する薄い褐色のシミです。
主に頬骨のあたりに発生しますが、額や口回りに発生することもあり、左右対称に発生します。
発症年齢は30代〜40代が多く、症状が見られるのは主に50代後半までで、60代以降で発生する人はほとんどいません。
女性ホルモンのバランスの乱れが主な原因と言われています。
妊娠や病気、経口避妊薬が原因で女性ホルモンのバランスが乱れるときに症状が出たり悪化したりして閉経後には薄くなります。
いずれは薄くなるシミですが、目立つ場所にできるため、気になる方は治療で取ることをおすすめします。
4.ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
「遅発性両側性太田母斑」ともいい、後天性のあざになります。
通常のシミは表皮の部分にできますが、ADMは真皮層にできます。
発生する場所は額や頬骨あたりが多く、複数のくすんだシミがまとまる形でできることが多いです。10代後半から30代後半にかけて多く発生します。
5.炎症性後色素沈着
いわゆる「くすみ」といわれるものです。
やけど、ニキビ、虫刺され、かぶれ、アトピー性皮膚炎などの皮膚炎、切り傷などの皮膚の炎症が起きた後に、炎症の跡として皮膚の色素が沈着してしまうことによるシミです。
発生しやすい年齢はなく、誰にでも発生する可能性があります。
自然消失することもありますが、可能性としては低いため、気になる方はシミ取り治療が必要です。
6.脂漏性角化症
30代以降の男女に性別関係なくあらわれるシミです。
色は茶色や黒色で形はイボのようなものもあれば、平らなものもありますが、触ると表面がザラザラしており、手の甲や足の裏以外、どこにでも発生します。
老人性イボとも言われていて、年齢を重ねるにつれてできやすいシミです。
7.太田母斑
生後すぐにあらわれるアザのことで、額や目の周り、頬や上唇といった場所に発生します。
点状で青色をしており、一度発生すると自然消滅することはないため治療が必要になります。
Qスイッチルビーレーザーは照射するパワーが高いため、表在性のシミだけでなく、深在性のシミにも適応します。
表在性のシミとは、いわゆるシミとそばかすのことで、深在性のシミとは太田母斑、異所性蒙古斑、外傷性色素沈着、扁平母斑、真皮メラノサイトーシスなどを指します。
ピーリングや光治療などでは治療できないADMや太田母斑などの真皮の深いところにあるシミの治療に対しても非常に有効です。
Qスイッチルビーレーザー治療はシミへの効果が高く、肌への影響が少ないとお伝えしました。しかし治療した後に副作用が出たり、トラブルは起こらないのでしょうか?
治療後に起こりうるトラブルについて詳しく解説します。
治療を行ったのにシミが残存することがあります。
シミが残存する原因はレーザーの照射不足、元々の症状がシミではなかった、治療後のアフターケアの不足の3つが考えられます。
それぞれ詳しく解説します。
レーザーの照射不足だった場合、シミの異常な角層細胞やそばかすの色素を残存させてしまい、かさぶたが剥がれた後にもシミが残っていたり、一度はシミが取れたように見えたりしたのに早期に再発するなどの状況が予想されます。
レーザーは適切な出力で照射されなければ十分な治療効果は発揮されません。
レーザー治療によって肌にはある程度の熱ダメージが与えられます。
この熱ダメージにより、患部の色素細胞は一時的に活性化し、炎症後色素沈着(戻りシミ)ができることがあります。
炎症後色素沈着は約6ヶ月程度で自然と消失することが多いですが、自然の経過では消失しにくいことがあります。
炎症後色素沈着の予防と、もし治療後に炎症後色素沈着が出ても定着させないために、紫外線対策などの日常の生活指導や、外用薬や内服薬によるアフターケアが重要です。
ホクロ、ADM、扁平母斑、炎症後色素沈着などの場合、1回の治療では取り切れないことや、レーザーでの治療自体が効かないことがあります。
シミの治療には正確な診断が不可欠です。
Qスイッチルビーレーザーを照射するとIWPが起こり、それがかさぶたになります。
治療後にかさぶたにならない場合、照射出力が低すぎた可能性があります。
出力が低いと、シミの組織を十分に破壊できていないため、かさぶたにならないことがあります。
この場合、シミも残存します。その時は、十分な期間を空けて適正な出力で再照射が必要になることが多いです。
またADMや太田母斑などのように色素が真皮層にだけある場合も、かさぶたにはなりません。
Qスイッチルビーレーザーは高出力照射が可能ですが、深部への熱の拡がりは少ないため、通常の治療経過では、傷痕が残ることはほぼありません。
しかし、シミの残存で再照射をしたり、ホクロ治療や、刺青の治療のように何度も繰り返し治療する場合や、治療後の患部の管理が悪い場合に傷痕が残ってしまう可能性があります。
シミ治療の後に二次性色素沈着という茶色みが出ることがあります。
かさぶたが剥がれてピンク色や赤色の皮膚が出た後に、少しずつ患部が茶色くなります。
治療後約1ヶ月後に最も色が濃くなります。
肌質によっては、元のシミよりも二次性色素沈着が濃くなる場合もあります。
肌質や年齢によりますが、通常は3〜6ヶ月かけて少しづつ薄くなり消えていきます。
二次性色素沈着が治療後に出る確率は50%ぐらいです。
虫刺されの跡やニキビ跡が茶色く残りやすい人や、日焼けしやすい人は特に出やすくなります。
二次性色素沈着はハイドロキノンなどの美白剤でしっかりアフターケアすることで消えやすくなります。
治療後のアフターケアが不十分だったり、日焼けをするとそのままシミとして定着してしまうことがあるので、注意が必要です。
治療した患部は、肌が生まれ変わるため、周りの肌に比べて白く見えることがあります。
これは時間が経つと周りの肌の色調となじんで目立たなくなるため特に問題はありません。
しかし、治療後に患部が真っ白になり色素脱失が起こることがあります。
これはレーザー照射により色素細胞がダメージを受けてしまったことが原因と考えられます。
1回の照射でも起きることがありますが、通常は一時的なもので時間が経つと改善します。
長く残ってしまう場合は照射出力が必要以上に強すぎたことや、治療間隔を十分に空けずに再治療したこと、炎症性色素沈着(戻りシミ)に対して照射したことなどの理由が考えられます。
色素脱失に対しての治療は難しいため、予防が大切になります。
一般的なQスイッチルビーレーザーの施術の流れは以下の通りです。
まずはカウンセリングを行います。肌の状態を診て、アザやシミなどの位置や数を確認します。
悩んでいる点や質問などあればこの段階で相談します。
その後、医師が最適な治療法を選び、施術についてと施術後についての見解を説明します。
治療に入る前にクレンジングと洗顔料で化粧や皮脂の汚れを落とし、眼を保護するためのゴーグル等を装着してからレーザーを照射します。
施術の時、輪ゴムではじかれたようなパチンとした痛みが生じることがあります
。麻酔は基本的には行われませんが、痛みが不安な方には麻酔クリームを使用するクリニックも多いです。痛みが苦手な方はカウンセリングの段階で確認しておきましょう。
施術後は皮膚表面をふき取り、皮膚の状態を確認します。状態によって塗り薬などを塗り、ガーゼやテープ、シールなどで保護します。
治療後数日間はテープなどをつけたままにする必要があります。
治療後のダウンタイムは1週間〜2週間程度です。詳しい経過は後ほど解説しますが、だいたい治療後3〜5日でかさぶたになり、1〜2週間でかさぶたが剥がれ落ちます。
ダウンタイム中は治療部位に刺激や摩擦を加えると、症状が悪化する可能性があります。
洗顔やメイクをする時は治療部位を必要以上に強くこすらないようにしましょう。
かさぶたは無理に剥がしたりせず、自然に剥がれるまで待ちましょう。長くても2週間以内で自然に剥がれ落ちます。
本来は、かさぶたが取れるまでの1週間ほどはメイクはせずに、洗顔は洗顔料を使わずにぬるま湯で流すのみが良いのですが、日常生活の便宜があるため洗顔やメイクをしてよいかはクリニックに相談しましょう。
治療部位の上に保護シールを貼られている場合はメイクも洗顔も可能ですが、シールが剥がれないように気を付けましょう。
保護シールなどが貼られてない場合、治療後数日は治療部位が完全なかさぶたになっていない可能性があるため、洗顔やメイクはできれば避けましょう。
治療後3〜4日以降はかさぶたが完成した状態になります。
この状態になれば、軽いメイクや洗顔をしても大丈夫です。
ただし、かさぶたを剥がしてしまわないように化粧下地などに適宜ワセリンを使用し、強く擦らず優しく扱いましょう。
クレンジングの際は、メイクを完全に落とすことよりも、かさぶたを剥がさないことを優先しましょう。
かさぶたの下の新しい皮膚が完全に上皮化する前にかさぶたを剥がしてしまうと、ダメージが強くなり、傷痕が残ってしまう可能性があります。かさぶたは、なるべく長く付着させている方が、治療後の経過が良いことが多いです。
マスクをする場合は、マスクで擦れてかさぶたが剥がれないように注意しましょう。
治療後は日常生活でなるべく肌に触れないことを意識しましょう。
特に擦る刺激(摩擦)にはくれぐれも注意しましょう。摩擦は、微小な炎症を起こし、色素沈着を悪化させます。
洗顔やスキンケアで顔に触れるときは優しく丁寧に肌に触れましょう。
洗顔は手で擦って洗わずに、洗顔料をよく泡立て、手で転がすようにして洗いましょう。
化粧水をつけるときは、肌に塗るのではなく、化粧水をつけた手を肌にかぶせるようにしましょう。
治療部位に外用薬を塗布するときも、強く擦り込むと刺激になりますので、優しく塗ってください。
治療をした後は、肌が生まれ変わったばかりでとても敏感な状態です。
紫外線を浴びると、シミが再発しやすくなってしまいます。
外出するときはもちろん、室内でも日焼け止めを塗りましょう。
また外出する時は日傘を差したり帽子をかぶり、極力紫外線を浴びないようにしましょう。
紫外線を完全に避けることはできないため、日焼け防止と平行して美白効果のある化粧水や美容液を使用して、紫外線を浴びて増えたメラニン色素を排出するようにしましょう。
Qスイッチルビーレーザーの治療後は肌はどんな状態になるのでしょうか?
痛みの程度や、いつからメイクをして良いかなど気になりますよね。治療後の時間の経過ごとに解説します。
照射直後はIWPが起こり白くなります。
その後10分程度で白さが消え、徐々にかさぶたを形成していきます。
シミのタイプによっては、照射後に内出血を起こすものなどもあります。
やけどのようにヒリヒリとした痛みを感じる場合がありますが、数時間で消失します。
治療後1〜2日は赤みもあり、若干腫れることもあります。
治療後1週間以内の患部には、薄いかさぶたができていることが多いです。
以前はこのようなかさぶたは乾燥させて治すのが一般的でしたが、現在ではなるべく乾燥させず潤わせて治す方法が主流です。
そのため治療患部に軟膏を塗布し、できる限り刺激を加えないようにします。
個人差がありますが、平均して治療した日から1週間程度でかさぶたが自然と剥がれ落ちます。
かさぶたの下には新しい皮膚が完成し、若干赤みがかったきれいなピンク色をしていることが多いです。
元々存在していたシミは完全に除去されていて、新しいお肌が出来上がっていますので、治療部位に直接メイクなどをしてもよい状態です。
この後、治療部位に炎症後色素沈着(戻りしみ)が起こることがあります。
これはシミの再発ではなく、レーザー治療による皮膚のダメージによって生じる二次性色素沈着です。
自然に治ることもありますが、自然の経過では残存することがあるため、外用薬でアフターケアする場合が多いです。
治療後に適切なアフターケアを実施することで、炎症後色素沈着は平均3〜4ヶ月で治ります。
レーザー治療のダメージによる色素沈着や赤みが消失し、老人性色素斑のない通常の肌の状態に戻ります。
ただし、治療後6ヶ月ほどは、まだお肌が完全な状態ではありませんので、強く日焼けをしたり、強く擦ることは避けましょう。
Qスイッチルビーレーザー治療はどこでしてもらうと良いのでしょうか?
せっかく高い治療費を払うのですから、クリニック選びは重要です。
また、安さだけで選んで治療後にトラブルが起こっては意味がありません。
より効果的な治療を受けられるよう、クリニック選びに失敗しないためのポイントをお伝えします。
シミ取り治療は医療分野であるため、資格や治療実績のある医師を選ぶ方が安心です。
クリニックの公式サイトには医師の経歴や治療実績が記載されていることが多いです。
自分の望む施術の経験が豊富な医師かどうか、公式サイトや口コミを調べるようにしましょう。
逆にいえば、治療実績や医師の紹介がなされていないクリニックは、実績や技術力が十分でない可能性があります。
治療後に後悔することのないよう、不安の残るクリニックは避けた方がよいでしょう。
決して安さや広告だけにとらわれないようにして、慎重に選びましょう。
施術前に丁寧にカウンセリングを行うクリニックを選ぶようにしましょう。
施術を成功させるには、施術に関する希望を伝え、納得した上で施術を受けることが大切です。
また、不安に思っていることや相談したいことなどを医師やスタッフに気軽に伝えられる方が、施術後のトラブルを防ぐことができます。
美容皮膚科クリニックはカウンセリングが無料の病院が多いです。
まずは無料カウンセリングを受けてみて信頼できるかどうか、質問や相談がしやすいかを実際に確かめてみましょう。
施術後のアフターフォローや保証が充実しているかも重要です。
シミ取り治療は施術が終わっても、その後のダウンタイム期間に肌トラブル等が起きてしまうことがあります。
アフターフォローサービスの制度があるかどうかや、保証の利用条件について施術を受ける前にしっかり確認しておきましょう。
Qスイッチルビーレーザー治療の料金は照射の範囲や回数で変動することが多いです。
相場はいくらぐらいなのか解説します。
照射の範囲が直径5㎜以下の場合、1照射で収まるサイズのためシミ1つで5,000円程度が相場です。
5㎜を超えると1照射で収まらないため、大きさによって料金が異なってきますが、1㎜あたり2,000円程度が相場です。
例えば7㎜のシミであれば14,000円程度、30㎜の大きなシミであれば60,000円程度が相場になります。
レーザー治療の回数は、消したいシミの濃さで異なります。
紫外線が原因の一般的なシミであれば1回や2回できれいに取れるケースが多いですが、太田母斑やしつこいシミの場合は5回から10回程度の治療が必要なこともあります。
クリニックによっては範囲ではなく、照射回数で値段設定をしているところもあります。
1~5回の照射で相場は11,000円程になります。
消したいシミの治療に何回くらいの照射が必要で、どのくらいの値段がかかるのか医師に確認しましょう。
Qスイッチルビーレーザーの治療は、シミの症状に応じて保険適応になる場合とならない場合があります。
また、治療が保険適応になっても限度額が決められているケースがあるので、それぞれ詳しく解説します。
太田母斑、扁平母斑、異所性蒙古斑、外傷性刺青の治療は保険の適応を受けることが可能です。
シミやその他の症状の治療は保険適応外になる場合があります。
自身の症状の治療が保険の適応になるかどうかは、一度クリニックに相談してみましょう。
Qスイッチルビーレーザー治療は単なる美容を目的とした場合は保険適応にはなりません。
また、太田母斑、異所性蒙古斑、外傷性色素沈着症に対して再度治療を行う場合には、同一部位に対して初回治療を含めて5回の治療が保険適応の限度となっています。
扁平母斑に対しては同一部位に対して初回治療を含め2回の治療を限度と決められています。
痛みは少ないです。
感じ方に個人差はありますが、痛みを感じにくい方も多いので過度な心配をする必要はありあません。
ただ、治療中に痛みが我慢できない場合は医師に相談しましょう。
基本的に治療後のメイクは推奨できません。
メイクの刺激でかさぶたが剥げてしまう可能性もあります。
そのためメイクはかさぶたが完成して乾いた状態で行うのがおすすめです。
患部の内出血は基本医的に問題ありません。
一般的には照射直後は白くなり、かさぶたになることが多いです。
しかし、まれに内出血を伴うことがあります。
内出血を起こしても時間の経過とともに改善しますが、長引く場合は病院で診てもらいましょう。
Qスイッチルビーレーザー治療について詳しく解説いたしました。
他のレーザー治療に比べてシミの原因となるメラニン色素に強く反応するのに、他のレーザー治療より肌を痛めにくいという特徴を持っています。
しかし治療後にダウンタイムが1〜2週間あり、治療後のアフターケアが足りないと戻りシミが発生することもあります。
また、照射の出力が弱かったり、強すぎるとトラブルが起こることもあるため、クリニックは治療実績のある医師が直接施術してくれるクリニックを選ぶようにしましょう。
2008年に自治医科大学医学部を卒業。2010年に大阪府立急性期総合医療センター産婦人科に勤務後、2014年に大阪府障害者福祉事業団すくよかで医療部長を務めました。2015年から大阪府健康医療部で地域保健課主査を歴任し、2017年から愛賛会浜田病院産婦人科に勤務。2020年より某大手美容外科で働き、2021年には小倉院と心斎橋御堂筋院の院長を務めました。2023年からはルヴィクリニック院長に就任しています。
【資格・所属学会】
ボトックスビスタ® 認定医、
ジュビダームビスタ® 認定医、
ジュビダームビスタ® バイクロス 認定医、
日本美容外科学会(JSAS) 正会員、
日本産科婦人科学会 会員、
日本産科婦人科学会 専門医、
日本医師会認定産業医、
母体保護法指定医