ワキの汗でシャツにシミができる、人前で腕を上げにくいといった悩みから、ワキボトックスを検討している方に向けた記事です。
多汗症の目安、ワキボトックスで汗が減る仕組みと持続期間、保険診療との違いと費用・副作用の3点を、心斎橋の美容クリニックの立場から整理します。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたものです。施術の効果や経過、副作用の出方には個人差があります。掲載の施術は自由診療(保険適用外)です。詳しくは医師の診察でご確認ください。
この記事の要点
この記事は、厚生労働省とPMDA(医薬品医療機器総合機構)の公開資料、日本皮膚科学会の診療ガイドラインをもとにまとめました。
ワキの多汗症とは、暑さや緊張と関係なくワキから大量の汗が出て、衣類や人づきあいなど日常生活に支障が出ている状態を指します。

医学的には「原発性腋窩多汗症(げんぱつせいえきかたかんしょう)」と呼ばれ、甲状腺の病気や薬の影響など、ほかの原因がない多汗をいいます。
汗の量そのものより、生活にどれだけ困っているかが判断の軸になります。
日本皮膚科学会の診療ガイドラインでは、原因の分からない多汗が6か月以上続くことを前提に、いくつかの項目で判断します。
上の6項目のうち2つ以上に当てはまる場合に、原発性の局所多汗症と考えるのが一般的な目安です。
重さを測る問診もあります。
「HDSS」と呼ばれる問診で、汗が生活にどの程度じゃまになるかを4段階で答えます。
HDSSで3(ほとんど我慢できず、たびたび支障がある)または4(我慢できず、いつも支障がある)なら、重症と判断されます。
片方のワキだけに汗が多い、急に寝汗が増えたといった場合は、ほかの病気が隠れていないかを先に確かめる必要があります。
ワキボトックスは、A型ボツリヌス毒素をワキの皮膚に少しずつ注射し、汗腺を動かす神経の信号を一時的に弱めて汗の量を減らす治療です。

「ボトックス」はもともと国内承認製剤の商品名ですが、美容医療ではボツリヌス毒素の注射全般を指す呼び名として広く使われています。
汗は、交感神経の末端から出るアセチルコリンという物質が汗腺に届くことで分泌されます。
ボツリヌス毒素は、アセチルコリンが神経の末端から出るのを妨げます。
ボツリヌス毒素を注射すると、汗腺に「汗を出す」という指令が届きにくくなります。
汗腺そのものを壊すわけではないため、神経の末端が新しく伸びて信号が戻ると、汗の量も少しずつ元に近づきます。
ワキには、体温調節のための汗を出すエクリン汗腺と、においのもとになる成分を含む汗を出すアポクリン汗腺があります。
ボツリヌス毒素の注射は主にエクリン汗腺からの汗を減らす治療で、においの原因そのものを取り除く治療ではありません。
においを減らすことは、ワキへのボツリヌス毒素注射の承認された効能に含まれていません。
ワキボトックスの汗を抑える働きは、注射から数日〜2週間ほどで感じ始めることが多く、承認製剤では4〜9か月ほど続くとされています。

この期間は、国内で承認されているボトックス注用のデータに基づく目安です。
国内で承認されていない製剤で同じ期間続くとは限りません。
承認製剤の添付文書では、効果を保つには4か月以上の間隔をあけて繰り返し注射する必要があるとされています。
汗の量がゼロになる治療ではありません。
汗じみが目立ちにくくなる程度まで減る、という受け止め方が実際の経過に近いといえます。
持続期間は、汗の量や体質、注射した量、季節によって変わります。
夏に向けて汗を減らしたい場合は、効果が出るまでの期間を見込み、汗が増える季節の少し前に相談すると予定を立てやすくなります。
効果が弱まってきたと感じた時点で、もう一度注射するかどうかを決めればよく、決まった回数を続ける必要はありません。
注射後の腫れや内出血が出た場合の過ごし方は、ボトックスのダウンタイムを部位ごとにまとめたボトックスのダウンタイムの解説ページで確かめられます。
ワキの多汗症へのボツリヌス毒素注射は、重度の原発性腋窩多汗症と診断されれば保険診療で受けられる場合があり、それ以外は自由診療です。
国内で承認されたA型ボツリヌス毒素製剤のボトックス注用は、2012年11月に「重度の原発性腋窩多汗症」の効能が追加されました。
保険診療では、ガイドラインの診断基準とHDSSで重症と判断されること、講習を受けた医師が承認製剤を使うことなどが条件になります。
診断基準に当てはまらない方は、自由診療での注射になります。
自由診療では医療機関ごとに製剤や料金が異なり、国内で未承認の製剤を使う場合もあります。
未承認の製剤で健康被害が起きても、公的な医薬品副作用被害救済制度の対象にはならない点を知っておく必要があります。
保険診療を希望する方は、多汗症を保険で診ている皮膚科で、まず診断を受けられるか相談するのが確実な進め方です。
ワキの汗の治療は、塗り薬・注射・手術と体への負担が軽い順に選ぶ考え方がとられており、ボツリヌス毒素の注射はその途中に位置します。
日本皮膚科学会の診療ガイドラインでも、費用や体への負担が少ない方法から段階的に選ぶことが勧められています。
次の表は、主な治療法を同じ項目で並べたものです。
| 治療法 | 向いている人 | 回数・期間の目安 | 保険の扱い | 主なリスク |
|---|---|---|---|---|
| 塩化アルミニウムの外用 | まず手軽な方法から試したい人 | 毎晩〜数日おきに塗り続ける | 処方の形により異なる | かゆみ・かぶれ |
| 抗コリン作用の外用薬 | 原発性腋窩多汗症と診断され、毎日塗る手間をいとわない人 | 1日1回塗り続ける | 保険診療で処方される | 皮膚炎・口の渇き・目のかすみ |
| ボツリヌス毒素の注射 | 塗り薬で足りない人、毎日のケアを減らしたい人 | 承認製剤では1回で4〜9か月が目安 | 重度なら保険診療、それ以外は自由診療 | 注射部位の痛み・内出血・ほかの部位の汗の増加 |
| 手術(汗腺を取り除く方法) | ほかの治療で十分でなく、傷あとやダウンタイムを受け入れられる人 | 原則1回、術後は数週間の安静 | 術式により異なる | 傷あと・血腫・皮膚の壊死 |
塩化アルミニウムの外用は、汗の出口をふさいで汗を減らす方法です。
市販品もあり、最初に試しやすい治療です。
抗コリン作用の外用薬は、2020年以降に国内で承認されたソフピロニウム臭化物のゲルや、グリコピロニウムトシル酸塩の拭き取り製剤です。
手術は効果が長く続きやすい一方で、傷あとが残ることがあり、体への負担もほかの方法より大きくなります。
どの方法が合うかは、汗の量や生活の仕方、通院できる間隔によって変わるため、診察で状況を伝えて決めるのが現実的です。
ワキボトックスの主な副作用は、注射した部位の痛み・赤み・内出血で、多くは数日〜2週間ほどのうちに自然に引いていくとされています。
ワキ以外の背中や胸などで汗が増える「代償性発汗」が、まれに報告されています。
過敏症や感染も起こりえます。
だるさや頭痛が出ることもあります。
妊娠中・授乳中の方、重症筋無力症など神経や筋肉の病気がある方は、注射を受けられないことがあります。
ほかのボツリヌス毒素製剤を短い間隔で重ねて使うことは、承認製剤の添付文書でも避けるよう注意されています。
施術当日は、飲酒・激しい運動・長い入浴を控え、注射した部位を強くもまないようにします。
制汗剤の使用やワキの処理をいつから再開してよいかは、注射の当日に医師へ確認してください。
注射後に飲み込みにくさや物が二重に見えるといった症状が出た場合は、すぐに施術を受けた医療機関へ連絡してください。
メディカルアルファクリニック(大阪市中央区南船場4-5-8 ラスターオン心斎橋6F)では、ワキの汗の悩みに対するボツリヌス毒素注射を自由診療で行っています。
当院で使用しているワキの施術用の製剤は、韓国Huons社製のA型ボツリヌス毒素製剤「リズトックス」で、国内では未承認の医薬品です。
当院のワキの多汗症向けボツリヌス毒素注射(製剤:リズトックス)の料金は、注射する量に応じて18,000円〜36,000円(税込・自由診療)です。
注射の量ごとの料金は当院の料金ページに一覧で載せているので、受診前に金額を確かめられます。
注射後は、部位の痛み・内出血・ほかの部位の汗の増加などの副作用が起こることがあり、効果の出方や続く期間には個人差があります。
施術の流れや多汗症・ワキガへの対応は、多汗症・ワキガ治療の施術内容と費用のページで詳しく説明しています。
顔のしわなど、ワキ以外の部位へのボツリヌス毒素注射については、ボトックス注射のメニューページで注射できる部位を確認できます。
当院のワキの注射治療は保険診療ではありません。
保険での治療を希望する方は、多汗症を保険で診ている皮膚科へご相談ください。
ご相談・ご予約はメディカルアルファクリニック(心斎橋)のLINEまたはWeb予約から
【施術についてのご案内】
お問い合わせ先:050-1724-3463(診療時間10:00〜19:00)
ワキの多汗症向けボツリヌス毒素注射(製剤:リズトックス)は自由診療(保険適用外)です。
施術内容:両ワキの皮膚に細い針でA型ボツリヌス毒素製剤を少しずつ注射します。
回数・期間:承認製剤のデータでは1回の効果は4〜9か月ほどとされますが、リズトックスで同じ期間続くとは限りません。
続ける場合は、効果が弱まった時期に4か月以上あけて注射します。
費用:18,000円〜36,000円(税込・注射する量により異なります)。
主なリスク・副作用:注射部位の痛み・赤み・内出血・腫れ、ワキ以外の部位の汗の増加(代償性発汗)、過敏症、感染、だるさ・頭痛などが起こることがあります。
【リズトックスについて(未承認医薬品)】
未承認であること:リズトックスは、医薬品医療機器等法上の承認を受けていない医薬品です。
入手経路:当院の医師の判断のもと、医薬品の輸入手続きを経て入手しています。
個人輸入された医薬品のリスクは、厚生労働省のページ「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」で案内されています。
国内の承認医薬品等の有無:同じA型ボツリヌス毒素を成分とする国内承認医薬品として、重度の原発性腋窩多汗症の効能をもつボトックス注用があります。
諸外国での安全性等の情報:リズトックスは、製造国の韓国で眉間のしわの改善を効能として承認された製剤です。
ワキの多汗症を効能とする承認は確認できておらず、米国・欧州など主要な欧米各国でも承認されていません。
リズトックスをワキの多汗症に使ったときの安全性について、諸外国の規制当局が公表した情報は確認できていません。
A型ボツリヌス毒素製剤に共通する副作用として、注射部位の痛み・内出血、過敏症、まれに筋力低下などが知られています。
医薬品副作用被害救済制度:未承認医薬品のため、重い副作用が起きても医薬品副作用被害救済制度の対象外です。
ワキボトックスと多汗症について、受診を考えるときに気になりやすい6つの質問に、一般的な目安として答えます(個人差があります)。
ワキボトックスは汗腺への指令を一時的に弱めて汗を減らす治療で、効果が続く期間と費用、副作用を比べて受けるかどうかを決めます。
汗が多いのが片方だけ、または急に増えた方は、まず内科や皮膚科でほかの病気がないかを確かめてください。
重度の多汗症で保険診療を希望する方は、まず多汗症を保険で診ている皮膚科で診断を受けられるか相談してください。
塗り薬から試したい方は、まず皮膚科で外用薬が合うかどうかを医師に相談してください。
自由診療で注射を検討している方は、まず製剤の種類と費用、副作用の説明を診察で確かめてください。
メディカルアルファクリニック(大阪市中央区南船場4-5-8 ラスターオン心斎橋6F)へのお問い合わせは、050-1724-3463(10:00〜19:00)で受け付けています。
ワキの多汗症とボツリヌス毒素注射の説明には、厚生労働省・PMDA・日本皮膚科学会が公開している次の資料を参照し、内容を確かめました。