「ぽっこりお腹の脂肪をどうにかしたい」と悩む方から注目されている漢方薬が「防風通聖散」です。
ダイエット効果が期待できる医薬品として知られていますが、本当に効果があるのか、副作用はないのか、正しい飲み方はどうすれば良いのか、気になる点も多いかもしれません。
この記事では、防風通聖散に期待できる具体的な効果、効果を実感できるまでの期間の目安、副作用、そして効果的な飲み方まで詳しく解説します。
防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)とは、18種類の生薬を組み合わせて作られた漢方薬です。
中国の古い医学書にも記載がある、歴史の長い処方の一つです。
現代では、特に体力があり、お腹周りに皮下脂肪が多く、便秘がちな方の「肥満症」や、それに伴う高血圧やむくみ、便秘などの改善に用いられる医薬品として承認されています。
防風通聖散は漢方でありながら、脂肪燃焼や排出促進といった具体的な働きが期待されています。

防風通聖散の効果は、単に体重を落とすだけでなく、体の内側から体質改善を目指す点に特徴があります。
主に「脂肪燃焼の促進」「便通改善による排出促進」「むくみの改善」という3つの効能が相乗的に働くことで、気になるお腹の脂肪を減らすメリットが期待できます。
これらの働きが組み合わさることで、結果的に痩せることにつながるのです。
以下で、それぞれの具体的な働きについて解説します。
防風通聖散に含まれるマオウやサンシシなどの生薬には、交感神経を活性化させ、エネルギー代謝を促進する働きがあります。
これにより、体に蓄積された脂肪、特にお腹周りの皮下脂肪の分解と燃焼が促されます。
運動と組み合わせることで、より効率的に皮下脂肪をエネルギーとして消費できるようサポートします。
そのため、運動習慣のある方や、代謝が落ちてきたと感じる方にも適しています。
防風通聖散に含まれるダイオウなどの生薬は、腸のぜん動運動を活発にし、便通を促す効果があります。
これにより、便秘を改善し、体内に溜まった老廃物や、食事で摂取した余分な脂質を便と一緒に体外へ排出します。
また、腸内環境が整うことで、栄養の吸収効率も正常化します。
食べ過ぎてしまう傾向があり、過剰な食欲を抑えたい方や、便秘によってお腹が張りがちな方に効果的です。
防風通聖散は、体の水分循環を改善し、利尿作用を高める働きも持ち合わせています。
これにより、体内に滞留している余分な水分を尿として効率的に排出します。
その結果、顔や手足のむくみが軽減され、体がすっきりと軽くなる感覚を得られます。
特に、塩分やアルコールの摂取が多い方や、いわゆる「水太り」タイプの体質で、体重の増減が激しい方におすすめの効果です。
防風通聖散の効果は、体質や生活習慣によって個人差がありますが、一般的に服用を始めてから1ヶ月程度で何らかの変化を感じ始める方が多いとされています。
ただし、効果の現れ方は段階的です。
どのくらいの期間でどのような変化が期待できるのか、具体的な目安を理解しておくことが、途中で諦めずに継続するためのポイントになります。
服用を開始して比較的早い段階、早い方では5日~1週間ほどで、まずはお通じの変化を実感することが多いです。
便通がスムーズになったり、回数が増えたりします。
また、利尿作用により尿の量が増え、2週間ほど継続すると、むくみが取れて顔や足がすっきりとした印象になることもあります。
この段階では、まだ体重に大きな変化は見られないかもしれませんが、体が内側から変わり始めているサインです。
お腹の脂肪の減少といった本格的なダイエット効果を実感するには、最低でも1ヶ月以上の継続服用が推奨されます。
体質が徐々に改善されていくことで、脂肪が燃焼しやすい状態が整っていきます。
効果を確かなものにするためには、2ヶ月、3ヶ月と服用を続けながら、食事管理や運動を組み合わせることが重要です。
焦らずじっくりと体と向き合うことが、目標達成への近道となります。
漢方薬は、その人の体質(「証」と呼ばれます)との相性が非常に重要です。
防風通聖散も例外ではなく、その効果が期待できる人がいる一方で、服用が適していない、あるいは効果がない人もいます。
自分がどちらのタイプに当てはまるのかを理解することは、安全かつ効果的に漢方薬を活用するために不可欠です。
ここでは、効果がある人とない人の特徴を具体的に解説します。
防風通聖散が最も高い効果を発揮するのは、漢方で「実証」と呼ばれるタイプの方です。これは、がっちりとした体格で体力があり、内臓脂肪や皮下脂肪が蓄積しやすい状態を指します。
具体的に相性が良いとされる人の特徴は、以下の通りです。
このようにエネルギーが過剰で、体内に熱や老廃物が溜まりやすい方に適しています。ご自身の体質が以下の表に当てはまるか確認してみましょう。
| 項目 | 実証(防風通聖散が向く人) |
|---|---|
| 体格・体力 | がっしりして体力がある |
| お腹周り | 太鼓腹で脂肪が厚い |
| 便通 | 頑固な便秘になりやすい |
| 顔色・症状 | 顔が赤ら顔でのぼせやすい |
これらの特徴に多く該当する場合、効率的な脂肪燃焼と排出効果が期待できます。
一方で、以下のような「虚証(きょしょう)」タイプの人には防風通聖散は不向きです。虚証とは、漢方の考え方で体力がなく、身体の機能が低下している状態を指します。
こうした体質の方が服用すると、十分な効果が期待できないばかりか、成分の刺激によって副作用が強く出てしまうリスクがあります。
具体的な虚証タイプの特徴は以下の通りです。
防風通聖散には便通を促す生薬が含まれているため、もともと胃腸が弱い方が服用すると、胃もたれや腹痛、激しい下痢などの症状を招く恐れがあります。自身の体質を正しく見極めることが大切です。
漢方薬が体質に合わない場合や、より早く確実なダイエット効果を求める方には、クリニックでの医療痩身が有効な選択肢です。自己判断でサプリメントを試すよりも、医師の診断のもとで体質や目標に合った安全な治療を受けられます。
メディカルアルファクリニックでは、以下の痩身メニューをご用意しております。
| 治療メニュー | 特徴 |
|---|---|
| 脂肪溶解注射 | 部分痩せを希望する方に適した注入治療 |
| GLP-1ダイエット | 運動や食事制限が苦手な方向けの医療ダイエット |
専門医がカウンセリングを行い、一人ひとりに最適なプランを提案しますので、まずはお気軽にご相談ください。
防風通聖散は自然由来の生薬から作られていますが、「医薬品」であるため副作用のリスクも存在します。
特に、体質に合わない場合や、用法・用量を守らなかった場合に副作用が現れやすくなります。
服用を開始する前に、どのような副作用があるのかを正しく理解し、万が一の際に適切な対応ができるようにしておくことが大切です。
防風通聖散の副作用として最も多く報告されているのは、胃腸に関連する消化器系の症状です。これは、配合されている生薬が腸の動きを活発にし、便通を促す働きを持つためです。
具体的には、以下のような症状が現れる場合があります。
これらの症状は、体質に対して薬の作用が強く出すぎているサインです。多くの場合は軽度ですが、症状が重い場合や日常生活に支障をきたすほど長引く場合は、無理に服用を続けず医師や薬剤師に相談してください。なお、一般的に眠気などの副作用は報告されていません。
頻度は非常に低いものの、服用にあたっては注意すべき重篤な副作用も報告されています。万が一、以下のような初期症状が現れた場合は、直ちに服用を中止して医師の診察を受けてください。
特に高血圧や腎臓病などの持病がある方は、偽アルドステロン症のリスクが高まるため注意が必要です。服用前に必ず医師へ相談し、服用中も血圧の変動などに十分注意を払ってください。
服用中に何らかの異常を感じた時は、自己判断で続けずに、まずは服用を中止することが最も重要です。
軽い症状であっても、それが続く場合や悪化する場合には、防風通聖散を持参の上、医師、薬剤師、または登録販売者に相談してください。
特に、他の薬を服用中の方や、アレルギー体質の方、持病のある方は、副作用のリスクが高まる可能性があるため、服用を開始する前に専門家に相談することが不可欠です。

防風通聖散の効果を高めるためには、ただ飲むだけでなく、その効果が最大限に発揮されるよう、正しい方法で服用することが大切です。
漢方薬は、飲むタイミングや飲み方によって、体内での吸収率が変わり、効果の現れ方にも影響を与えます。
ここでは、基本的な服用ルールについて3つのポイントに分けて解説します。
漢方薬は、胃の中に食べ物が入っていない空腹時に飲むことで、有効成分が効率よく吸収されると考えられています。
そのため、防風通聖散を飲むタイミングは、「食前(食事の約30分~1時間前)」または「食間(食事と食事の間で、食後約2~3時間後)」が基本です。
食後に飲むと、食事内容によっては成分の吸収が妨げられる可能性があるため、できるだけ避けるようにしましょう。
飲み忘れを防ぐために、食事の時間を基準に飲むタイミングを決めておくと習慣化しやすくなります。
薬を服用する際は、コップ1杯程度の水または白湯で飲むのが基本です。
お茶やコーヒー、ジュース、牛乳などの飲料で飲むと、含まれる成分が漢方薬の有効成分と結びつき、吸収を妨げたり、効果を変化させたりする可能性があります。
薬の効果をしっかりと得るためにも、必ず水か白湯で飲むようにしてください。
他の薬を服用している場合は、飲み合わせに注意が必要です。
特に、防風通聖散に含まれる成分(マオウ、カンゾウ、ダイオウなど)が重複する他の漢方薬や、下剤(便秘薬)と一緒に飲むと、作用が強く出すぎてしまい、激しい下痢や腹痛などの副作用を引き起こす可能性があります。
また、西洋薬との相互作用も考えられるため、何らかの治療で薬を服用している場合は、必ずかかりつけの医師や薬剤師に相談してから服用を開始してください。
防風通聖散は、肥満症の改善をサポートする医薬品ですが、飲むだけで劇的に痩せる魔法の薬ではありません。
その効果を最大限に引き出すためには、服用と並行して、食事や運動といった生活習慣を見直すことが不可欠です。
漢方薬による体質改善と、健康的な生活習慣が組み合わさることで、相乗効果が生まれ、より効率的なダイエットが期待できます。
ダイエットの基本は、摂取カロリーが消費カロリーを下回るアンダーカロリーの状態を作ることです。
脂質の多い揚げ物や、糖質の多いお菓子、ジュースなどの摂取は控えめにしましょう。
その上で、タンパク質、脂質、炭水化物のバランスを意識し、ビタミンやミネラルが豊富な野菜、きのこ、海藻類を積極的に取り入れた食事を心がけることが大切です。
脂肪を燃焼させるためには、有酸素運動が効果的です。
ウォーキングや軽いジョギング、サイクリング、水泳など、自分が楽しみながら継続できる運動を見つけましょう。
最初から無理をする必要はなく、まずは1日20分程度から始めるのがおすすめです。
日常生活の中で、一駅分歩く、エレベーターではなく階段を使うといった工夫も、消費カロリーを増やす上で有効です。
睡眠不足は、食欲を増進させるホルモン「グレリン」の分泌を増やし、食欲を抑制するホルモン「レプチン」の分泌を減らすことがわかっています。
これにより、食べ過ぎにつながりやすくなるだけでなく、代謝も低下するため、ダイエットの妨げになります。
毎日6〜7時間程度の質の良い睡眠を確保し、体の代謝機能を正常に保つことが重要です。
就寝前にスマートフォンやパソコンを見るのを控えることもおすすめです。
防風通聖散は、ドラッグストアや薬局でも購入できる市販薬として、様々なメーカーから販売されています。
いざ購入しようと思っても、種類が多くてどれを選べば良いか迷うかもしれません。
そこで、自分に合った製品を見つけるための比較ポイントを3つ紹介します。
成分量や価格、剤形などをチェックし、納得できる市販の製品を選びましょう。
市販の漢方薬には、医療用医薬品で認められている1日分の生薬の最大量を配合した「満量処方」の製品と、成分量を減らした製品(1/2処方、2/3処方など)があります。
より高い効果を期待したい場合は、パッケージに「満量処方」と記載されている製品を選ぶのが一つの目安です。
医療用の「ツムラ防風通聖散エキス顆粒」は、1日量(7.5g)中に防風通聖散エキスが4.5g含まれていますが、市販薬は製品によってエキスの量が異なるため、成分表示をよく確認して処方内容を比較することが重要です。
漢方薬は、効果を実感するまでに一定期間の継続服用が必要です。
そのため、無理なく続けられる価格帯であることも重要な選択基準になります。
製品によって内容量や価格は様々です。
1ヶ月あたりのコストを算出し、経済的な負担が大きすぎないかを確認しましょう。
まずは試してみたいという方向けに、5日分程度の少量パッケージで販売されている製品もありますので、最初はそういったものから始めてみるのも良い方法です。
市販されている防風通聖散には、主に錠剤と顆粒の2つの剤形があります。どちらを選ぶかは、飲みやすさや続けやすさを基準に判断することが大切です。
漢方特有の独特な味や匂いが苦手な方に適しています。表面がコーティングされている製品も多く、外出先でも手軽に服用できるのがメリットです。ただし、一回あたりの服用数が多くなる傾向があります。
口の中で溶けやすく、錠剤を飲み込むのが苦手な方に適しています。一般的に生薬の香りが強く、吸収が早いと言われていますが、独特の風味が口に残りやすい側面もあります。
| 剤形 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 錠剤 | 味や匂いを感じにくい | 漢方の風味が苦手な方 |
| 顆粒 | 溶けやすく吸収が良い | 錠剤の服用が苦手な方 |
ご自身のライフスタイルに合わせて、ストレスなく継続できる方を選びましょう。
防風通聖散の効果については、これまでに多くの論文で研究が行われていますが、ここでは服用を検討している方から特によく寄せられる質問とその回答をまとめました。
不要ではありません。
防風通聖散はあくまでダイエットをサポートする医薬品であり、飲むだけで痩せるわけではありません。
効果を実感するためには、バランスの取れた食事や適度な運動を組み合わせ、生活習慣全体を見直すことが不可欠です。
一般的に、1ヶ月程度服用しても症状の改善が見られない場合は、服用を中止し、医師や薬剤師に相談することが推奨されます。
薬の添付文書にもその旨が記載されています。
体質に合っていない可能性も考えられるため、漫然と続けるのは避けてください。
効果が出ている証拠ではなく、副作用の可能性が高いです。
口コミや個人のブログなどで「好転反応」と表現されることもありますが、腹痛を伴う激しい下痢や、日常生活に支障が出るような症状は体からの危険信号です。
速やかに服用を中止し、専門家に相談してください。
防風通聖散は、体力があり、お腹に脂肪がつきやすく便秘がちな「実証」タイプの人の肥満症やむくみの改善に効果が期待できる漢方薬です。
その効果は、脂肪燃焼の促進、便通改善、水分排出の3つの働きによるものです。
効果を実感するためには、最低でも1ヶ月以上の継続と、食事管理や運動といった生活習慣の改善を組み合わせることが重要になります。
また、医薬品であるため、下痢などの副作用のリスクも理解し、食前・食間の服用など正しい飲み方を守りましょう。
もし体質に合わないと感じた場合や、より積極的な効果を求める場合は、医療痩身も選択肢の一つです。
自分の体質と目標に合った方法で、健康的な体づくりを目指しましょう。
2008年に自治医科大学医学部を卒業。2010年に大阪府立急性期総合医療センター産婦人科に勤務後、2014年に大阪府障害者福祉事業団すくよかで医療部長を務めました。2015年から大阪府健康医療部で地域保健課主査を歴任し、2017年から愛賛会浜田病院産婦人科に勤務。2020年より某大手美容外科で働き、2021年には小倉院と心斎橋御堂筋院の院長を務めました。2023年からはルヴィクリニック院長に就任しています。
【資格・所属学会】
ボトックスビスタ® 認定医、
ジュビダームビスタ® 認定医、
ジュビダームビスタ® バイクロス 認定医、
日本美容外科学会(JSAS) 正会員、
日本産科婦人科学会 会員、
日本産科婦人科学会 専門医、
日本医師会認定産業医、
母体保護法指定医