ボトックス注射の副作用とリスク|エラ・脇の症状や効果を解説

2025.12.13
美容コラム

ボトックス注射の副作用とは?基本的なリスクと仕組み

ボトックス注射は、ボツリヌス菌が産生するたんぱく質「ボツリヌストキシン」を微量に使用し、神経と筋肉の伝達を一時的に遮断してシワやエラ、肩こり、多汗症などを改善する治療法です。美容や医療の分野で幅広く使われていますが、どんな施術にもリスクはあります。主な副作用として、注射部位の赤み・腫れ・頭痛・熱・だるさ・吐き気などが挙げられます。多くは軽度で数日以内に治まりますが、体調不良時やアレルギー体質の方は注意が必要です。まれに薬剤が筋肉に広がり過ぎて表情の左右差やまぶたの下がり(眼瞼下垂)などが起こる場合もあります。正しい量と部位を見極めて注入することで、安全に使用されることを目指した治療です。経験豊富な医師による施術が副作用を最小限にする最大のポイントです。

ボトックス注射の作用メカニズムと安全性

ボトックス注射は、ボツリヌス菌から抽出された「ボツリヌストキシン」という薬剤を用いて、筋肉の動きを一時的に抑制する治療法です。神経から筋肉へ伝達されるアセチルコリンという物質の放出をブロックすることで、シワやエラ張りの原因となる筋肉の過剰な緊張を緩め、自然な表情を保ちながら表情印象の変化を目指した施術とされています。使用される製剤は極めて微量で、正しく注入すれば体へのリスクは非常に低いとされています。ただし、体質やアレルギー、体調不良時の施術では副作用が出やすくなることも。信頼できる医師による適切な注入量と衛生管理が重要です。ボトックスはもともと脳性麻痺や多汗症治療など医療分野でも使用されており、安全性の裏付けがある薬剤といえます。

一般的に見られる副作用(頭痛・腫れ・赤みなど)

ボトックス注射の副作用として最も多いのは、注入部位の赤みや腫れ、軽い痛みです。これらは針を刺す刺激による一時的な反応で、通常は数時間から2〜3日で自然に落ち着きます。また、稀に頭痛や軽い吐き気が生じることがありますが、ボツリヌス毒素が全身に広がるわけではなく、一時的な反応で終わることがほとんどです。冷やすことで腫れを抑え、当日は激しい運動や入浴を避けることが推奨されます。施術後すぐにメイクも可能ですが、強くこすらないことが大切です。正しい施術を受けていれば、後遺症や長期的な影響は極めて少ないといえます。

発熱・吐き気・だるさなど全身症状が出る場合

ボトックス注射後に発熱、倦怠感、吐き気といった全身症状が出るケースも稀に報告されています。これは薬剤に対するアレルギー反応や、一時的な免疫応答が原因の場合があります。発熱が続く場合は、体が炎症反応を起こしているサインかもしれません。一般的には1〜2日で回復しますが、体調不良が長引く、呼吸しづらい、全身に発疹が出るなどの症状がある場合はすぐに医療機関を受診しましょう。特に初回施術や他の薬剤との併用がある人は注意が必要です。無理に我慢せず、早めの対処が後遺症を防ぐポイントとなります。

部位別に見るボトックス注射の副作用と特徴

ボトックス注射は部位ごとに目的や効果が異なり、副作用の出方にも特徴があります。たとえばエラに注射する場合は筋肉が一時的に弱まり、噛みにくさやだるさを感じることがあります。脇の多汗症治療では汗の分泌を抑える効果が高い反面、注射部位の腫れや内出血、まれに腕の疲労感が出ることも。肩や首への注射では肩こりの改善やスリム効果が期待されますが、一時的に肩が重く感じたり、動かしづらさを覚えることがあります。いずれも3~6か月ほどで効果が切れ、体は元に戻るため後遺症が残ることはほとんどありません。正しい注入量と間隔を守ることで、副作用のリスクを最小限にしながら自然な仕上がりを保つことが可能です。施術前のカウンセリングでリスクを理解しておくことが大切です。

脇ボトックス注射の副作用と汗抑制効果・ 多汗症の治療

脇のボトックス注射は「多汗症」治療として高い効果を発揮します。ボツリヌス毒素が汗腺の働きを抑え、過剰な汗を約3〜6か月ほど軽減します。ただし、注入直後は軽い腫れや赤み、圧痛が出ることがあります。極めて稀に、腕のだるさや肩への違和感が出ることもありますが、数日で改善します。多汗症の改善効果が高いため、脇汗に悩む人には人気の治療ですが、汗を完全に止めるのではなく、汗の量をコントロールするものです。過度な注入は筋肉のバランスを崩すことがあるため、熟練医師による注入が推奨されます。

肩ボトックス・肩こり治療で起こりやすい副作用

肩こり治療のために行う肩ボトックスでは、筋肉をリラックスさせて痛みや張りを軽減します。特に女性では「首が細く見える」「肩がすっきりする」といった美容効果も期待されます。一方で、筋肉を使いすぎている人ほど注射後に一時的なだるさや重さを感じることがあります。これは効き目が現れる過程での自然な反応です。また、注入量が多すぎると腕を上げにくくなることもあるため注意が必要です。通常、3か月程度で元に戻るため、リハビリテーションのように少しずつ慣らすとよいでしょう。正しい量を守ればリスクは最小限に抑えられます。

ボトックス注射の副作用はいつまで続く?期間と経過

ボトックス注射の副作用は、通常2~3日で落ち着きます。注射直後は赤みや腫れ、軽い頭痛などが出ることがありますが、1週間以内にほぼ消失します。ボツリヌス毒素の作用は注射後2〜7日で現れ、3か月ほどで自然に弱まるため、やめると徐々に元に戻ります。ただし、体調不良時の施術や過剰な注入を行った場合、違和感やだるさが長引くこともあります。発熱・吐き気・倦怠感が1週間以上続く場合は、医療機関を受診するのが安心です。特に肩や首など大きな筋肉に注射した際は、筋肉が一時的に使われにくくなるため、無理に動かさず安静を心がけましょう。多くの副作用は一過性で、体内に薬剤が残ることもありません。正しいアフターケアと医師のフォローアップがあれば、安全に経過を過ごすことができます。

副作用が長引く場合の原因と対処法

副作用が長引く原因としては、体調不良時の施術や、注入量の過多、筋肉バランスの乱れなどが考えられます。特にエラや首、肩などの大きな筋肉は反応が出やすく、違和感が数週間続くこともあります。体内で薬剤が代謝されるまで時間がかかるため、焦らず経過を見ることが大切です。症状が3週間以上続く場合や、頭痛・熱が取れない場合は医療機関での診察を受けましょう。冷却や安静、ビタミン補給などで回復を助けることができます。施術前のカウンセリングでリスク説明を受け、施術後は医師の指示に従うことが最も安全な方法です。

熱や頭痛が出たときの対応と病院に行く目安

ボトックス注射後に熱や頭痛が出た場合、多くは軽度で自然に治まりますが、38度以上の発熱や強い頭痛、吐き気が続くときは医療機関の受診をおすすめします。体調不良時の免疫反応や、ボツリヌス製剤へのアレルギーの可能性も考えられるためです。市販の解熱鎮痛剤を使用しても構いませんが、自己判断せず、施術を受けたクリニックに相談するのが安心です。早めの受診で後遺症を防げます。再施術は体調が完全に回復してから行いましょう。

ボトックス注射を安全に受けるための注意点とクリニック選び

ボトックス注射を安全に受けるためには、信頼できるクリニック選びが最も重要です。ボツリヌス製剤は精密な注入量管理が必要な薬剤であり、医師の技術や経験によって仕上がりと副作用リスクが大きく変わります。カウンセリングでは、目的(シワ・エラ・肩こり・多汗症など)や希望する効果、持続期間をしっかり伝えましょう。アレルギー体質や体調不良時には施術を控えるのが安全です。また、「やめるとどうなるか」も事前に確認しておくと安心です。ボトックスの効果は一時的なもので、やめても元に戻るだけで後遺症はありません。正規品を使用し、清潔な環境で施術することも大切です。口コミや実績を確認し、医師と十分に相談してから施術を受けることで、満足度の高い安全な結果が得られます。

アレルギー・体調不良時に受ける際の注意事項

ボトックス注射は基本的に安全ですが、体調不良時や発熱中の施術は避けるのが原則です。アレルギー体質の方は、事前に医師へ申告し、パッチテストを受けることも検討しましょう。薬剤の成分に反応して蕁麻疹やかゆみが出ることもあります。特に心臓疾患や神経系の持病がある人は、使用する製剤を医師が慎重に選ぶ必要があります。少しでも不安がある場合は日を改めるのが賢明です。体調が万全なときに受けることで、副作用のリスクを大幅に減らせます。

信頼できる医師とカウンセリングで防げるリスク

ボトックス注射のリスクを最小限にするには、信頼できる医師選びが何より重要です。顔の筋肉構造や表情の動きを理解していない医師が施術すると、左右差や表情の不自然さが生じることがあります。カウンセリングでは、施術目的(シワ改善・多汗症治療・エラ縮小など)を明確にし、自分に合う薬剤の種類や注入量を確認しましょう。また、施術後の経過や「やめるとどうなるのか」も聞いておくと安心です。ボトックスをやめると効果が自然に薄れ、筋肉が元に戻るだけで、後遺症は基本的に残りません。

エラ・脇・肩など部位ごとの適切な注入量と管理法、やめるとどうなる?

エラ・脇・肩など部位ごとに必要なボトックスの量は異なります。エラは筋肉が厚いためやや多めに、脇や肩は目的に応じて慎重に調整します。過剰に打つと筋力低下や動かしづらさが出るため、適切な管理が重要です。効果は一般的に3〜6か月で徐々に薄れ、やめると元に戻ります。ボツリヌス製剤は体内で完全に分解されるため、蓄積による後遺症の心配はほとんどありません。定期的な施術で理想的な状態を維持できますが、間隔を守ることでリスクを減らし、安全に長期利用できます。

まとめ

ボトックス注射は、眉間のシワ・エラの張り・肩こり・多汗症など幅広い悩みに対応できる治療法です。ボツリヌス毒素の働きで筋肉や汗腺の活動を抑えることで、自然で若々しい印象を作ることができます。特に手のひらや脇の汗を抑える効果は高く、多汗症に悩む人にも人気があります。一方で、施術後に赤み・腫れ・頭痛・発熱などの軽い副作用が出ることがありますが、多くは数日で治まり、後遺症が残るケースは極めて稀です。

施術効果は一般的に 1回の注射で約3ヶ月前後 続きます。個人差はありますが、徐々に薬剤の効果が切れてくると筋肉の動きが戻り、表情や体の状態は自然に元に戻ります。つまり、「やめるとどうなるの?」という疑問に対しては、「その後、時間の経過とともに元の状態に戻る」と考えて問題ありません。効果の“もち”を長くしたい場合は、3〜4ヶ月ごとに定期的な施術を受けることで、安定した仕上がりを維持できます。

また、体調が悪いときやアレルギーがあるときの施術は避け、信頼できる医師に相談することが大切です。正規の薬剤を使用し、注入量と部位を適切にコントロールできるクリニックを選ぶことで、副作用のリスクは大幅に軽減されます。ボトックス注射は即効性と手軽さが魅力ですが、正しい知識とアフターケアを身につけておくことで、より安全に理想の効果を得られる施術です。無理のないスケジュールで継続的に行うことで、自然な美しさを長く保つことができるでしょう。

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この記事の監修

小西 恒 医師
小西 恒

2008年に自治医科大学医学部を卒業。2010年に大阪府立急性期総合医療センター産婦人科に勤務後、2014年に大阪府障害者福祉事業団すくよかで医療部長を務めました。2015年から大阪府健康医療部で地域保健課主査を歴任し、2017年から愛賛会浜田病院産婦人科に勤務。2020年より某大手美容外科で働き、2021年には小倉院と心斎橋御堂筋院の院長を務めました。2023年からはルヴィクリニック院長に就任しています。
【資格・所属学会】
ボトックスビスタ® 認定医、 ジュビダームビスタ® 認定医、 ジュビダームビスタ® バイクロス 認定医、 日本美容外科学会(JSAS) 正会員、 日本産科婦人科学会 会員、 日本産科婦人科学会 専門医、 日本医師会認定産業医、 母体保護法指定医

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