人中短縮ボトックスの失敗事例と整形前に知るべき注意点

2025.8.29
美容コラム

人中を短く見せるボトックス注射とは?

近年「整形初心者にもおすすめ」として注目されているのが、人中短縮ボトックスです。鼻と上唇の間にある「人中」の長さを視覚的に短く見せることで、顔の印象がすっきり見えるといった声が寄せられることがあります。とはいえ、実際にはどのような仕組みで人中が短くなるのか、ヒアルロン酸との違いは何か、気になる方も多いのではないでしょうか。ここでは、まずその仕組みと特徴を見ていきましょう。

表情筋への作用と見た目の変化

人中短縮ボトックスとは、上唇を引き上げる筋肉(上唇挙筋や口輪筋など)にボツリヌストキシン製剤を注入することで、筋肉の過剰な収縮を抑え、人中が短く見えるように調整する整形施術です。注入によって上唇の位置が微妙に変化し、人中の長さが相対的に短く見える見た目の変化を感じる方もいるようです。注入直後はわずかな違和感や引きつれ感を覚える方もいますが、多くの症例では3日〜1週間で自然な笑顔へと馴染んでいきます。なお、これは物理的に人中を「短くする」わけではなく、あくまで表情筋の動きによる“見え方”のコントロールです。変化は微細ですが、顔全体のバランスに影響を与えるため、慎重な設計と注入が求められます。

併用されることのあるヒアルロン酸施術との違い

ヒアルロン酸注入とは、皮膚の下にゲル状のヒアルロン酸を注入し、ボリュームや輪郭を調整する施術です。たとえば上唇に厚みを出したい場合や、ほうれい線周囲の形を整えたい時などに使用されます。一方、ボトックスは筋肉に作用するため、「動き」のコントロールに特化しています。整形の目的に応じて、両者を併用することでバランスを整えたいと希望する方にとっては、選択肢の一つとされています。ヒアルロン酸で形を整え、ボトックスで動きを整えるというのが一般的な組み合わせの考え方です。

施術で起こりやすい問題と身体への反応

ボトックスは比較的ダウンタイムが少ない整形として知られていますが、それでも施術後に一時的な反応が見られることもあります。人中短縮ボトックスでは、笑顔が不自然になる、唇の感覚に違和感が出るなど、他の部位とは異なる特有の問題もあります。ここでは、起こりやすい身体の反応と注意点を見ていきましょう。

笑顔がぎこちなくなることはある?

もっとも多い副作用として、笑顔が不自然になるケースが挙げられます。上唇を引き上げる筋肉に作用するため、筋力が弱まることで唇がうまく動かず、笑顔がぎこちなくなることがあります。これは過剰に注入した場合や、表情筋の構造に合わない位置に注射したときに起こりやすく、注入量の判断ミスによる失敗といえます。症例のなかには、数週間で自然な表情に戻るという経過をたどるものもありますが、初めて受ける方にとっては大きな不安材料になるでしょう。笑顔の印象は顔全体の印象に大きく関わるため、施術経験が豊富な医師に相談することが重要です。

くちびるの形や動きに関するトラブル

人中に注入されたボトックスは上唇の動きを一時的に抑制するため、日常生活においても違和感を感じることがあります。特に、ストローで飲み物を飲むときに上唇が持ち上がりづらい、食べ物を口に運ぶときに口がしっかり閉じられないといった声がモニターやブログなどでも報告されています。これは副作用というより、筋肉が一時的に制限されている状態であり、多くの場合は時間の経過とともに自然に解消されます。ただし、長引くようであれば医師による経過観察や修正施術が必要になるケースもあるため注意が必要です。

感覚異常や動作の違和感

人中周辺は神経が集中している部位のため、注入後に軽いしびれや感覚の鈍さ、動きに違和感を覚えることがあります。れらはボトックスによる一時的な感覚の変化として報告されることがあります。ほとんどの症例で1〜2週間ほどの期間で改善します。経過観察中にしびれや違和感が強くなる場合は、医師に早めに相談することが推奨されます。モニター症例の中にも、最初は感覚に違和感があったが自然に治ったという体験談が見られます。

施術後すぐには軽度の痛みや赤み、内出血、腫れが現れることもあります。これらは注射針による反応として起こるもので、冷却や安静によって通常は数日でおさまります。副作用というよりは自然な術後反応といえるもので、日常生活に支障をきたすケースはまれです。痛みに関しても、強いものではなく、鈍い圧痛のような感覚が主です。症例ブログでは、施術当日はメイクを控えたり、短時間の入浴を心がけるといった対応が紹介されており、経過を良好に保つうえで有効な対策となっています。

実際に施術を受けた人の経過と印象

人中短縮ボトックスはシンプルな施術に見えますが、実際に受けた人の体験談や症例の経過を確認することで、見た目の変化だけでなく、痛みや違和感の程度、またその変化に関する体験談も見られます。ここでは、実際の施術後に感じた痛みの程度や日常生活への影響、効果が表れるまでの期間や持続性、症例に見られるビフォーアフターの傾向を見ていきましょう。

痛みの強さと施術後の過ごし方

施術時に感じる痛みは「チクッとする程度」や「軽くつねられるような感覚」と表現されることが多く、強い痛みを訴える症例は少数派です。針を刺す位置や深さによって個人差はありますが、注射の時間自体が短いため、全体の負担は軽めです。施術後は冷却や安静が推奨され、腫れや内出血を防ぐ工夫が求められます。ブログなどでも「その日のうちに普通に食事ができた」「翌日から仕事に行った」といった声が多く、ダウンタイムが短い施術として評価されています。

効果が表れるまでの日数と持続期間の目安

施術後すぐには大きな変化は感じにくいものの、3〜5日ほど経つと上唇の上がり具合が変わり始め、人中が短く見えるようになったという報告が多く見られます。1週間もすれば効果が定着し、整った印象を実感しやすくなるようです。この効果の持続期間、いわゆる「もち」は個人差がありますが、おおむね3〜4ヶ月程度とされています。モニター症例の中には半年近く効果が持続した例もある一方で、2ヶ月程度で元に戻ったというケースもあり、経過観察が大切です。

症例から見るビフォーアフターの傾向

実際の症例では、ビフォーアフターの変化は非常にナチュラルです。「人中が短くなったことを周囲に気づかれない程度なのに、顔の印象が変わったと感じる方もいるようです。笑顔にも違和感がなく、表情を保ったまま微調整ができる点で好評です。ただし、注入量が多かったり、位置がずれていた場合には「笑うと唇が引きつる」「言葉がやや発音しづらい」などの報告もあり、こうしたリスクを防ぐには信頼できる医師選びが重要です。症例ブログやモニターの記録を確認することで、具体的な経過や注意点を事前に把握することができます。

不自然さを防ぐために知っておくべき期間管理

人中短縮ボトックスは短時間で受けられる整形ですが、不自然な仕上がりを防ぐためには、施術前後の期間管理と経過観察が欠かせません。とくに注入量やタイミング、施術後のモニタリングによって、仕上がりの満足度が大きく左右されます。ここでは、違和感のない自然な表情を保つためのポイントを見ていきましょう。

注入量とタイミングの重要性

自然な仕上がりを目指す上で最も重要なのが、注入するボトックスの量です。少なすぎると十分な変化が得られず、逆に多すぎると唇の動きに制限がかかり、笑顔がぎこちなく見えることがあります。特に人中はミリ単位の変化で印象が大きく変わる部位のため、ほんのわずかな違いが「不自然」に感じられてしまうのです。また、効果の「もち」が3〜4ヶ月であることを踏まえて、次回の施術タイミングを見極めることも重要です。頻繁に繰り返しすぎると筋肉が反応しにくくなったり、持続期間が短くなるケースもあるため、必ず医師と相談しながら計画的に進めましょう。

施術後のモニタリングで注意すべき点

施術後は3日目から1週間程度の経過期間で効果が安定してくるため、この時期に笑顔や発音に違和感がないかをチェックすることが大切です。口元に強く力を入れるような動作(ストローで吸う、硬いものを食べるなど)は、腫れや内出血が残っている場合には悪化を招くことがあります。症例ブログでは「違和感が出たときにすぐ医師に相談して調整注射を受けた」という体験も多く、経過中に何か気になる点があれば、我慢せず早めに対応することが不自然さを防ぐ第一歩となります。施術の効果は一時的なものであり、期間中にどう過ごすかが最終的な仕上がりに直結します。

この整形が合う人・合わない人

人中短縮ボトックスは手軽な整形として注目される一方で、すべての人に適しているわけではありません。自身の希望する仕上がりや、表情のクセ、他の施術との相性を踏まえて、施術の適性を見極めることが重要です。ここでは「合う人」「合わない人」の特徴をそれぞれ整理して見ていきましょう。

他の方法との相性(例:ヒアルロン酸)

ヒアルロン酸との相性は、人中短縮ボトックスをより自然に仕上げたいときに注目すべきポイントです。上唇のボリュームが少ない人がボトックスだけを行うと、唇が薄く見えてしまいバランスが崩れることがあります。そうした場合、ヒアルロン酸注入で上唇にふくらみを足すことで、自然な立体感を作ることができます。反対に、すでにボリュームがある方がヒアルロン酸と併用すると不自然になる恐れもあるため、注入量の調整が鍵になります。複数の施術を組み合わせる場合は、モニターやブログなどで似た骨格の症例を確認しておくとよいでしょう。

特定の表情タイプや骨格への注意

笑ったときに口元に力が入りやすいタイプや、もともと人中が短い骨格の人には、この整形が合わない可能性があります。筋肉の制御が過剰に働くと、笑顔に不自然さや違和感が出てしまうためです。また、口輪筋が発達している方や口元に表情ジワが出やすい方は、ボトックスによって別の場所にしわが寄る可能性も考慮すべきです。整形とは、理想と現実のバランスをとる作業でもあるため、見た目だけでなく機能面や日常の表情に違和感がないかを事前に医師とよく相談しましょう。自分の骨格や表情の癖を把握し、それに合った調整を受けることで、納得のいく仕上がりが期待できます。

信頼できる美容医療機関の選び方

整形の満足度を大きく左右するのが、美容医療機関の選び方です。特に人中短縮ボトックスのように効果が繊細に出る施術では、医師の技術力や相談対応の質、アフターサポート体制などが結果に直結します。ここでは、安全性と納得感を高めるための医療機関選びのポイントを見ていきましょう。

技術力と相談対応の見極めポイント

まず重視すべきは、施術を担当する医師の技術力と症例数です。ブログやクリニックサイトに多数の症例写真が掲載されているか、施術のビフォーアフターが明示されているかを確認すると信頼性を測る材料になります。また、カウンセリングでこちらの希望や不安をしっかりと聞いてくれるかどうかも重要です。整形とは単に注射を打つだけではなく、患者一人ひとりの骨格や筋肉の動きを的確に判断し、最適な注入量や位置を設計する医師の判断力が求められます。施術前にリスクや副作用、仕上がりのもちや経過などを丁寧に説明してくれるクリニックは、信頼性が高い傾向にあります。

施術後のサポート体制が整っているか確認しよう

人中短縮ボトックスは一見シンプルに見える施術ですが、経過中に笑顔に違和感が出る、痛みが長引く、腫れがひかないなどの問題が起きる可能性があります。そのため、施術後の経過観察とサポート体制が整っているかは非常に重要です。万一副作用が現れた場合に、無料で再診・調整注入が受けられるか、相談対応は早いか、メールやLINEなどで手軽に医師に連絡できるかなどを事前に確認しておきましょう。アフターケアを重視しているクリニックは、施術の質にもこだわっていることが多く、安心して任せることができます。整形の成否は施術後にも続くという意識を持ち、サポート体制のしっかりした医療機関を選ぶことが、自分にとっての最適な選択となるでしょう。

まとめ

人中短縮ボトックスは、外科手術を伴わずに人中を短く見せたい方にとって魅力的な選択肢です。ただし、他の整形と同様に、副作用や失敗のリスク、経過中の違和感や笑顔への影響を事前にしっかり理解する必要があります。施術時の痛みは軽度であることが多いものの、術後は腫れや内出血が出ることがあり、これらの症状がひくまでの期間には個人差があります。ストローを使った飲み物摂取や口を大きく開ける動作がつらいと感じるケースもあるため、日常生活に配慮した計画が求められます。

ボトックスの効果は永久ではなく、「もち」はおおよそ3〜4ヶ月です。定期的に注入を続ける場合、筋肉が慣れてしまい効きが悪くなることもあるため、期間を空けながらの継続が望ましいとされています。また、注入量やタイミングによっては笑顔がぎこちなくなるなどの違和感が出ることもあるため、施術後の経過はよく観察する必要があります。

自分にこの整形が向いているかどうか、また、必要に応じてヒアルロン酸との併用も視野に入れつつ、ブログやモニター症例を参考に比較・検討することが大切です。そして何より、信頼できる医師としっかりと相談し、不安や疑問を解消したうえで施術を受けることが、満足のいく結果へとつながります。

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この記事の監修

小西 恒 医師
小西 恒

2008年に自治医科大学医学部を卒業。2010年に大阪府立急性期総合医療センター産婦人科に勤務後、2014年に大阪府障害者福祉事業団すくよかで医療部長を務めました。2015年から大阪府健康医療部で地域保健課主査を歴任し、2017年から愛賛会浜田病院産婦人科に勤務。2020年より某大手美容外科で働き、2021年には小倉院と心斎橋御堂筋院の院長を務めました。2023年からはルヴィクリニック院長に就任しています。
【資格・所属学会】
ボトックスビスタ® 認定医、 ジュビダームビスタ® 認定医、 ジュビダームビスタ® バイクロス 認定医、 日本美容外科学会(JSAS) 正会員、 日本産科婦人科学会 会員、 日本産科婦人科学会 専門医、 日本医師会認定産業医、 母体保護法指定医

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