側頭筋ボトックスの効果と副作用とは?たるみとの関係も徹底解説【美容医療コラム】

2025.8.28
美容コラム

目次

側頭筋ボトックスとは

側頭筋ボトックスとは、こめかみから耳上にかけてある側頭筋にボツリヌストキシン製剤を注入する施術です。小顔やリフトアップ、歯ぎしりや食いしばり、頭痛の改善を目指す美容医療・歯科領域の施術で、注入する量や症例に応じて咬筋への施術(エラボトックス)と併用されることも多くあります。では、そもそも側頭筋の役割や咬筋との違い、施術目的による歯科と美容クリニックの違いについて見ていきましょう。

側頭筋の役割と噛みしめ・食いしばりとの関係

側頭筋は咬筋と共に咀嚼の主要筋で、歯ぎしりや食いしばりを繰り返すと筋肉が緊張して厚くなります。特にストレスや無意識の噛みしめ癖が続くと、慢性的な頭痛や肩こり、咬筋の張りによるフェイスラインのエラ感につながりやすいです。側頭筋にボトックスを注入することで筋肉の収縮を緩め、不必要な緊張を軽減し、歯ぎしりや食いしばりの改善が期待されていることがあります。

美容医療と歯科での側頭筋ボトックスの違い

美容医療では小顔・目元のたるみ改善・リフトアップを目的として注入し、リスク管理や症例数にもとづくデザイン重視の施術が主流です。一方、歯科では主に歯ぎしり・食いしばり・咬合不良による症状改善目的で実施され、保険適用や機能改善を重視します。美容クリニックでは料金の幅も広く、使用する製剤(韓国製/アラガン社製など)や量によって異なります。

側頭筋ボトックスの効果・メリット

側頭筋ボトックスには、美容的なメリットだけでなく、機能面や症状改善にも効果が期待されます。それぞれの効果・メリットとして、小顔との関係、たるみ改善、歯ぎしり緩和、さらに頭痛・肩こりなどの機能面改善について詳しく解説します。

小顔効果とエラボトックスとの併用

側頭筋ボトックス単独でもこめかみ周辺の張りが緩和され、小顔効果が得られるといわれています。特に、エラ部分に咬筋が発達している方には、咬筋への注射(エラボトックス)との併用が効果的です。エラボトックスで咬筋を弱め、側頭筋にも施術することで顔全体の輪郭がすっきりと整い、小顔効果を相乗的に高めることが可能です。

目元のたるみ改善とリフトアップ

側頭筋は目元や頬を支える構造とも連動するため、筋肉の緊張を緩和することで目元のたるみが改善されることもあるようです。肌のハリ・弾力が整っていれば、自然なリフトアップ効果を感じやすく、ほうれい線や目の下のたるみにも柔らかい改善が期待できます。ただし、施術を繰り返すうちに筋力低下によってたるみが早まる可能性もあるため他施術との併用も考慮します。

歯ぎしり・食いしばり・頭痛の緩和

食いしばりや歯ぎしりに伴う側頭筋の緊張を抑えることで、睡眠中の無意識の噛む力が軽減され、顎関節症の予防や歯のすり減り、知覚過敏のリスクの軽減につながります。加えて、筋肉の過度な収縮による緊張型頭痛や肩こり、顎周りの疲れの緩和にも効果が期待できるため、機能面と美容面の両方にメリットがあります。

頭痛・肩こりなど機能面の改善

ストレスや長時間の噛みしめ習慣は頭痛や肩こりの原因となりますが、側頭筋ボトックスはそれらの緊張を緩和することで症状改善の実例も報告されているようです。特に福岡や他地域の症例ブログでは、歯医者や美容クリニックでの施術後、頭痛や肩こりが楽になったという声もあり、機能面の改善効果も見逃せません。歯科での保険適用対象となる場合もあり、コスト面でも検討しやすいメリットがあります。

副作用・リスク・デメリットの注意点

側頭筋ボトックスには多くのメリットがある一方、リスクや副作用、デメリットについても理解しておく必要があります。内出血や痛み、不自然な表情、量の調整ミス、さらには目元のたるみへの影響などについて詳しく確認していきましょう。

内出血・痛み・腫れの可能性

注射時には針による軽い痛み、赤みや腫れ、内出血が起こる可能性があります。特に細い血管にあたると内出血が生じ、通常1週間程度で自然に改善しますが、その期間はファンデーションなどでカバーが必要になることもあります。痛みは局所麻酔や笑気麻酔などで軽減可能です。ただし施術後に激しい入浴や飲酒を避けることで内出血の長期化を避けられます。

表情の不自然さや脱力感

量が過剰だったり注入部位が誤ると、表情が不自然になったり、眉の上げ下げや目元の動きに影響が出る場合があります。側頭筋が効きすぎると咀嚼時の違和感や頭痛を招くこともあり、前頭筋などへの拡散によって目元が重く感じられるという報告もあります。経験豊富な医師による慎重な量調整が重要です。

量の調整・過剰注入によるリスク

注入量の単位はクリニックや症例によって異なりますが、安全性のためには少量から始めて、症状や効果を見ながら調整することが推奨されます。効かせすぎると機能的に咀嚼力が低下し、顎が疲れやすくなる可能性もあります。失敗や後悔を避けるには、カウンセリングで症例を提示してもらい、納得の上で量を決めることが大切です。

目や額のたるみとの兼ね合い(目元への影響)

側頭筋の筋力低下により、目元や額の皮膚を支える力が弱まると、たるみやほうれい線が進行しやすくなる可能性もあります。特に肌のハリが低下している方では、たるみのスピードが早まるリスクがあるため、糸リフトや他のリフト施術との併用を検討すべきです。施術は万能ではなく、リスクとメリットのバランスを見極めて判断しましょう。

効果の持続期間と再注入のタイミング

側頭筋ボトックスの効果は永続的ではなく、時間の経過とともに徐々に消失します。そのため、効果が薄れるタイミングや再施術の目安を理解しておくことが大切です。ここでは、効果の持続期間、再注入の適切な間隔、耐性リスクについて説明していきます。

効果が出るまでと持続期間(3~6ヶ月程度)

側頭筋ボトックスの効果は、施術から2〜5日ほどで徐々に現れ始め、2週間ほどで安定します。最も効果を実感できるのは1ヶ月前後で、持続期間は個人差がありますが、一般的に3〜6ヶ月程度とされています。この効果の長さは、使用する製剤の種類(韓国製のディスポートやアラガン製ボトックスなど)や注入量、筋肉の発達具合によって変わります。定期的に施術することで筋肉が萎縮しやすくなり、少ない量でも効果を実感しやすくなるというメリットもあります。

再施術の間隔と耐性リスク

効果が薄れてきたと感じる時期が再注入の目安ですが、過度に頻繁な施術は製剤に対する抗体ができやすくなり、耐性が生じて効きにくくなるリスクがあります。副作用や失敗の可能性も上がるため、最低でも3ヶ月の間隔を空けることが推奨されています。経験豊富な医師は、症例ごとの反応を確認しながら施術間隔を調整してくれますので、信頼できる歯科や美容クリニックを選ぶことが重要です。

痛み・施術の流れ・量について

側頭筋ボトックスを検討する際、多くの人が気になるのが施術時の痛みや施術の流れ、注入する量についてです。初めての方でも安心できるよう、施術の具体的な流れや麻酔の使用、ユニット単位の量について詳しく見ていきましょう。

注射時の痛みと対策(局所麻酔など)

注射時の痛みは個人差がありますが、極細針を使用するためチクッとした軽い痛み程度です。不安が強い方や痛みに敏感な方には、局所麻酔や麻酔クリーム、笑気麻酔などの使用も可能です。施術前に医師としっかり相談すれば、痛みの軽減対策を講じてもらえるため、安心して施術を受けられます。施術時間も短く、ほとんどの症例でダウンタイムが少ない点もメリットの一つです。

通院時間・施術の流れ(約10分〜15分)

施術の流れは非常にシンプルで、カウンセリング・診察後、マーキングを行い、側頭筋の緊張や張り具合に応じて注入位置を決定します。その後、片側ずつ数か所に注射し、10分〜15分程度で完了します。当日の通院時間は30分〜1時間ほど見ておくと良いでしょう。直後からメイクも可能なケースが多く、忙しい方でも受けやすい施術です。

適切な注入量の目安(20〜50ユニットなど)

注入量は症例により異なりますが、片側あたり10〜25単位、両側で合計20〜50ユニットが目安です。筋肉量や緊張の程度、目的によって調整され、初心者は少なめの量から始めて徐々に調整することが多いです。過剰に注入すると副作用のリスクが高まり、不自然な表情や機能低下を招く可能性があるため、適切な量の判断には経験豊富な医師の技量が求められます。

歯科(歯医者)と美容クリニックの選び方

側頭筋ボトックスは、美容目的だけでなく、食いしばりや歯ぎしり、頭痛といった症状の改善にも使われています。そのため施術を受ける際は、目的に応じて美容クリニックか歯科(歯医者)を選ぶことが大切です。ここでは、それぞれの選び方や信頼できる医師を見極めるポイントについて解説します。

歯ぎしり・食いしばりの改善目的なら歯科へ

日常的な歯ぎしりや食いしばりによる顎の疲れ、頭痛、咬合の乱れといった症状を緩和したい場合には、歯科でのボトックス治療が適しています。歯科医院では、咬筋や側頭筋の働きがもたらす機能的な問題に焦点を当てて治療が行われます。医師は咬合の知識を有しているため、歯への影響を最小限に抑えつつ治療できるのが特徴です。また、一部の症状については保険適用の対象となる可能性もあり、料金面でもメリットがあります。

美容目的(小顔・たるみ改善)なら美容クリニックへ

小顔になりたい、ほうれい線やたるみを改善したいといった美容目的の場合は、美容クリニックを選ぶのが一般的です。美容医療においては、見た目のバランスや自然な表情を保ちながら、顔全体の印象を整えることが重視されます。たとえばエラボトックスと併用した小顔デザインや、目元のたるみに配慮した注入ポイントの調整など、審美性に優れた対応が可能です。施術の精度やアフターケア体制も充実しており、料金は自費になりますが、韓国製ボトックスなど選択肢も豊富です。

信頼できる医師・実績を重視するポイント

クリニックや歯科医院を選ぶ際は、医師の実績や症例数、口コミなどを確認することが大切です。ブログやSNSで症例を公開している医師は、技術に自信があるケースが多く、参考になります。また、カウンセリングでリスクやデメリットも丁寧に説明してくれるか、施術後のフォローが整っているかどうかも重要な判断基準です。とくに福岡や都市部では選択肢が多いため、実際の体験談や評判をもとに自分に合った医院を選びましょう。

他施術との併用:エラボトックス・糸リフトなど

側頭筋ボトックスは単体でも効果を実感できますが、他の美容施術と組み合わせることで、より高い相乗効果を得られることがあります。ここでは特に人気の高いエラボトックスや糸リフト、マイクロボトックスとの併用例を紹介します。

エラボトックスとの組み合わせによる相乗効果

エラが張って見える原因のひとつは咬筋の発達です。エラボトックスで咬筋のボリュームを減らし、側頭筋ボトックスで側頭部の張りを緩和することで、フェイスライン全体がすっきりと整い、小顔効果を強く実感しやすくなります。この施術の組み合わせは韓国の美容クリニックでも一般的で、左右差の補正やバランスの調整がしやすいのもメリットです。顔の骨格や筋肉の動きに詳しい医師に相談することで、より自然で美しい仕上がりが目指せます。

糸リフトやマイクロボトックスとの併用によるリフト効果

糸リフトは皮膚のたるみを物理的に引き上げる施術で、側頭筋ボトックスと併用することでリフトアップ効果がさらに高まります。特に、目元のたるみやほうれい線、口角の下がりなどの悩みには有効で、それぞれの施術が補完し合う関係にあります。また、マイクロボトックス(皮膚の浅層に広範囲で注入する方法)と組み合わせることで、ハリ・毛穴の引き締め効果が追加され、より若々しい印象を実現できます。施術の順番や注入タイミングも仕上がりに影響するため、事前に医師としっかり相談して計画を立てることが重要です。

側頭筋ボトックスの症例・体験談

側頭筋ボトックスの施術は、近年SNSやブログを通じて多くの症例や体験談がシェアされています。特に小顔やたるみ改善を目的とした美容目的では、30代〜50代の女性からの高評価が目立ちます。実際に「目元のたるみが改善された」「フェイスラインがすっきりした」という声や、「咬筋だけのエラボトックスよりナチュラルに仕上がった」という実感も多く見られます。こうした症例は、クリニックの公式サイトや美容施術専門のブログでも紹介されており、術前・術後の変化を画像で確認できるのが特徴です。

また、歯ぎしりや食いしばりによる慢性的な頭痛・肩こりの緩和を目的に歯科で施術を受けた症例では、「数年来の頭痛が和らいだ」「就寝時の噛み締めが減った」といった機能面での効果も多く報告されています。施術後すぐに効果を実感する人もいれば、2〜3週間かけて徐々に変化を感じる人もおり、個人差がある点は理解しておく必要があります。

失敗したという体験談では、注入量が多すぎて表情が不自然になったケースや、たるみが悪化したという報告もありますが、それらは医師との十分なカウンセリング不足や、実績の少ないクリニック選びが原因となっていることがほとんどです。しっかりとした症例をもとに、信頼できる医院を選ぶことが施術成功の第一歩となります。

料金・保険適用について

側頭筋ボトックスの料金は、美容クリニックと歯科で大きく異なります。美容目的での施術は保険適用外となり、自由診療のため価格設定は各院によって幅があります。平均的には1回あたり20,000円〜60,000円程度で、使用するボトックス製剤(アラガン社製・韓国製など)や注入する単位数、施術内容のカスタマイズにより料金が変動します。

一方、歯ぎしりや食いしばりによる咀嚼筋の緊張、顎関節症の症状を改善することが目的であれば、歯科において医師の診断のもと保険適用となるケースもあります。ただし、保険が使えるのは限られた症状に対してであり、全てのケースが対象になるわけではありません。まずは問診を受け、必要に応じて診療情報提供書などの医師判断に基づいた処理が行われます。

費用だけで判断すると、過剰な値引きや不適切な製剤による失敗リスクがあるため、料金の安さだけで選ばず、実績や症例、カウンセリングの質を重視することが大切です。価格と信頼性のバランスを見極め、納得できるプランを選択しましょう。

施術前の注意点・失敗を防ぐコツ

施術前に気をつけたいのは、信頼できるクリニック・歯科選びと、的確なカウンセリングを受けることです。副作用やデメリットについて十分に説明を受けずに施術を受けると、仕上がりに不満が残ったり、目元のたるみが目立つといった失敗の原因になります。カウンセリング時には、自分の悩み(小顔になりたい、歯ぎしりを改善したい、など)を具体的に伝えることで、量や注入部位の調整を的確に行ってもらえます。また、施術後のダウンタイムや持続期間、再注入の目安についても事前に理解しておくことで、安心して施術を受けることができます。

まとめ

側頭筋ボトックスは、顔の印象をすっきり見せたい方や、小顔を目指す方にとって魅力的な施術のひとつです。美容目的だけでなく、咬筋や側頭筋の緊張が原因となる歯ぎしり、食いしばり、頭痛などの症状を改善する機能面の効果もあるため、幅広い年代に注目されています。副作用やリスク、デメリットがないわけではありませんが、信頼できる医師による丁寧なカウンセリングと適切な注入量の調整によって、そうした失敗の可能性は大きく下げられます。

特に咬筋へのエラボトックスと組み合わせることで、より自然で持続的な小顔効果が得られる点や、目元のたるみをケアしつつリフトアップが狙える点など、複数のメリットを併せ持つ点が魅力です。ただし効果が一時的であるため、再注入のタイミングや量を見極めることも大切です。

また、施術の目的が「美容」か「機能改善」かによって、選ぶべき施設(歯科か美容クリニック)や料金体系、保険適用の有無が異なる点にも注意が必要です。ブログや症例の事前確認を行い、経験豊富な医師のもとで安全に施術を受けることで、満足度の高い結果が期待できます。長期的な視点でのケア計画を立てることで、自然な印象を保ちながら自信の持てる顔立ちを目指しましょう。

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この記事の監修

小西 恒 医師
小西 恒

2008年に自治医科大学医学部を卒業。2010年に大阪府立急性期総合医療センター産婦人科に勤務後、2014年に大阪府障害者福祉事業団すくよかで医療部長を務めました。2015年から大阪府健康医療部で地域保健課主査を歴任し、2017年から愛賛会浜田病院産婦人科に勤務。2020年より某大手美容外科で働き、2021年には小倉院と心斎橋御堂筋院の院長を務めました。2023年からはルヴィクリニック院長に就任しています。
【資格・所属学会】
ボトックスビスタ® 認定医、 ジュビダームビスタ® 認定医、 ジュビダームビスタ® バイクロス 認定医、 日本美容外科学会(JSAS) 正会員、 日本産科婦人科学会 会員、 日本産科婦人科学会 専門医、 日本医師会認定産業医、 母体保護法指定医

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