ボトックス失敗例|後悔しないために知っておきたい注射の知識

2025.12.15
美容コラム

ボトックスで起こりやすい失敗例とは?

ボトックス注射はシワやエラ、口角、眉間などに効果を発揮する人気の美容施術ですが、注入量や部位のバランスを誤ると「笑えない」「顔が不自然」「目が重い」といった失敗が起こることもあります。ボツリヌス毒素が神経伝達物質アセチルコリンを遮断して筋肉の動きを抑える仕組みのため、注入が強すぎると筋肉の動きが制限されすぎてしまいます。特におでこや眉、まぶた、口周りなどの表情筋は繊細で、わずかな調整ミスでも違和感が出やすい箇所です。自然な笑顔や表情を保つには、経験豊富な医師が顔全体の筋肉構造を理解した上でデザインを行うことが重要です。適切な技術で施術を行っても、変化を実感されるかどうかには個人差があります。

笑顔が不自然になる・表情が固まるケース

ボトックスで最も多い失敗が「笑顔が不自然になる」ケースです。これは表情筋の動きを抑えすぎた結果、笑ったときに頬や口角がうまく上がらなくなることによって起こります。特に口周りや頬への注入量が多すぎた場合に発生しやすく、「笑えない」「顔がこわばる」と感じる人も。注射後にマッサージをしたら、薬剤が拡散して左右差が出ることもあるため注意が必要です。自然な表情を維持するには、筋肉の動きを完全に止めるのではなく“弱める程度”にとどめることがポイント。おでこ・眉間・目尻・口角など部位ごとに繊細な調整を行う医師を選ぶことで、笑顔の違和感を防ぐことができます。

まぶたが下がる・目が重くなる「眼瞼下垂」

おでこや眉間のボトックス注射後に「まぶたが下がる」「目が重く開けづらい」と感じる失敗は、いわゆる眼瞼下垂(がんけんかすい)です。これはボツリヌス毒素が上まぶたを引き上げる筋肉(上眼瞼挙筋)に影響した場合に起こります。アセチルコリンの伝達を抑える作用が広がりすぎた結果、まぶたを持ち上げる力が一時的に低下するのです。特に眉下やおでこ周辺の注射を深く打ちすぎた場合に発生しやすく、回復には2〜3ヶ月ほどかかることがあります。失敗を防ぐには、解剖学的構造を理解し、筋肉層を正確に見極めた注入が重要。まぶたや目の周りにボトックスを打つ場合は、経験豊富な医師に依頼するのが鉄則です。

口角が下がる・笑ったときに違和感が出る

口周りへのボトックス注射で起こりやすいのが「口角が下がる」「笑顔が不自然に見える」といったトラブルです。ボトックスが口角挙筋に過剰に作用すると、口を動かしたときにうまく上がらず、左右差が出ることもあります。唇や人中、ガミースマイル(歯ぐきが見える笑顔)を改善するための注射でも、浅い層に広がったら不自然な動きが出やすいです。口元は会話や食事など日常的に動かす部位のため、違和感が目立ちやすいのが特徴。注射後はマッサージを避け、経過を見守ることが大切です。2〜3ヶ月で自然に回復しますが、改善を早めたい場合はリバース治療で調整可能です。

ボトックスで「顔が変わった」と感じる原因

ボトックス注射後に「顔が変わった」「整形したみたい」と感じる人もいます。これは決して珍しいことではなく、筋肉のバランスが変化した結果、顔全体の印象が変わるためです。特にエラボトックスで顎のラインが細くなった場合、頬がこけて見えることがあります。また、目や口の動きが弱まると、笑顔の印象が変化することもあります。正しく打てば美しい小顔やリフト効果が得られますが、注射位置を誤ると不自然に見えるリスクも。施術後に顔をマッサージしたら、薬剤が広がって左右差が出る場合もあるため注意が必要です。

エラボトックス後の顔のバランス変化

エラボトックスは、食いしばりや顎関節症の改善、小顔効果を目的に人気の高い施術ですが、量を誤ると「顔がこけた」「頬が下がった」と見えることがあります。エラの筋肉(咬筋)は顔のバランスに大きく関与するため、急に弱まりすぎると下顔面のボリュームが減少します。注射を少量から始め、段階的に調整すると自然な変化が得られます。施術後のマッサージやサウナは避け、左右差を防ぐことがポイントです。エラ注射を打ったら、2〜3ヶ月後に経過を確認し、必要なら微調整を行いましょう。

目や口元に起こる微妙な違和感

目尻や目の下、口角まわりへのボトックス注射後に「表情が硬い」「笑顔がぎこちない」と感じることがあります。これは筋肉のバランスが崩れ、目の周りや口元が動きにくくなったためです。特に眉間やおでこのシワ治療で筋肉を止めすぎたら、目の下が不自然に見えることがあります。自然な仕上がりを目指すなら、目尻や口の動きを完全に止めないよう注入デザインを工夫することが大切です。時間が経てば改善しますが、1〜2ヶ月は経過を観察しましょう。

施術後のマッサージ・スキンケアの影響

ボトックス注射の直後にマッサージをしたら、薬剤が広がって思わぬ箇所に作用する可能性があります。特に顔全体や頬・おでこ・眉周りを強くこすると、左右差やまぶたの重さなどのトラブルにつながることも。施術当日は洗顔を軽く済ませ、サウナや入浴も避けましょう。ふくらはぎや肩への注射でも同様で、施術後の強い圧迫はNGです。ボトックスは注射部位に留まることで効果を発揮するため、正しいアフターケアが仕上がりを左右します。

失敗しないために知っておきたい正しい知識

ボトックス注射を失敗しないためには、「顔全体の筋肉の構造を理解して施術する医師」を選ぶことが何より重要です。ボツリヌス毒素はアセチルコリンの伝達を抑えて筋肉の動きを止めるため、注入量・深さ・位置のどれかを誤ると笑顔や目の開き方、口角の動きが不自然になります。たとえばおでこや眉間、目尻のシワを改善したい場合、まぶたや眉下の筋肉を意識してバランスよく注射する必要があります。エラや顎、頬、口周りなども同様で、顔の表情筋はすべて連動して動くため、部分的に止めすぎると「整形したような違和感」が出てしまいます。また、施術後にマッサージやサウナをしたら、薬剤が拡散して左右差や下がりが出ることもあります。注射直後の1週間は顔を強く触らないことが失敗を防ぐ第一歩です。

「打ちすぎ」や「浅すぎ」に注意する理由

ボトックスで最も起こりやすいミスが「打ちすぎ」と「浅すぎ」です。打ちすぎると筋肉の動きが止まりすぎて笑顔が固くなり、浅すぎると効果が出ずにシワやエラの張りが改善されません。特に眉間やおでこ、目尻、口角などは表情筋が細かく、少しの量でも結果が大きく変わります。注射を浅く打った場合、皮膚表面にボツリヌス毒素が残り、腫れや凸凹が出ることもあるため、深さの調整が極めて重要です。逆に深く打ちすぎると、まぶたが下がったり口角が動かしにくくなるなどの失敗例につながります。これを防ぐには、注射部位ごとに筋肉の厚さを把握し、均一な圧で正確に注入する医師の技術が欠かせません。「打てば打つほど効く」とは限らず、適量を守ることが自然な仕上がりを保つ鍵です。

顔の筋肉構造を理解した医師を選ぶ

ボトックス注射は「どこにどのくらい打つか」で結果が決まる施術です。顔には数十種類もの表情筋があり、まぶた・眉・口角・頬・顎などが複雑に連動しています。この構造を理解していない医師が注射すると、眉毛が不自然に上がったり、笑ったときに口がゆがむ、頬が引きつるといった失敗が起こります。特にエラや人中、唇周辺、ガミースマイルの治療などは、わずかなズレで顔全体の印象が変わるため注意が必要です。カウンセリングでは、筋肉の動きや左右差、表情のクセをしっかり観察してくれる医師を選びましょう。症例写真を確認し、打つ前に「どの筋肉をどの程度弱めるのか」を説明してくれるクリニックは信頼できます。顔の構造理解こそが、自然な美しさを保ちながら失敗を防ぐ最大の要素です。

修正したいときにできること

もしボトックスでまぶたが下がった、口角が動かない、笑顔が不自然になったなどの失敗をしてしまったら、まず慌てず経過を見守ることが大切です。ボツリヌス毒素の効果は一時的で、通常3〜4ヶ月で自然に消失します。早く改善したい場合は「ボトックスリバース」と呼ばれる分解注射で回復を早める方法もありますが、必ず専門医の判断が必要です。また、マッサージやサウナで回復を促そうとするのは逆効果です。熱や圧で薬剤が拡散し、左右差や別の筋肉に影響を与えることがあります。修正目的で再注入を行う場合は、したら1ヶ月以上空けることが望ましいです。効果が切れた後に、顔全体の筋肉バランスを見ながら再施術することで、自然な表情を取り戻すことができます。

ボトックスについてよくある質問

ここでは、実際に多く寄せられる「ボトックス注射の失敗・改善・再施術」に関する質問をまとめます。特に顔や笑顔に違和感が出たときの対応、眉毛や口角の動きが変わった場合、症例写真と仕上がりが違った際の考え方などを整理します。ボトックスは整形のように永続的な変化をもたらすものではなく、時間の経過とともに必ず元に戻る施術です。そのため、失敗例があっても過度に心配する必要はありません。正しい知識を持ち、経験豊富な医師と相談すれば改善できます。ここからは代表的な3つの質問に分けて詳しく解説します。

ボトックス注射で失敗したら?

ボトックス注射を受けたあと、「笑顔が不自然になった」「顔が引きつった」と感じたら、まずは落ち着いて経過を見ましょう。多くの場合、効果は時間とともに薄れて改善します。ボツリヌス毒素は体内で分解され、約3〜4ヶ月で筋肉の動きが元に戻ります。したがって整形のように永久的な変化ではありません。どうしても不快な場合は、分解効果のあるリバース注射で早期回復を促すことも可能です。注射後のマッサージやサウナなどを避け、顔を強く触らないことが回復を早めるポイントです。信頼できる医師に相談すれば、次回の注入量や部位を調整し、自然な笑顔を取り戻せます。

眉毛が不自然に引き上げられてしまったら?

眉のボトックスを打った後に「眉毛だけ上がって変な表情になる」と感じたら、筋肉バランスの崩れが原因です。特に眉間やおでこに注射をした場合、額の中央部分だけ筋肉が弱まり、外側が引きつるように上がる「スパック眉」と呼ばれる状態が起こることがあります。このような症状が出たら、無理にマッサージしたり顔を動かしすぎたりせず、医師に相談してください。少量のボトックスを調整注入することで、左右差や引き上がりを改善できます。時間が経てば必ず元に戻りますが、次回施術時には額全体の筋肉の動きを見ながらデザインすることが大切です。

症例写真と違った場合は?

「症例写真と違う仕上がりになった」と感じた場合、それは施術前の筋肉の使い方・骨格・皮膚の厚さの違いが大きく影響しています。同じ部位に注射しても、表情筋のクセや眉・口角の動かし方が異なれば仕上がりも変わります。ボトックスは整形手術ではなく、一人ひとりの表情筋の動きを調整する“ミリ単位の施術”です。症例写真はあくまで参考であり、自分の顔に最適化された注入デザインを行うことが成功の鍵です。もし違和感を感じたら、したら1〜2週間後にクリニックで経過を診てもらいましょう。時間の経過とともに馴染むことが多く、修正も可能です。

まとめ

ボトックス注射は、おでこや眉間、目尻のシワ改善からエラの張り、小顔効果、ガミースマイルや口角の下がり防止、まぶたのたるみ軽減など、顔全体に幅広い効果をもたらす一方で、打ち方を誤ると笑顔が不自然になったり、目が重く感じる、口が動かしづらいなどの失敗例が起こることもあります。これは、ボツリヌス毒素が筋肉の神経伝達物質アセチルコリンをブロックする作用を持つため、注入量や深さを誤ると必要以上に筋肉の動きが制限されるからです。たとえば、おでこや眉間のシワ治療ではまぶたが下がることがあり、エラや顎の注射では顔がこけたように見えることもあります。

失敗を防ぐには、まず「どの筋肉をどの程度抑えるか」を理解した医師を選ぶことが大切です。安さだけでクリニックを選ぶと、整形のように不自然な仕上がりになるリスクが高まります。また、施術後にマッサージやサウナに入ったら、薬剤が拡散して左右差が出ることがあるため、注射当日は顔を強く触らない・熱を加えないようにしましょう。もし笑えない、口角が下がった、眉毛の位置が変わったなどの違和感を感じた場合も、多くは一時的なもので、3〜4ヶ月で自然に改善します。したらすぐに医師に相談し、経過を確認してもらうことが安心です。ボトックス注射を後悔しないためには、「しないために知る」ことが何より重要。経験豊富な医師と十分なカウンセリングを行い、自然な表情を維持しながら美しさを引き出すことが成功への近道です。

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この記事の監修

小西 恒 医師
小西 恒

2008年に自治医科大学医学部を卒業。2010年に大阪府立急性期総合医療センター産婦人科に勤務後、2014年に大阪府障害者福祉事業団すくよかで医療部長を務めました。2015年から大阪府健康医療部で地域保健課主査を歴任し、2017年から愛賛会浜田病院産婦人科に勤務。2020年より某大手美容外科で働き、2021年には小倉院と心斎橋御堂筋院の院長を務めました。2023年からはルヴィクリニック院長に就任しています。
【資格・所属学会】
ボトックスビスタ® 認定医、 ジュビダームビスタ® 認定医、 ジュビダームビスタ® バイクロス 認定医、 日本美容外科学会(JSAS) 正会員、 日本産科婦人科学会 会員、 日本産科婦人科学会 専門医、 日本医師会認定産業医、 母体保護法指定医

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