ボトックスの効果はいつから?持続期間や部位別の違い、副作用まで解説

2025.11.6
美容コラム

【部位別】ボトックス注射で得られる具体的な効果

ボトックス注射は、顔の様々な部位から体まで、幅広い悩みに対応できる施術です。

顔全体に細かく注射するマイクロボトックスという手法もありますが、部位ごとに比較するとそれぞれ特有の効果が得られます。

例えば、首の広頚筋に打つことでネックラインをすっきりさせたり、頬に注射してリフトアップを図ったりすることも可能です。

また、肩の筋肉に作用させて肩こりを和らげる、ふくらはぎの筋肉を縮小させて美脚を目指す、脇や手に注射して手汗などの多汗症を改善するなど、その適用範囲は多岐にわたります。

顎や鼻、上唇といった口周りの細かい調整にも用いられ、鎖骨周りのラインを美しく見せる目的で施術されることもあります。

表情じわの改善(おでこ・眉間・目尻)

ボトックス注射は、表情を作る際に動く筋肉の働きを抑制することで、深く刻まれる前の表情じわの改善に適しています。

特におでこにできる横じわや、眉間に寄る縦じわ、笑った時にできる目尻のしわに対して効果的です。

これらの部位は日常的に筋肉が動くため、しわが定着しやすい傾向にあります。

ボトックスをおでこに注射すると、前頭筋の動きが緩み、滑らかな額になります。

また、眉間に打つことで、無意識に顔をしかめてしまう癖が改善され、険しい印象を和らげることが可能です。

その他、目頭や鼻根にできるバニーラインと呼ばれるしわにも効果が期待でき、鼻筋をすっきりと見せることにもつながります。

エラの張りや食いしばりの緩和

エラの張りが気になる場合、その原因が骨格ではなく筋肉(咬筋)の発達にあるケースでは、ボトックス注射が有効です。

エラに注射することで咬筋の働きを弱め、筋肉のボリュームを減らしてフェイスラインをすっきりと見せる効果が期待できます。

この施術は、就寝中の歯ぎしりや日中の無意識な食いしばりの緩和にもつながります。

強い食いしばりは歯や顎への負担が大きく、顎関節症の一因となることもあるため、歯科で治療法として提案されることも少なくありません。

特に40代以降でエラの張りが目立ってきたと感じる人は、加齢によるたるみだけでなく、長年の食いしばりによる筋肉の発達も考えられます。

ガミースマイルや口元のしわを改善

ボトックスは、口元の様々な悩みを改善する効果も期待できます。

笑った時に歯茎が大きく見えるガミースマイルは、上唇を引き上げる筋肉が強いことが原因の一つです。

この筋肉に注射することで、唇が上がりすぎるのを抑え、上品な笑顔を作ることが可能です。

また、顎に力を入れた時にできる「梅干しジワ」は、オトガイ筋という筋肉の緊張によって生じます。

顎にボトックスを注射すると、このオトガイ筋が緩み、滑らかなあごのラインが形成されます。

その他、口角を下に引く筋肉の働きを弱めて口角を自然に引き上げたり、人中を短く見せたりする目的でも使用されることがあります。

肩こりの解消や美しい肩のライン形成

肩の上部にある大きな筋肉、僧帽筋が発達していると、首が短く見えたり、肩のラインがいかつく見えたりすることがあります。

また、この僧帽筋の過度な緊張は、慢性的な肩こりの原因にもなります。

肩の僧帽筋にボトックスを注射すると、筋肉の緊張が和らぎ、肩こりの症状が緩和されます。

同時に、発達した筋肉のボリュームが減ることで、首から肩にかけてのラインが滑らかになり、首を長く、デコルテを美しく見せる美容的な効果も期待できるのです。

ウエディングドレスなどを着る予定がある場合にも選択されることが多い施術です。

ボトックス注射を受けるメリット

ボトックス注射の大きなメリットは、その手軽さにあります。

メスを使わない注射による施術のため、体への負担が少なく、短時間で完了します。

また、1回の施術でも効果を実感しやすい点も魅力の一つです。

効果は永続的ではないものの、それがかえって「元に戻せる」という安心感につながることもあり、初めて美容医療を受ける人にとっても心理的なハードルが低い施術と言えるでしょう。

ダウンタイムがほとんどなく手軽に受けられる

ボトックス注射は、メスを使用する外科手術とは異なり、注射のみで完了する施術です。

そのため、施術後のダウンタイムがほとんどないのが大きな特長です。

施術直後に軽い赤みや注射痕が見られることがありますが、数時間から数日で自然に消えることがほとんどです。

大きな腫れやむくみが出ることはまれで、多くの場合、施術当日からメイクをして帰宅できます。

仕事や日常生活への影響が非常に少ないため、忙しい人でもスケジュールを調整しやすく、手軽に受けられる美容施術として人気があります。

施術時間が短く体への負担が少ない

ボトックス注射の施術時間は非常に短いことが特長で、注射する部位や本数にもよりますが、通常は5分から15分程度で終了します。

カウンセリングや冷却などの時間を含めても、クリニック滞在時間は比較的短く済みます。

注射による施術であるため、切開を伴う手術に比べて体への物理的な負担が格段に少ないです。

麻酔も、痛みが心配な場合は表面麻酔のクリームを使用することがほとんどで、大掛かりな麻酔は必要ありません。

このように、心身ともに負担が少ない点は、美容医療が初めての人にとっても安心できる要素です。

効果が永続的ではないため修正が可能

ボトックスの効果は永久ではなく、数ヶ月で徐々に薄れて元の状態に戻るという特徴があります。

これは一見デメリットに思えるかもしれませんが、メリットとしても捉えることが可能です。

例えば、施術後の仕上がりがイメージと異なっていた場合でも、時間が経てば必ず元に戻るため、修正の心配が少ないです。

効果の出方をみながら、次回の施術で注入量や部位を調整することもできます。

このように、効果を弱めることやデザインの微調整が可能な点は、初めて施術を受ける際の心理的な安心感につながります。

ボトックス注射を受けるデメリット

ボトックス注射には手軽さというメリットがある一方で、デメリットも存在します。

効果が永続的ではないため、良い状態を維持するには定期的な施術が必要になり、その都度費用がかかります。

また、誰でも受けられるわけではなく、妊娠中や授乳中の方など、施術が難しいケースもあります。

これらのデメリットを理解した上で、施術を受けるかどうかを慎重に判断することが求められます。

効果を維持するには定期的な施術が必要

ボトックス注射の効果は一時的なものであるため、しわのない状態や小顔効果を維持するためには、定期的に施術を繰り返す必要があります。

一般的に効果は3ヶ月から半年ほどで薄れてくるため、効果が切れるタイミングに合わせて次の施術を受けることが推奨されます。

継続的な施術には当然ながら費用がかかり、使用する薬剤の量(単位)やクリニックによって価格も異なります。

長期的な視点で見ると、トータルの費用が高額になる可能性も考慮しておかなければなりません。

自分の予算と相談しながら、無理のない範囲で治療計画を立てることが重要です。

妊娠中や授乳中には施術を受けられない

ボトックス注射は妊娠中や授乳中の女性は受けることができません。

これはボトックス製剤が胎児や乳児に与える影響について安全性が確立されていないためです。

現時点で母体から胎児へあるいは母乳を介して乳児へ薬剤が移行し悪影響を及ぼしたという明確な報告はありません。

しかしリスクを完全に否定することもできないため安全を最優先に考えて施術は禁忌とされています。

妊活中の人も施術を受けるタイミングについては慎重に判断する必要があり事前に医師と十分に相談することが不可欠です。

術後の一定期間は避妊が必要になる

ボトックス注射を受けた後は、一定期間の避妊が必要とされています。

これは、ボツリヌス毒素が胎児に与える影響の可能性が完全には否定できないためです。

安全性が確立されていない以上、リスクを避けるのが原則です。

避妊が必要な期間は、女性の場合は最終投与後2回の月経を経て、男性の場合は最終投与後少なくとも3ヶ月間とされています。

この避妊の必要性は女性だけでなく男性も対象となるため、パートナーにも理解を求め、協力して期間を守ることが求められます。

知っておきたいボトックス注射の副作用とリスク

ボトックス注射は比較的安全性の高い施術とされていますが、医療行為である以上、副作用やリスクが全くないわけではありません。

注射に伴う一般的な症状のほか、薬剤の作用による特有のリスクも存在します。

例えば、顔に注射した際に薬剤が効きすぎると、表情に違和感が出たり、一時的に麻痺したような感覚になったりすることがあります。

強い効果を望むあまり、過剰な量を注入するとリスクが高まるため、適切な診断と施術が不可欠です。

注射針による痛みや内出血・腫れ

ボトックス注射は、極細の針を使用するため、痛みは比較的少ないとされていますが、チクッとした痛みを感じることはあります。

痛みの感じ方には個人差があり、心配な場合は表面麻酔クリームなどを使用することで緩和が可能です。

また、注射針が皮膚の毛細血管にあたると、内出血が起こることがあります。

内出血は通常1〜2週間ほどで自然に吸収され、黄色っぽく変化しながら消えていきます。

施術直後に軽い赤みや腫れが出ることもありますが、こちらも数時間から数日で治まることがほとんどです。

これらの症状は一時的なもので、メイクでカバーできる程度の場合が多いです。

表情がこわばり不自然になる可能性

ボトックスは筋肉の動きを弱める作用があるため、薬剤の注入量や注入箇所が適切でない場合、表情が硬く、こわばった印象になるリスクがあります。

例えば、おでこに効きすぎると眉が上がりにくくなり、まぶたが重く感じる「眼瞼下垂」のような症状が出たり、口角に作用しすぎると笑顔がひきつって見えたりすることがあります。

このような不自然な表情は、経験豊富な医師による適切なアセスメントと繊細な注入技術によって避けることが可能です。

万が一不自然な状態になっても、効果は永続的ではないため、時間経過とともに必ず元の状態に戻ります。

ボトックスの効果を長持ちさせるためのポイント

ボトックス注射の効果を最大限に引き出し、できるだけ長持ちさせるためには、施術後の過ごし方が重要になります。

ボトックスの成分は熱に弱い性質があるため、体温が過度に上昇するような行動は避けるべきです。

また、注入した薬剤が意図しない範囲に広がってしまうのを防ぐための注意点もあります。

信頼できるクリニックを選び、正しいアフターケアを実践することで、より満足度の高い結果を得ることが期待できます。

施術当日は激しい運動や飲酒を避ける

ボトックス注射を受けた当日は、血行を促進する行為を避けることが推奨されます。

激しい運動やサウナ、長時間の入浴、飲酒は体温を上昇させ、血流を良くします。

血行が促進されると、注入したボトックス製剤が周辺の筋肉へ意図せず拡散してしまい、効果が弱まったり、予期せぬ部位に作用したりする可能性があります。

施術当日の入浴は、長湯を避け、シャワー程度で済ませるのが無難です。

湯船に浸かるのは翌日以降にするなど、医師の指示に従い、安静に過ごすことが効果を安定させる上で重要です。

注射した部位を強くマッサージしない

施術後、注射した部位が気になって触りたくなるかもしれませんが、強くこすったり、マッサージしたりするのは避ける必要があります。

注入されたボトックス製剤は、目的の筋肉に正確に作用することで効果を発揮します。

しかし、外部から強い圧力が加わると、薬剤が周辺の意図しない筋肉にまで拡散してしまう恐れがあるのです。

これにより、効果が不十分になったり、表情の不自然さといった望まない結果につながったりする可能性があります。

洗顔やスキンケアの際も、施術部位は優しく触れるように心がけ、少なくとも1週間程度はフェイシャルマッサージなどを控えることが賢明です。

信頼できるクリニックで定期的に施術を受ける

ボトックスの効果を適切に維持し、安全に施術を続けるためには、信頼できるクリニック選びが非常に重要です。

医師が一人ひとりの筋肉のつき方や表情の癖を正確に見極め、最適な薬剤の種類と注入量を判断してくれるクリニックを選びましょう。

ボトックス製剤には、厚生労働省承認のアラガン社製のものや、比較的安価な韓国製など様々な種類があります。

それぞれの薬剤の特性を理解し、適切なものを提案してくれるかどうかもポイントです。

また、痛みを緩和するための麻酔クリームの塗布など、患者への配慮があるかも確認すると良いでしょう。

定期的に通うことを考慮し、安心して任せられる医師を見つけることが大切です。

ボトックスの効果に関するよくある質問

ボトックス注射を検討するにあたり、効果に関する様々な疑問や不安が浮かぶことでしょう。

例えば、「施術をやめたらどうなるのか」「効果が強すぎた場合の対処法はあるのか」といった点は、多くの人が気になるところです。

ここでは、ボトックスの効果に関して頻繁に寄せられる質問とその回答をまとめました。

施術を受ける前の最終確認として、ぜひ参考にしてください。

ボトックス注射をやめたら、しわはひどくなりますか?

ボトックス注射をやめたからといって、施術前よりも急にしわがひどくなることはありません。

効果が切れると、抑制されていた筋肉が再び動くようになり、時間をかけて元の状態に戻っていくだけです。

むしろ、ボトックスが効いている間は、しわの原因となる表情の癖が緩和されているため、何もしなかった場合と比較して、しわの進行を遅らせる効果が期待できます。

つまり、将来のしわ予防としての一面もあるのです。

やめてもマイナスになることはなく、あくまで元の状態に戻るだけと理解しておくと良いでしょう。

効果が強すぎると感じた場合、元に戻せますか?

ボトックス注射の効果が強く出すぎて、表情が不自然になったり、まぶたが重く感じたりした場合でも、残念ながらヒアルロン酸のように薬剤を溶かしてすぐに元に戻す方法はありません。

しかし、ボトックスの効果は永続的ではないため、時間の経過とともに必ず効果は薄れ、数ヶ月で元の状態に戻ります。

効果が弱まるのを待つのが基本的な対処法となります。

血行を促進すると薬剤の分解が早まる可能性があるため、ホットタオルで温めるなどのケアを勧めるクリニックもありますが、まずは施術を受けた医師に相談することが重要です。

まとめ

ボトックス注射は、表情じわの改善や小顔効果、多汗症治療など幅広い美容効果が期待できる施術です。

効果は通常、施術後数日から2週間で現れ、3ヶ月から半年ほど持続します。

ダウンタイムがほとんどなく手軽に受けられる一方、効果の維持には定期的な施術が必要です。

また、表情のこわばりや内出血などの副作用リスクも存在するため、施術を受ける際はメリットとデメリットを十分に理解し、信頼できる医療機関で相談することが重要です。

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この記事の監修

小西 恒 医師
小西 恒

2008年に自治医科大学医学部を卒業。2010年に大阪府立急性期総合医療センター産婦人科に勤務後、2014年に大阪府障害者福祉事業団すくよかで医療部長を務めました。2015年から大阪府健康医療部で地域保健課主査を歴任し、2017年から愛賛会浜田病院産婦人科に勤務。2020年より某大手美容外科で働き、2021年には小倉院と心斎橋御堂筋院の院長を務めました。2023年からはルヴィクリニック院長に就任しています。
【資格・所属学会】
ボトックスビスタ® 認定医、 ジュビダームビスタ® 認定医、 ジュビダームビスタ® バイクロス 認定医、 日本美容外科学会(JSAS) 正会員、 日本産科婦人科学会 会員、 日本産科婦人科学会 専門医、 日本医師会認定産業医、 母体保護法指定医

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