マッサージピールとは?普通のピーリングとの違いについて|毛穴・しわなどに効果的

2023.3.1
美容コラム

マッサージピールはピーリングの一種で、さまざまな肌の悩みを改善する効果が期待できる治療法です。
しかし、ピーリングには種類があり、どう違うのかわからないですよね。
ピーリングを受けても、期待する効果がなければ損をしてしまうことに。
そこで今回は、マッサージピールについてお話しします。
マッサージピールの基本的なことから、ほかのピーリングとの違いについても詳しく解説。
ピーリングで美肌になりたい方は、読んでみてくださいね。

マッサージピールの基本

基本 特徴

マッサージピールは、クリニックで行うピーリング治療の中でも、人気が高い治療法です。
薬剤をマッサージしながら肌になじませ洗い流すだけなので、手術時間が短く痛みも少ないのが特徴。
さらには、メスやニードルなどを使用せず肌に傷をつけないので、ダウンタイムがほぼありません。
マッサージピールの特徴や効果など、基本的なことを見ていきましょう。

マッサージピールのしくみ

マッサージピールは、コラーゲンの生成を促して肌を生まれ変わらせ、肌トラブルを改善する治療法です。
使用する薬剤「PRX-T33」には、真皮層にある繊維芽細胞を活性化させる作用があります。
活性化した線維芽細胞は、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などの肌細胞を生成。
代謝によって古い肌細胞が新しいものに変わるので、肌が生まれ変わります。
コラーゲンの生成を促すので、コラーゲンピールとも呼ばれています。

マッサージピールの効果

  • 美肌効果
  • ニキビ跡やクレーター(顔の凹凸)の改善
  • 妊娠線や肉割れの改善
  • たるみ改善
  • 小じわの改善
  • 毛穴の引き締め効果
  • しみやそばかす、肝斑の改善

マッサージピールは、さまざまな効果が期待できる治療法です。
コラーゲンは真皮層の約70%を占めるタンパク質。
コラーゲンが弱ったり傷ついたりすると、たるみやニキビ跡などの肌トラブルが表れます。
マッサージピールで肌が生まれ変わるので、肌の悩みが改善されます。

コラーゲン生成によるさまざまな効果

マッサージピールの基本的な効果として、美肌効果があります。
ニキビ跡やクレーターと呼ばれる肌の凹凸、妊娠線や肉割れは、コラーゲンの減少や損傷が原因。
マッサージピールによりコラーゲンが生成され、さらに、傷ついたコラーゲンが新しくなります。
結果、ニキビ跡や肌の凹凸、妊娠線や肉割れなどが目立たなくなるのです。

ハリや弾力の改善によるさまざまな効果

マッサージピールは、たるみ改善などの効果が期待できます。
真皮層にあるコラーゲンには土台のような役割があり、劣化したり生成が衰えたりすると、
肌の弾力が失われ上層の皮膚を支えきれません。
結果、肌がたるんでしまうことに。
マッサージピールにより生成されたコラーゲンが、劣化したコラーゲンと変わるので、肌のハリや弾力が改善します。

また、小じわの改善や毛穴の引き締めをしたい方にも、マッサージピールは有効です。
小じわや毛穴の開きの原因は、たるみ同様ハリや弾力の衰えによるもの。
衰えにより毛穴が伸びて開いたり、もともとあるしわや肌のキメが目立ったりして起こります。
肌のハリや弾力が改善するので、毛穴が引き締まり、しわやキメが目立たなくなります。

そのほかの効果

マッサージピールで使用する薬剤には、しみやそばかす、肝斑などの改善効果も期待ができます。
PRX-T33の主成分の一つは、メラニンの生成を抑える作用があるコウジ酸。
シミは、メラニンの過剰生成やターンオーバーの乱れが原因です。
コウジ酸でメラニンの生成を抑えるので、シミやそばかすが徐々に改善されます。

マッサージピールのおすすめの治療間隔と回数

マッサージピールの治療法は、繰り返して行うと、より効果を実感できます。
個人差によって違いますが、治療の頻度や回数はどれくらいなのか、参考にしてくださいね。

治療の間隔

マッサージピールの効果が出るまでの期間は、個人差があります。
コラーゲンを生成しても、代謝にかかる期間は年齢などによって違うからです。
ハリやツヤの改善効果は治療を行った当日から、肌の弾力やしわの改善は1週間後くらいから表れ、効果は1週間から3週間続きます。
そのため、治療の間隔は効果が弱まる2週間から3週間ごとのペースで行うのがおすすめです。

治療の回数

マッサージピールは、5回から6回行うのが良いとされています。
1回から2回程度では効果が出てもすぐに弱まり、肌が改善しきれません。
しかし、個人差にもよるため、クリニックで医師と相談しながら間隔や回数を決めてください。

マッサージピールの副作用

マッサージピールは、肌への刺激が少ないですが、副作用はあります。
短期間で終わる軽いものなので、安心してください。
しかし、個人差によって違いはあるので、副作用が気になる方や重いと感じる方は、医師に相談してくださいね。

【赤み】

マッサージピールの治療後に、赤みが出る方もいます。
個人差によって違いますが、期間は1日から1週間程度。
赤みが出た場合、刺激が強いアルコール成分入りのスキンケアやスクラブ剤などは、使用しないでください。

【皮むけ】

マッサージピールの治療後に皮がむけますが、問題はありません。
皮むけは肌の代謝によるもので、薬剤が作用しているということ。
無理にはがさずに、刺激が弱いスキンケアや日焼け止めで、保湿と紫外線対策をしてください。

マッサージピールの注意点

マッサージピールは、効果が期待できる分、注意点もあります。
症状を悪化させたり、重大な副作用を起こしたりしないためにも、心に止めておいてくださいね。

マッサージピールの治療を受けられない方

マッサージピールは痛みや副作用が少ない治療ですが、受けられない方もいます。

  • 薬剤にアレルギーがある方
  • 妊娠中・授乳中の方
  • 治療する部位が炎症を起こしている方
  • 脂漏性皮膚炎の方
  • 皮膚に疾患がある方
  • 重い敏感肌の方

ほかにも、体質に問題がある方や慢性的な病気がある方は、治療前に医師に相談してください。

マッサージピールの治療後について

マッサージピールの治療後は、肌が弱っている状態です。
刺激が強い成分が入っている薬剤やスキンケアは、使用しないでください。

  • アルコール
  • スクラブ
  • レチノイン酸
  • ディフェリンゲル
  • ベピオゲル
  • トレチノイン
  • ハイドロキノン

成分によって違いはありますが、前後2週間くらいは控えることをおすすめします。
また、カウンセリング時に、使用しているスキンケアなどを医師に伝えてください。

マッサージピールのセルフ治療について

マッサージピールを自分で行うのは、危険な行為です。
マッサージピールの薬剤PRX-T33は、個人輸入などで入手できます。
しかし、個人輸入は成分が違っていたり偽物だったりと、詐欺の可能性も。
また、作用が強い医薬品なので、使用の量や使用方法を間違えると、思わぬ副作用が表れます。
マッサージピールの薬剤を個人輸入して、自分で行ったりほかの方に行ったりするのは、絶対にやめましょう。

マッサージピールと通常のピーリングの違い

比較 違い

日本で行われているピーリング治療には、さまざまな種類があります。

  • マッサージピール(コラーゲンピーリング)
  • グリコール酸ピーリング
  • サリチル酸ピーリング
  • 乳酸ピーリング

中でもマッサージピールとほかのピーリングは、種類や作用する場所、肌の悩みの改善方法などが違います。
それぞれの違いを見ていきましょう。

グリコール酸ピーリング

  • ニキビやニキビ跡の改善
  • 肌の透明感のアップ

グリコール酸ピーリングは、古い角質を除去し、肌トラブルを改善する治療法です。
通常、古くなった角質は代謝によってはがれ落ちます。
しかし、乾燥などが原因で古くなった角質が残ったままになると、硬くなり肌表面にふたがされてしまうことに。
結果、角質で肌が暗く見え、皮脂やメラニンの排出がされずに、肌トラブルがおこります。
グリコール酸は角質が結びつく力を弱めるので、角質がはがれ落ち、徐々に肌トラブルも改善します。

サリチル酸ピーリング

  • ニキビやニキビ跡の改善
  • 毛穴の開きの改善
  • 黒ずみの改善

肌への刺激が心配な方や痛みに弱い方は、サリチル酸ピーリングが向いています。
サリチル酸ピーリングは、角質を取り除いて肌トラブルを改善する治療法で、肌への刺激が弱いのが特徴。
刺激が強く副作用が起こりやすいサリチル酸に、マクロゴールという基剤を合わせたので、肌表面の角質層だけに作用します。
肌へ浸透させないので刺激や副作用が少なく、肌トラブルを改善できます。

乳酸ピーリング(ラクトピーリング)

  • 美肌効果
  • しみの改善
  • 保湿効果

しみや肌の乾燥を治療するなら、乳酸ピーリングがおすすめです。
乳酸ピーリングは、動植物に存在する天然の乳酸を使用した治療法で、グリコール酸ピーリングの薬剤よりも粒子が粗く、肌への刺激がマイルド。
乳酸には、セラミドを増やす作用やメラニンの生成を抑える作用があります。
セラミドを増やすので肌の弾力が改善し、メラニンの生成を抑えるのでしみなどの改善に効果が期待できます。

【比較表】

グリコール酸
ピーリング
サリチル酸
ピーリング
乳酸
ピーリング
マッサージ
ピール
種類ケミカルピーリング浸透型
ピーリング
作用する
場所
浅い層
(表皮)
浅い層
(角質)
浅い層
(表皮)
中間層
(真皮層)
肌トラブルの
改善方法
原因を取り除く原因を取り除く
原因を正常化
原因を正常化
痛み他よりも強いほとんどなしマイルド

マッサージピールの効果がない原因

原因 理由

マッサージピールの治療を行っても、効果を感じない方もいます。
原因はさまざまですが、代表的なものを見ていきましょう。
心当たりがある方は、改善したら効果を実感できます。

治療間隔の長さや回数の少なさ

治療間隔が長かったり治療回数が少なかったりすると、効果を実感できない場合があります。
マッサージピールは1回でも効果が表れますが、続くのは1週間から3週間程度。
肌トラブルの度合いが強い方は、治療回数が少ないと、治療しきれません。
また、治療間隔が長く、治療しきらないうちに肌の状態が戻って、効果を実感できない場合も。
定期的に治療ができない方は、ほかの治療法と組み合わせると、効果を実感できます。

※ダーマペンとマッサージピールを組み合わせた「ヴェルベットスキン」という治療法があります。

薬剤が違う

効果を感じない原因に、エステサロンでの治療があります。
マッサージピールの薬剤PRX-T33は、病院やクリニックなどの医療機関でしか取り扱えません。
マッサージピールという名前でもエステサロンでは、使用されている薬剤が別のものです。
マッサージピールは、病院やクリニックなどの医療機関で行ってください。

エステで使用できるのは、美容機器や化粧品に限定されています。
病院やクリニックで使用されている医療機器や、麻酔を含めた医薬品を使用するのは法律違反です。

マッサージピールのよくある質問

Q&A 疑問と答え

マッサージピールの治療中や治療後に、痛みはありますか?

個人差によって違いますが、治療中にピリピリとした痛みを感じる方はいます。
マッサージピールは痛みが少なく短時間で終わりますが、気になる方は医師に相談してください。

マッサージピールの治療をやりすぎるとどうなりますか?

副作用が表れる可能性が高くなります。
自分にあった治療の頻度や回数は、個人差によって違うので、医師と相談してください。

マッサージピールの治療後、メイクはできますか?

メイクや洗顔は施術後からできます。
しかし、刺激の強い化粧品やメイク道具、薬剤などは使用しないでください。

※刺激が強いスキンケアや薬剤は、マッサージピールの注意点の項目に記載してあります。

マッサージピールでさまざまな肌の悩みを改善しよう

マッサージピールは、さまざまな肌トラブルを改善する効果が期待できる治療法です。
ほかのピーリングと違い肌の内側に作用するので、即効性があり高い効果が得られます。
マッサージピールの治療を受けて肌トラブルを改善し、悩みがない美しい肌を手に入れてくださいね。

この記事の監修

小西 恒 医師
小西 恒

2008年に自治医科大学医学部を卒業。2010年に大阪府立急性期総合医療センター産婦人科に勤務後、2014年に大阪府障害者福祉事業団すくよかで医療部長を務めました。2015年から大阪府健康医療部で地域保健課主査を歴任し、2017年から愛賛会浜田病院産婦人科に勤務。2020年より某大手美容外科で働き、2021年には小倉院と心斎橋御堂筋院の院長を務めました。2023年からはルヴィクリニック院長に就任しています。
【資格・所属学会】
ボトックスビスタ® 認定医、 ジュビダームビスタ® 認定医、 ジュビダームビスタ® バイクロス 認定医、 日本美容外科学会(JSAS) 正会員、 日本産科婦人科学会 会員、 日本産科婦人科学会 専門医、 日本医師会認定産業医、 母体保護法指定医

YouTubeリンク

お問い合わせ

050-3358-2363

電話受付時間/10:00~19:00
(休診日:不定休)