「額のシワが気になるけれど、ボトックスって効果あるの?」
「額のボトックス注射を打つと目が小さくなる恐れがあるって本当?」
年齢を重ねるにつれ、額の細かなシワが気になり始める方は増加傾向にあります。
ボトックス注射は、表情の動きによりできたシワやエラの張りなど、様々な悩みにアプローチが可能な施術方法です。
比較的気軽に受けられる美容医療ですが、初めて施術を受ける際には効果やリスクなど気になりますよね。
本記事では、額のボトックス注射に期待できる効果やリスク、注意事項など徹底解説していきます。
ボトックス注射の仕組み
ボトックス注射の仕組みは、ボツリヌストキシンを注入することで製剤に含まれる作用により、アセチルコリンの放出を抑制します。
末梢神経からアセチルコリンの放出が抑制されると、ボツリヌストキシンを注入した箇所の筋肉の動きや汗腺・皮脂腺の分泌が抑えられるなどのさまざまな効果が現れます。
美容施術では額や眉間などの表情ジワや、エラ張りの改善に用いられる場合が多い傾向です。
続いて、ボトックス注射に期待できる効果を4つ紹介していきます。
笑ったり怒ったりすることで額や眉間、目尻や口角などにできる表情ジワの改善は、ボトックス注射に期待される効果の中でも多く取り上げられています。
ボトックス注射を打つことで、筋肉の動きを緩めて表情筋が動きにくくなり表情ジワを改善していきます。
しかし、シワの中でも皮膚のたるみや乾燥が原因とされるシワの場合にはボトックス注射での改善が期待できないため注意しましょう。
もし自分のシワの原因がわからない場合には、一度美容クリニックでのカウンセリングにて相談してみてくださいね。
ボトックス注射の筋肉の緩める働きは、エラ張りの改善にも効果が期待できます。
エラが張ってしまう要因は、咬筋の発達といった筋肉の過度な緊張によるものです。
ボトックス注射を打つと、咬筋の筋肉が緩み歯ぎしりや食いしばりなどの無意識のうちに起きてしまう症状も抑えられます。
打つ場所や注入する量によって、うまく笑顔が作れなくなってしまったり顔の筋肉の違和感が続いてしまったりするため、医師選びは慎重に行うのがおすすめです。
また、エラ以外にも肩やふくらはぎの張りが気になる方もぜひチェックしてみてください。
ボトックス注射は知らない方も多いですが、ガミースマイルの改善にも、筋肉の発達が原因の場合には効果的です。
ガミースマイルとは、笑った際に上の歯茎が見えすぎてしまう様子を指します。
自分自身では何が原因でガミースマイルになってしまうか分からない場合も多いため、気になる場合は是非一度ご相談くださいね。
原因によってはボトックス注射で改善できない場合があるので注意が必要です。
ボトックス注射はエクリン汗腺から汗が吹き出るのを抑制できるため、多汗症やワキガの改善にも効果が期待できます。
注射を打つ深さが重要なポイントになるため、多汗症で悩んでいる方へのボトックス注射の経験が豊富な医師に相談するのがおすすめです。
ボトックス注射はダウンタイムは短く症状も軽いといわれていますが、他の美容施術同様にリスクや副作用の面も併せ持っています。
代表的なリスクや副作用の例について紹介します。
ボトックス注射は、施術名の通り注射針を刺す美容施術のため施術時に針を刺すことによる痛みを感じる恐れがあります。
また、針を刺したことによる痛みに限らず、ボツリヌストキシンの製剤が注入されたことにより皮膚が圧迫されて痛みを感じる場合もあります。
針を刺すことによる痛みが不安な場合には、表面麻酔の相談が可能なクリニックもあるので相談してみてください。
内出血が起きてしまった際には、血行を促進させるような行為は控えるようにしましょう。
例としては、激しい運動や長風呂・サウナ、過度な飲酒やマッサージなどが挙げられます。
特にマッサージは血行を促進させる以外にも、ボトックスが注入箇所から広がって効果が弱まる恐れも出てくるため注意が必要です。
基本的には痛みも内出血も1週間程度で治るとされています。
もしも痛みや内出血が引かない場合には、すぐ医師に相談するようにしましょう。
ボトックス注射は、注入する位置と量を誤ってしまった場合に不自然な表情になる恐れがあります。
不要な箇所の筋肉までにボトックスの効果が現れてしまうことのないように、クリニック選びはしっかりと行いましょう。
ボトックス注射により、確率はかなり低いですがアレルギー反応が起こり、赤みや腫れが起こる恐れもあります。
一般的には時間の経過とともに赤みや腫れは引きますが、もし症状が引かない場合には医師に相談するようにしましょう。
ボトックス注射を額に打った場合に、額には目を開く筋肉が存在するため影響が出てしまい、目が小さくなる恐れがあるといわれています。
目が小さくなる原因と、防ぐ方法をそれぞれ2つずつ紹介します。
もともとまぶたを持ち上げる力が弱い方、眼瞼下垂の症状がある方は眉を上げる癖がついてしまっている可能性があります。
こういった症状を抱えている方がボトックス注射を額に打つと、眉を引き上げていた筋肉が弱まり目を開けにくくなる恐れが出てきます。
実際に目が小さくなったわけではなく、目にまぶたが被さったり眉が上がらなかったりすることで目が小さく見えてしまうのです。
額のボトックスの注入量が多かったり、打つ箇所を誤っていた場合には、眉が上げられなくなり目が開きにくくなり目が小さく見える場合があります。
特に注入した量が多く、ボトックスの効果が効きすぎてしまっている場合になる恐れが高いです。
必ずカウンセリング時に医師に相談して注入量を決めましょう。
不安な方は、ボトックスの注入量を少ない値から始めてみるのがおすすめです。
もともと眼瞼下垂の症状がある方やまぶたのたるみが目立つ方は、先に抱えている疾患の治療を行うのがおすすめです。
疾患の状態によっては、額のボトックス注射の施術を受けられない場合もあるので、まずはボトックス注射を受ける適応があるかどうかを医師に相談してみてくださいね。
額のボトックス注射を受ける際には、特に初めて施術を受ける方はよく医師に相談して注入量を決めるようにしましょう。
特に心配な方は、ボトックスの注入量は最小限のところから施術を始めて徐々に調整していくのがおすすめです。
注入量が少ない分、額の表情ジワの戻りは早いですが、目の開きが悪くなり見た目の印象を大きく変えてしまうといった不安は軽減されます。
また、まぶたの開きは左右対称とは限りません。
医師に左右の目のバランスを見てもらいながら、注入量を相談してみてくださいね。
ボトックス注射には、打つのに推奨される頻度があります。
施術を受ける際に気をつけて欲しいポイントと併せて解説します。
額にボトックス注射を打つ頻度は、半年に1回程度がおすすめです。
ボトックス注射は、効果が半永久的なものではないため定期的に打ちに行くことでその効果を長期にわたって感じられるようになります。
しかし、高頻度で注入すると抗体ができてしまい効き目が逆に弱ってしまう恐れがあるので、施術の頻度は必ず医師との相談のもとで決めるようにしましょう。
打つのを完全にやめてしまうと、施術前に戻ってしまうため施術後の額の状態を維持したい場合には継続的な施術が必要です。
また、ボトックス注射は継続して受けることにより徐々に持続期間が長くなるともいわれています。
施術を受けている方の中には打つのをやめたことで額の症状が悪化したと感じる方もいますが、施術前よりも症状が悪化することはないとされています。
ボトックス注射は美容医療の中でも気軽に受けられる施術ですが、妊娠中の方や授乳中の方は受けられないため注意してください。
妊婦の方だけでなく、男性も最後にボトックスを注入してから最低でも3ヶ月間は妊娠しないように避妊をしっかり行いましょう。
また、額のボトックス注射は目が小さくなる恐れがあるともお伝えしました。
そのため、まぶたのたるみが強い方や眼瞼下垂の方はボトックス注射の前にまぶたの治療を検討してみるのもおすすめです。
ボトックス注射の副作用やリスクを少しでも抑えるために、クリニック選びは非常に重要なポイントです。
特に、額へのボトックス注射は難易度が高いといわれているためよく調べてからお願いするようにしましょう。
チェックするべきポイントは、「実績がきちんとあるか」「料金が明確に提示されているか」「丁寧なカウンセリングか」の3点が挙げられます。
1つ目は、「実績がきちんとあるか」という点です。
額のボトックス注射は、医師によって仕上がりが大きく異なります。
クリニックのホームページや症例写真が投稿されているアプリなどを確認し、自分の理想イメージに近い症例写真があるかどうかや実績が豊富かをみてみましょう。
2つ目は、「料金が明確に提示されているか」という点です。
ボトックス注射の製剤は複数ありますが、極端に安いところや高いところはトラブルを引き起こす恐れもあるため注意しましょう。
カウンセリングを受けてみたらホームページに掲載されている金額と違った、ということもあり得るので必ず最終的な金額を確認してくださいね。
3つ目は、「丁寧なカウンセリングか」という点です。
額へのボトックス注射は、患者一人一人によって注入量も位置も異なるため親身になって話を聞いてくれ、自分にあった施術内容を提案してくれるか確認しましょう。
良い点だけでなく、悪い点もきちんと説明してくれるかもクリニックを判断する材料の一つになります。
また、自分自身にあった注入量や位置を見つけるためにもできるだけ同じ医師に施術を担当してもらい、微調整していくのがおすすめです。
複数のクリニックでカウンセリングを行い、比較してみても良いですね。
ボトックス注射は、表情ジワやエラ張りに悩んでいる方に効果が期待できる施術方法です。
特にどんな人におすすめしたいかを紹介します。
額の表情ジワは、歳を重ねるごとに気になる方も増加傾向にあります。
若いうちは気にならなくても、歳を重ねるごとに深く刻まれたシワの後は元に戻らなくなっていきます。
定期的な施術は必要ですが、悩んでいる方はまずカウンセリングで自分のシワの状態を確認してみてくださいね。
ボトックス注射はダウンタイム期間がほとんどなく、あったとしてもメイクで隠せる程度であったり、1週間程度経てば自然に治ったりする場合がほとんどです。
休みが取れないけど、表情ジワやエラの張りを改善したい方はぜひ検討してみてくださいね。
ボトックス注射は、表情ジワやエラ張りに悩みを抱えている方にとって手軽に受けられる美容施術の一つです。
額へのボトックス注射はボトックス注射の中でも難易度が高いといわれており、注入量や箇所によって効果が大きく異なる可能性や、目が小さくみえるリスクが生じる恐れがあります。
そのため、額のボトックス注射を検討する際には必ずカウンセリングを受け、クリニック選びを慎重に行うようにしましょう。
一般社団法人予防医療研究会 理事長
聖マリアンナ医科大学卒業
精神保健指定医、精神科専門医・指導医、日本医師会認定産業医
「Bell Clinic 松濤」 特別顧問
医療提携エステ「銀座メディック」顧問
著書に「あなたの周りの身近な狂気」(セブン&アイ出版)「間取りの恋愛心理学」(三五館)など。