涙袋のヒアルロン酸注入は失敗が多い!?デメリットや失敗例、失敗した場合の対処法をまとめて解説

2023.5.12
美容コラム

大きく可愛らしい目を印象付ける涙袋。
その大きさは人によって個人差があり、生まれつきぷっくりと大きな人からあまり大きくなく目立たない人までさまざまです。

ふっくらした涙袋に憧れる女性は少なくなく、最近では男性でも話題に挙がるようになってきています。そんな大きな涙袋を作る手段の1つとして、ヒアルロン酸注入による「涙袋形成」という美容医療が存在します。

メスを使用せずして注射のみで短時間で施術が終わるため手軽な「プチ整形」として人気の美容医療ですが、デメリットやリスクはないのでしょうか?
本記事では、ヒアルロン酸注入による涙袋形成のデメリット、リスク、失敗例、そして失敗してしまった場合の対処法についてご紹介します。

涙袋とは

涙袋とは、一見脂肪のようにも見えますが、目の筋肉が盛り上がることによってできる目の下の膨らみを指します。

どんな人にも存在するものですが、涙袋がほどよくありふっくらしていると、目元の輪郭が広がって見え、目が大きくぱっちりとして見えたり、また目が大きく見えることによる小顔効果が得られることもあります。

加えて目元のクマやシワが目立ちにくくなることから、いつも微笑んでいるような優しい印象、若々しく可愛らしい印象を与えることができます。
そのような理由から、最近では涙袋を強調できるようなメイクアップグッズも多く販売されるほど、女性にとって涙袋は顔を印象付けるのに重要なパーツとなっているのです。

涙袋を形成するヒアルロン酸注入

涙袋は、「涙袋形成」と呼ばれる美容整形施術を行うことで、希望する形の涙袋を人工的に作ることが可能です。
メスを使わず注射器でヒアルロン酸を注入するだけで涙袋形成が可能なため、今や「プチ整形」としても人気な施術の一つとなっています。

ヒアルロン酸注入というと異物を体内に注入するようで不安に思う方もいらっしゃいますが、ヒアルロン酸は多糖類の一種でもともと体内に存在する物質であり、アレルギー反応がほとんど起きないと言われているため、その安全性の高さも人気な理由の一つとなっています。

涙袋へのヒアルロン酸注入は両目で0.5cc、注射器一本分が一般的な量であり、多すぎても不自然な仕上がりとなってしまいます。
注入してから肌に完全に馴染むまでは1週間ほどかかり、直後から数日後までは軽度の赤みや腫れがでることもありますが、ほとんどの場合は短時間で収まります。

ヒアルロン酸は使用する製剤の種類にもよりますが、数か月から2年ほどかけて体内に完全に吸収されていくため、体内に異物として残る心配もありません。
一度注入したら永久的に残るわけではないので、ヒアルロン酸での涙袋形成は一時的なものであることを認識しておきましょう。

涙袋形成をヒアルロン酸注入で行うデメリット

注射器でヒアルロン酸を注入するだけと聞くとお手軽なイメージですが、もちろんデメリットも存在します。
まず、副作用がある場合があるということです。
ヒアルロン酸注射自体はダウンタイムが短い施術ではありますが、目の下は皮膚が薄くデリケートな部位のため、腫れや赤み、内出血等の副作用が比較的起きやすくなっています。1週間以内におさまるような軽度なものが多いですが、施術直後は施術部位を触らず、安静にすることを心がけましょう。

また、施術中の痛みもデメリットの一つです。針を刺すため痛みがあるのは当たり前ですが、他の施術部位と違い目の下は痛みを感じやすく、それなりに痛みを感じます。
極細針を冷やして施術をするのが一般的ですが、どうしても痛みが不安な方は麻酔を使用されることをおすすめします。
麻酔は通常別料金となり、クリニックにより種類も異なるため、事前に確認しておきましょう。

また、これは避けることのできるリスクではありますが、適切な硬さと量を注入しないと不自然な仕上がりになることがあります。

注入タイプのヒアルロン酸はさまざまな種類が存在しますが、目の周りは表情に合わせて大きく動く部位でもあるため、細やかな動きにも適応する柔らかなヒアルロン酸が適しています。硬いヒアルロン酸をいれてしまうと、ボコボコ感のある涙袋になってしまう可能性があるので、クリニックで涙袋形成に使用されているヒアルロン酸の種類は確認しておきましょう。

また、注入量が多すぎると、涙袋がパンパンになってしまい、不自然な仕上がりとなります。例えていうなら、泣いた後に目が腫れてしまっているような状態です。こちらの量に関しても事前に確認することができるので、施術前に必ず医師に相談するようにしましょう。

涙袋のヒアルロン酸注入における4つの失敗例


涙袋形成におけるヒアルロン酸注入について、副作用やリスクは多くはないものの、残念ながら失敗例があることも事実です。
ここではその失敗例についていくつか紹介します。

1つめはチンダル現象と呼ばれるものです。チンダル現象とは、注入したヒアルロン酸が水分を含んでふくらみ、青みがかった水っぽい肌質に見える現象のことを言います。
目の下などの皮膚が薄い箇所はその現象が目立ちやすく、注入する層が浅かったり量が多すぎたりするとヒアルロン酸が青白く透けて見えるケースがあります。

チンダル現象は、注入するヒアルロン酸において適切な硬さの種類を選ぶこと、また注入する深さを注意することで防ぐことが可能です。
こればかりは施術される側は注意することができないので、事前にクリニックの医師に確認をすることをおすすめします。

2つめは左右非対称になってしまう場合です。涙袋形成として片目だけヒアルロン酸を注入することも可能ですが、一般的には両目に注入する方が多く、その場合左右のバランスがとても重要となってきます。

こちらも施術する医師の腕にかかっているともいえますが、人の顔は完全に左右対称ではなく左右同じ量を入れると不自然になってしまう場合もあるので、カウンセリングの際にしっかりと確認してもらうようにしましょう。

施術直後に左右差がない場合でも、ヒアルロン酸の吸収のスピードが異なることで時間がたってから左右差が出る場合もあるので、その場合は再度医師に相談することをおすすめします。

3つめは施術前と後で特に変化が見られない場合です。せっかく痛い思いをしてヒアルロン酸を注入しても、何も変化がなかった、ということもまれに存在します。

加齢と共に目の下にはたるみのような脂肪が現れることがありますが、このような方が施術を行った場合にその脂肪とヒアルロン酸が合体して涙袋の境界がぼやけてなだらかになってしまいます。

綺麗な涙袋とは、境界がはっきりとしていて、ぷっくりと綺麗に盛り上がっている状態を指しますが、この場合においてはむしろたるみのようなものが大きくなってより老けた印象になってしまうこともあります。若い方でもこのような脂肪が目の下に軽度についている場合もあるため、医師のカウンセリングを基にしっかりと注入の量を見極める必要があります。

4つめは皮膚が伸びてしまう場合です。
これは、一度の注入であればそういったことは起こりにくいですが、何度も涙袋にヒアルロン酸を注入した場合に起こり得ます。
ヒアルロン酸は一度注入した後時間をかけて体内に吸収されていくため、涙袋もそれに伴って元の大きさに収縮していきます。

小さくなってきたと感じて、再びヒアルロン酸を注入し、また小さくなってきて注入して…と繰り返すと、皮膚が膨らんだり縮んだりを繰り返して伸びてしまう可能性があります。ヒアルロン酸を打ち続けることは、理想的な形を維持できたり持ちが良くなるという点でメリットもありますが、元のヒアルロン酸が残った状態での注入や繰り返しの注入は目の下の皮膚が伸びて弛んでしまうなどと、かえって悪い見た目にもなりかねません。

皮膚の伸びは一回の注入量を少なくし、注入感覚を短くすることである程度は防ぐことが可能なので、次に施術する場合はいつ頃にするべきか、医師に相談することをおすすめします。

失敗した場合ヒアルロン酸分解注射で除去できる

ヒアルロン酸を涙袋に注入したものの、理想と違う仕上がりになってしまった、施術した部分が不自然になってしまった、時間の経過とともに思っていたのと違う形になってしまった、ということも起こり得ます。

実は、一度注入したヒアルロン酸はヒアルロン酸溶解注射で溶かすことが可能です。
ヒアルロン酸溶解注射は「ヒアルロニターゼ」とも呼ばれ、ヒアルロン酸を分解する酵素が含まれています。

不自然になってしまった一部分を除去したいという場合もあるかもしれませんが、このヒアルロン酸溶解注射は注入した範囲全体に製剤が広がっていくため、理想の状態にするためには一度全てを溶かした後に再度注入することが必要となります。

個人差はありますが、注入してからおよそ数日から数週間をかけてほとんどもとの状態に戻っていきます。

また、ヒアルロン酸溶解注射は施術してから数日後までに腫れなどのダウンタイムが発生する場合があります。
すぐにでも理想の形に戻したいところでもありますが、一度ヒアルロン酸溶解注射を打ったら数週間程度の間隔を空けて新たなヒアルロン酸を注入するようにしましょう。

ヒアルロン酸溶解注射は一般的にヒアルロン酸を注入したクリニックで対応してもらえることが多いので、施術を希望の際は一度相談してみると良いでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
涙袋形成はメスを使わない注射のみの施術のため、気軽に試すことのできる美容施術の一つです。
もちろんデメリットやリスクは存在しますが、それらを理解した上で、カウンセリングにおいて医師と理想の涙袋についてしっかりと相談して施術するようにしましょう。

 メディカルアルファクリニックでは、初めて美容医療を体験する人でも安心して施術を受けられるようなサポート体制を整えています。
今回紹介したヒアルロン酸注射においては、1か所につきおおよそ5分から10分程度で施術が完了します。


この記事の監修

小西 恒 医師
小西 恒

2008年に自治医科大学医学部を卒業。2010年に大阪府立急性期総合医療センター産婦人科に勤務後、2014年に大阪府障害者福祉事業団すくよかで医療部長を務めました。2015年から大阪府健康医療部で地域保健課主査を歴任し、2017年から愛賛会浜田病院産婦人科に勤務。2020年より某大手美容外科で働き、2021年には小倉院と心斎橋御堂筋院の院長を務めました。2023年からはルヴィクリニック院長に就任しています。
【資格・所属学会】
ボトックスビスタ® 認定医、 ジュビダームビスタ® 認定医、 ジュビダームビスタ® バイクロス 認定医、 日本美容外科学会(JSAS) 正会員、 日本産科婦人科学会 会員、 日本産科婦人科学会 専門医、 日本医師会認定産業医、 母体保護法指定医

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