糸リフト(スレッドリフト)は、たるみ改善やリフトアップ効果が期待できる施術です。
しかし、糸の素材や形状によって10種類以上あり、なにが良いのかわからないですよね。
そこで今回は、主流の溶ける糸リフトの中でも、代表的な糸リフトについてお話しします。
気になる方は、読んでみてくださいね。
まずは、糸リフトの基本的なことを知っておきましょう。
糸リフト(スレッドリフト)は、顔の中に糸を埋め込む施術です。
糸の素材や形状によって違いはありますが、共通して次の効果が期待できます。
糸でたるみや肌を改善する施術なので、スレッド(Thread)リフトとも呼ばれています。
糸リフト(スレッドリフト)でよく使用されている素材は、3種類です。
糸の素材 | 特徴 |
---|---|
PCL (ポリカプロラクトン) | ・柔らかくしなやか ・痛みや引きつれを起こしにくい ・糸の溶ける速度がゆるやかで持続性が高い |
PLLA (ポリ-L-乳酸) | ・硬め ・持続性が高い ・植物が原料で安全性が高い |
PDO (ポリデオキサノン) | ・脂肪燃焼効果がある ・安全性が高く手術でも使用されている |
素材や形状が違うので、糸リフトの種類によって特徴があります。
糸リフト(スレッドリフト)には、さまざまな種類があります。
糸が溶けるタイプと溶けないタイプがあり、現在は、溶ける糸リフトが主流です。
糸の素材や形状によって、さらに細かく分けられます。
溶ける糸リフトの中で代表的な施術を見ていきましょう。
ミントリフトミニ2フレックスは、ダウンタイムが2~5日と短く、副作用も軽い糸リフト(スレッドリフト)です。
使用するのは、特性が違う2種類の素材を混ぜ合わせた混同糸。
柔らかくしなやかなPCL素材と、持続性が高いPLLA素材を合わせたので、柔らかく持続性があるのが特徴です。
腫れや引きつれなどの副作用が起こりにくく、起こっても軽く済むので、シークレットリフトとも呼ばれています。
ボブリフトは、溶ける糸リフト(スレッドリフト)の中でも、持続効果が長いのが魅力。
糸に切り込みを入れてトゲにするほかの糸リフトと違い、型で加工するので糸やトゲの太さが均一で強度があります。
さらに、糸の素材は、分解・吸収速度が遅いPCL製です。
分解・吸収速度が遅く強度もあるので、持続効果が2年から3年と長く続きます。
ボブリフトは、施術後の痛みや違和感が少なめです。
使用するPCL製の糸は柔らかくしなやかで、コグと呼ばれるトゲの先端は丸みを帯びています。
皮膚を余計に傷つけないので、施術後の痛みや違和感などが少なめです。
テスリフトは、引き上げる効果が強い糸リフト(スレッドリフト)です。
PDO製で、とげが付いた糸を網目状の3Dメッシュが覆っている構造。
トゲが皮膚に食い込み、周辺の皮膚がメッシュの中に入り込むので、トゲとメッシュの二重で皮膚を引き上げます。
たるみの度合いが強めな方でもリフトアップできると、人気です。
テスリフトの糸は約1年で吸収されますが、たるみ改善の効果は2~3年続きます。
糸に触れる皮下組織が多く、肌を内側からも改善するからです。
肌細胞の生成促進効果が高いほか、PDOには脂肪を摩擦し燃焼させる効果もあります。
余分な脂肪が減り肌細胞も新しくなるので、しっかりと皮膚を支えられるようになり、たるみ改善の効果が長く続きますよ。
シルエットソフトは、深いしわを改善したい方に向いている糸リフト(スレッドリフト)です。
PLLA素材の糸に、PLGA素材のバイオコーンという三角の部品がついているのが特徴。
トゲの向きが決まっているほかの糸リフトと違い、バイオコーンは360度で調整ができます。
バイオコーンが皮膚を下からすくい上げるので、ほかの糸リフトでは難しい深いしわの改善効果も期待できますよ。
シルエットソフトは、長期的なリフトアップや肌の改善効果が期待できるのも、嬉しいポイント。
吸収されるまでの期間は、バイオコーンが8~12カ月、糸は約18カ月です。
糸がなくなっても、肌は急激に衰えるわけではありません。
肌自体が改善するので、リフトアップ効果や肌の改善効果などは、約2年近く持続します。
※シルエットソフトと似た糸を使う施術に、3Dリフトとシルエットリフトがあります。 シルエットリフトは名前も似ているので、注意してください。 |
ショッピングリフトは、糸リフトを行ったと知られたくない方におすすめです。
糸で皮下組織を持ち上げるほかの糸リフトと違い、皮膚を引き上げません。
PDO製の糸で肌細胞の生成を促し、肌細胞を新しくして上層の皮膚を支えられるようにします。
施術の1~2週間後から効果が表れ、ピークは3~4カ月後とゆっくり改善するので、周囲に気づかれにくいです。
名称 | 特徴 | 持続期間 | ダウンタイム期間 |
---|---|---|---|
ミントリフト ミニ2フレックス | ダウンタイムが短い 副作用が軽い | 約1年半~2年 | 2~5日 |
VOVリフト | 長期でたるみ改善ができる 副作用が軽い | 約2~3年 | 約1週間 |
テスリフト | 引き上げる力が強い 長期でたるみ改善ができる | 1~3週間 | |
シルエットソフト | むずかしい部位でも改善できる 長期で肌を改善できる | 約2年 | 約1週間 |
ショッピングリフト | ダウンタイムが短い 周囲に気づかれにくい | 約1年 | 1日~数日 |
糸リフトの失敗を防ぐために、事前に知っておきましょう。
糸リフトの失敗で多い原因は、医師との仕上がり後のイメージの違いです。
仕上がりのイメージにズレがあると、期待したほどの効果がない、望んだ仕上がりではないなどの残念な結果に。
カウンセリング時に医師と具体的に話し合うことで、失敗を防げます。
仕上がり後のイメージがわかる写真などを持参するのも、おすすめです。
失敗を防ぐために、クリニックの様子や料金などをチェックするのも、大切です。
料金があまりにも安いと、さまざまな原因で失敗する可能性があります。
重い副作用が出ると、抜糸をすることになる可能性も。
クリニックの様子や料金、医師の評判など、チェックするのも大切です。
施術中は麻酔をするので、痛みはありません。
麻酔が切れた後に痛みが発生しますが、個人差によって症状の度合いは違います。
痛みが気になる方は、医師に相談してください。
体質によって、糸リフトの施術が行えない方もいます。
ほかにも、病気や皮膚炎などの疾患がある方は、カウンセリング時に医師に確認してください。
糸が慣れるまで、いくつかの注意事項があります。
副作用の発症や悪化を防ぐためにも、なるべく守るようにしてください。
糸リフト(スレッドリフト)は、たるみ改善に効果がある施術です。
しかし、自分に合っているかどうかは、個人差によって違います。
特徴をチェックして、自分に合っている糸リフトを選ぶことが大切です。
自分に合った糸リフトでたるみを改善すれば、魅力的な自分になれますよ。
2008年に自治医科大学医学部を卒業。2010年に大阪府立急性期総合医療センター産婦人科に勤務後、2014年に大阪府障害者福祉事業団すくよかで医療部長を務めました。2015年から大阪府健康医療部で地域保健課主査を歴任し、2017年から愛賛会浜田病院産婦人科に勤務。2020年より某大手美容外科で働き、2021年には小倉院と心斎橋御堂筋院の院長を務めました。2023年からはルヴィクリニック院長に就任しています。
【資格・所属学会】
ボトックスビスタ® 認定医、
ジュビダームビスタ® 認定医、
ジュビダームビスタ® バイクロス 認定医、
日本美容外科学会(JSAS) 正会員、
日本産科婦人科学会 会員、
日本産科婦人科学会 専門医、
日本医師会認定産業医、
母体保護法指定医