【医療専門家監修】ニキビ跡でできたクレーターは治る？原因やケースごとに解説

ニキビ跡（クレーター）で肌が凸凹していて悩んでいる…

ニキビ跡（クレーター）の種類や原因、効果的な治療方法について詳しく知りたい

顔の印象を大きく左右してしまうニキビ跡。ニキビ跡（クレーター）のせいで肌の印象が悪く、悩んでいる…という方も多いのではないでしょうか。ですが、ニキビ跡はクリニックで専門家のもと適切な治療を受けることで、症状を目立ちにくくし、改善することができます。この記事では、ニキビ跡ができる原因や適切な治療方法、見逃しがちなNG行為について、詳しく解説していきます。

1 ニキビ跡（クレーター）ができる原因
2 ニキビ跡の種類と見分け方
3 種類別ニキビ跡の治療方法
4 ニキビ跡（クレーター）を防ぐためのセルフケア
5 ニキビ跡（クレーター）の原因に？NG行為
6 ニキビ跡ができてしまった場合の対策
7 「ニキビ跡除去」がおすすめのクリニック13選
8 「ニキビ跡除去」のよくある質問
9 このページの監修者

ニキビ跡（クレーター）ができる原因

出典：フェミークリニック

ニキビ跡とは、ニキビが治った後に皮膚に残る痕跡のことを指します。ニキビ跡ができる主な原因は、ニキビが治癒する際に皮膚に生じたダメージや炎症です。通常、ニキビは毛包に皮脂や細菌が詰まることで発生します。炎症が鎮静化し、ニキビが治ると、皮膚の再生過程が始まりますが、この時の炎症が深刻だったり、自己処理が適切でなかったりすると、皮膚の表面や下の組織に損傷を残す可能性があります。これにより、皮膚の赤みや色素沈着、またはクレーター状の窪みができることがあります。また、遺伝的な要因や皮膚のタイプによっても、ニキビ跡の形成に影響を与えることがあります。

ニキビ跡の種類と見分け方

赤み
色素沈着
肥厚性瘢痕（ケロイド）
クレーター（凹み）

①赤み

ニキビは、表面上は治ったようにみえていても、実は6ヶ月以内はまだ炎症が残っている状態にあります。このニキビが治癒する際、皮膚に炎症が引き起こされることがあり、この炎症によって血管が拡張し、赤みが生じることでニキビ跡が形成されます。この赤みは、ニキビ跡における初期段階の症状で、比較的治癒がしやすく、一般的に数週間から数か月程度で自然に薄れるていくことが多いです。適切なスキンケアや保湿を行うことでより治癒しやすくなりますが、いつまでも赤みが消えない場合はクリニックで治療を受けることも検討しましょう。

出典：水の森美容クリニック

②色素沈着

出典：水の森美容クリニック

ニキビが治癒する際、皮膚にメラニン色素が異常に集まることで、赤みのあるニキビが治った後に、茶色や黒いシミが残ることがあります。これは、メラニンの生成により肌にシミができている状態で、色素沈着と呼ばれるニキビ跡・瘢痕の種類です。肌のターンオーバーによって自然と消える可能性もありますが、炎症がひどい場合には1年以上経っても消えないことがあります。
色素沈着を予防するには、紫外線対策が不可欠です。紫外線を浴びると、生じてしまった色素沈着を悪化させることにもなります。炎症が起こった場合は、炎症を早く抑える事が何よりも大切です。患部を冷やしたり、抗炎症作用のある薬を塗るなど、早めにケアを行いましょう

③肥厚性瘢痕（ケロイド）

出典：公益社団法人日本皮膚科学会　公式HP

肥厚性瘢痕（ケロイド）とは、ニキビによる炎症が長く続くことで、破壊された組織を修復しようと皮膚のコラーゲンが過剰に生成されることで、ニキビができていた部分が盛り上がり、赤みや痛みを感じる状態のニキビ跡・瘢痕のことです。深い傷は肥厚性瘢痕になるケースが多く、完全に炎症が引くまでに1年～5年程度かかることもあります。肥厚性瘢痕（ケロイド）かどうかを素人が見分けることは難しいので、ケロイドかもしれないと思ったら早めに医師に相談しましょう。

④クレーター（凹み）

出典：フェミークリニック

クレーターは、ニキビによる傷が真皮にまで達し、皮脂腺や真皮の細胞が破壊されてしまい、皮膚の表面にくぼみや窪みができてしまっている状態のことです。クレーターは大きく、3つの種類に分けられます。

ローリング型

出典：銀座よしえクリニック

ローリング型とは、皮下に瘢痕組織が作られ、それが皮膚を下に引っ張ることでくぼみができている状態のクレーターです。クレーターの中でも、比較的くぼみ方が滑らかなのが特徴で、表皮は保たれていることが多いです。深在性のニキビが原因となっている場合が多いと考えられています。

特徴: 皮膚の広い範囲に広がった凹みが見られます。肌表面は波状に見え、起伏があるように感じられます。
原因: 皮脂腺および組織の炎症が広がり、コラーゲンの不均一な再生によって形成されます。

アイスピック型

出典：銀座よしえクリニック

ニキビによる炎症で毛穴が変形し、毛穴が開いたまま器質化した状態のクレーターで、開口部は点状で小さいですが、奥に深いのが特徴です。クレーターの中でも治療が難しいタイプとされています。

特徴: 皮膚の小さな穴が多数見られ、非常に深く、狭い穴が痕として残ります。
原因: 激しい炎症が毛包の深い部分に影響を与え、組織の損傷が形成されことで形成されます。

ボックスカー型

出典：銀座よしえクリニック

ボックスカー型のクレーターは、皮膚の深い部分での炎症や組織の損傷により形成され、皮膚の表皮および真皮の損傷による組織欠損が主な原因です。皮膚表面に直立した９０度に近い角度で凹の形で平らな底面のくぼみを持ち、広がった凹みが特徴となります。

特徴: くぼみが広がりがありますが、ほとんど平らな底面がある広めの凹みです。
原因: 表皮および真皮の損傷による組織欠損が主な原因で、これはニキビが治る際、皮膚の深部に影響を及ぼし、組織が損傷を受けた結果、広がった凹みが形成されます。

クレーターは、化膿を伴うニキビができてしまった際に、自力で治そうと「絞る」という行為が原因でできてしまう場合がほとんどです。そのため、ニキビの中でも化膿の症状がある場合には、特に注意が必要です。クレーターの状態になってしまったニキビ跡・瘢痕を自力で治すことは難しく、クリニックで適切な治療を受ける必要があります。

種類別ニキビ跡の治療方法

では、これらのニキビ跡・クレーターができてしまった場合、どのような治療を行うことで症状を改善することができるのでしょうか？それぞれのニキビ跡に合った、適切な治療方法を解説します。

ニキビ跡の種類	治療方法
赤み	内服薬（シナール、トラネキサム酸）外用薬（ビタミンC誘導体・レチノイド・ビタミンE）ケミカルピーリングエレクトロポレーション
色素沈着	内服薬（L-システイン・トラネキサム酸）外用薬（ビタミンC誘導体・レチノイド・ビタミンE・ハイドロキノン）ケミカルピーリングレーザー治療
肥厚性瘢痕（ケロイド）	内服薬（トラニラスト・リザベン）外用薬（ステロイドクリーム・軟膏）ステロイドテープ（貼り薬）圧迫療法ステロイド（ケナコルト）注射レーザー治療
クレーター	ダーマペン4 ポテンツァフラクショナルレーザーヴェルベットスキン

①赤み

赤いニキビ跡はターンオーバーを促すことで大抵は自然に消えていきますが、炎症が深い場合には皮膚科で処方される内服薬や、外用薬を用いて炎症を抑える事が有効です。
クリニックの治療では、エレクトロポレーションで抗酸化作用のあるビタミンCを導入することで、活性酸素を除去して皮脂の分泌を抑えたり、ターンオーバーを促すためにケミカルピーリングを定期的に受けるのも有効です。