
ニキビ跡という肌のトラブルは「放置しておけば自然に消える」と思われがちですが、赤み・茶色の色素沈着・クレーター状の凹凸(凸凹)といった状態が残る場合には、専門の美容皮膚科での治療が望ましいです。ここでは、まずニキビ跡への対処を目的に美容皮膚科を選ぶ理由と基本となる考え方を見ていきましょう。
ニキビが治った後に「跡」として残る状態には大きく分けて三つあります。一つ目は赤みのあるニキビ跡で、炎症後紅斑とも呼ばれ、特に頬や顎、鼻周りに出やすく、おしりや背中に盛り上がることもあります。二つ目は茶色や膿疱(黄ニキビ)後の炎症後色素沈着(PIH)で、炎症が収まった後にメラニンが沈着し、くすみや茶色いシミのように顔やおしり、鼻の下あたりに残ります。三つ目はクレーター状の凹みのある痕で、ニキビが深く真皮までダメージを与えた場合に起こりやすく、毛穴の開きが目立つケースや肌の表面がボコボコしたり、盛り上がりと凹みが混在していたりします。こうした症状を改善し、ニキビ跡の改善を目指すには、症状の種類を理解し、適切な治療法を選ぶことが重要です。
ニキビ跡の赤みや色素沈着、クレーターには、市販のスキンケアやエステでは改善が難しいケースがあります。例えば、茶色の色素沈着や赤みの残る状態では、レーザー治療や内服薬・外用薬を併用した治療が有効なケースが多く、専門の設備を備えた美容皮膚科でなければ対応していないこともあります。特に都市圏では、レーザーやピコレーザー、フラクショナルレーザーを導入しているクリニックも増えており、効果を最適化するためには肌の状態に応じた施術が求められます。こうした施術には費用(料金)がかかり、保険適用となる範囲も限定されているため、クリニックでの相談・検査・治療計画が大切です。治療開始から3年ほど通うことを目安とするケースもあり、「すぐに変わる」と期待するよりも「期間をかけて改善」を目指すことが肝心です。
一般皮膚科では、保険適用の範囲でニキビの発生を抑える内服薬・外用薬やスキンケア指導が中心ですが、ニキビ跡の赤み、色素沈着、クレーターといった痕の改善につながるレーザーやダーマペン・ピーリングなどの施術メニューは対象外となるケースが多く、美容皮膚科で自由診療として行われることが一般的です。保険適用の範囲を確認することが重要で、ニキビ跡の改善を目指すには美容皮膚科で施術・治療法を選び、料金・回数・通院頻度を理解した上で始めることがおすすめです。

次に、ニキビ跡の改善に向けて用いられる主な治療法と施術メニューについて、レーザー治療・物理的アプローチ・薬を使った治療の三つに分けて見ていきましょう。
レーザー治療は、ニキビ跡を治す上で非常に重要な選択肢です。例えば、フラクショナルレーザーやピコレーザーは肌に微細な穴を開けてコラーゲンの再生を促すほか、メラニンに反応して茶色い色素沈着を改善する役割もあります。具体的には、毛穴の開き・くすみ・赤み・クレーター状の凹凸などを整えることが期待されます。治療法としては、顔全体または頬・顎・鼻の部分に対し複数回の照射が必要で、専門クリニックでは1回あたり1万5000円~3万円程度という料金も目安となっています。いくらかかるか」と調べると、4~6回の治療を1年間にわたって続けることが推奨されるケースもあり、期間や費用についてしっかり相談することが重要です。またレーザー治療には「赤みが数日残ることがある」「一時的に色素沈着が生じる場合がある」などのリスクもあるため、クリニックで施術内容・治療期間・副作用を含めて丁寧に確認しましょう。
物理的なアプローチとして、ダーマペン(マイクロニードリング)や化学的ピーリングが用いられます。ダーマペンは肌に極細の針で微小な穴を開け、肌本来の治癒力を活かしてクレーターや毛穴の開きを改善し、肌質を整えるための治療法です。またピーリングは古い角質を除去し、くすみや色素沈着、赤みを軽減することが可能です。こうした施術はレーザー治療と併用することでより高い改善効果が期待され、モニター試験やブログで紹介されていることもあります。例えば、3年にわたって通った患者もおり、「ニキビ跡の赤みが消え、肌がなめらかになった」と報告されています。施術の間隔や回数についても、医師と相談して計画を立てることが重要です。
赤みや色素沈着、黄ニキビが残った場合、外用薬や内服薬を併用する治療法も選択肢となります。例えば、色素沈着にはメラニン生成を抑える外用剤、そして炎症後の赤みに対しては内服薬や抗生物質が使用されることがあります。ただし、これらはあくまで保存的治療として位置づけられており、深いクレーターや盛り上がり・凹凸の改善にはレーザーや施術が不可欠です。薬に頼るだけで「治る」と考えず、治療法全体をクリニックで相談し、自分に合ったメニューを選ぶことが大切です。

ニキビ跡を治す際、保険適用か自由診療かを判断することは重要です。ここでは、保険適用の範囲と自由診療の違い、クリニックの選び方まで見ていきましょう。
保険適用が可能な治療は、主にニキビそのものを治療するための内服薬・外用薬・診察料などです。ニキビ跡の赤み・色素沈着・クレーター等を改善するレーザー治療や物理的施術、エステ的なメニューは、たいてい保険適用ではなく自由診療となります。したがって、料金や治療期間、回数などはクリニックにより大きく異なります。保険適用外だからといって効果が保証されるわけではなく、治療法・施術の選択を医師に相談して、自分にとって適切なプランを設計する必要があります。
ニキビ治療では「ニキビを消す」「黄ニキビや赤ニキビを治す」という目的で保険が使える場合がありますが、ニキビ跡の治療、特に毛穴の開き・凹凸・色素沈着を改善する目的のメニューは、保険適用とはなりません。例えば一般皮膚科で処方される薬と、美容皮膚科で行うレーザー治療では扱える範囲や料金が異なります。治療を開始する際には、「ニキビ跡を治す」ための施術かどうかをクリニックに相談し、保険適用の有無や費用(費用・料金)を明確に聞くことが大切です。
保険適用でニキビやニキビ跡の相談をする場合には、「皮膚科」または美容皮膚科併設のクリニックを探すことが有効です。ニキビ跡専門のメニューを扱うクリニックは多数紹介されており、例えば「○○駅直結」「専用レーザーメニューあり」などの条件で選ぶことができます。無料カウンセリングを実施しているケースもあるため、複数のクリニックで比較し、料金・施術内容・回数・期間・モニター割引などをチェックすることをおすすめします。

ニキビ跡の治療を検討する際には、通いやすさや施術体制、専門性などを比較しながらクリニックを選びましょう。以下では、選び方のポイントを掘り下げます。
治療には通院が必要なケースが多いため、駅周辺のクリニックが便利です。通いやすい立地かどうかを確認しましょう。また、治療期間や回数、施術当日のスケジュール調整も重要です。「1回で終わる」と思っていたが4回以上通ったという声もあるため、初めのカウンセリングで施術の期間・回数や通院頻度を予め確認することがおすすめです。
ニキビ跡の改善にはレーザーや内服薬・外用薬の組み合わせが効果的です。クリニックを選ぶ際には、フラクショナルレーザー・ピコレーザー・ダーマペン・サブシジョンなどの機器を扱っているかどうか、また色素沈着・赤みへの薬の併用プランがあるかを確認しましょう。毛穴の開き・くすみ・赤み・クレーターといった多様な症状に対応できるかどうかが選び方の要点となります。
信頼できるクリニックは、実例写真を掲載しており、施術前後の肌の変化を確認できるケースが多いです。また、無料相談やモニター制度を設けているところや、料金表を明確に提示しているところも安心できます。料金がいくらかかるのか、施術内容・回数・期間について丁寧に説明を受けることが大切です。複数回の施術を経て、徐々に改善を実感する例もあります、即効性だけを求めず、長期的な視点でクリニックを選びましょう。

ニキビ跡を治療するとき、料金と回数・通院期間の目安を知っておくことは安心して治療を始めるために不可欠です。ここでは、施術別の料金相場、治療回数・期間の目安、そして無料カウンセリングの活用方法について紹介します。
レーザー治療の場合、1回の施術が1万5000円~3万円程度という料金が多く、都市部のクリニックでもこの範囲が一般的です。例えば顔全体のクレーターや色素沈着を改善するメニューでは1回で30,000円以上かかるケースがあります。また、ダーマペンやピーリングの組み合わせでは、1回あたり20,000円前後という価格設定も見られます。さらに、おしりや背中といった広範囲、また盛り上がりや凸凹のあるニキビ跡の場合は、施術範囲が広いためいくらかかるかの見積もりをクリニックで確認することが重要です。モニター料金やセット回数割引を活用することで費用を抑えるケースもあります。
ニキビ跡の治療は、1回で完全に治すことは稀で、多くの場合複数回の施術が必要です。例えば、赤みにはレーザーを月1回で4~6回行うケース、クレーターや色素沈着には4~8回、さらに期間として1~2年(3年通ったという例もあります)を見込むことがあります。毛穴の開きやくすみを伴う症状であれば、定期的なメンテナンスも含めて通院が継続されることがあります。治療を途中でやめるとリバウンドとして症状が戻る可能性もあるため、医師と通院計画を相談しておくことが安心です。
多くの美容皮膚科では、初回無料カウンセリングを実施しており、肌の状態を診て治療法・回数・料金の見積もりを提示してくれます。この相談の場では、保険適用か自由診療かを確認し、メニュー内容、期間、費用、モニター制度の有無を尋ねましょう。少しでも「曖昧だな」と感じるクリニックは避け、複数のクリニックで比較検討することをおすすめします。

症状やタイプによって「これを選ぶと良い」という治療法があります。ここでは、赤み・色素沈着・クレーターという三タイプ別に、おすすめの施術を解説します。
ニキビ跡の赤みが主な悩みであれば、まずは血管や炎症に反応するレーザー治療が有効です。赤み専用レーザーやLED治療と併用することで、肌の内側から改善し、さらに赤みのあるニキビ跡を消す方向へ導きます。頬や鼻、顎に残った赤みのある跡は赤ニキビのあととして見られ、毛穴の開き・くすみを伴うことも多いため、複数の施術を並行することで肌質全体の改善につながります。
茶色や黄ニキビ由来の色素沈着が長引いている場合は、メラニンをターゲットとするレーザー治療が効果的です。ピコレーザーやレーザートーニングなどを使い、顔全体またはおしり・背中など広範囲にも対応します。色素沈着を改善するには、内服薬や外用薬を併用するケースもあり、治療期間としては1~2年ほどを想定しながら、クリニックとの連携が重要です。
クレーター状のニキビ跡、つまり深い凹みや盛り上がりが複雑に入り組んだ肌状態には、フラクショナルレーザー・ダーマペン・サブシジョンといった複合治療が適しています。毛穴の開きや肌の凹凸(クレーター)を平らにするために、真皮のコラーゲン再生を促す治療を複数回行う必要があり、治療費用・回数・期間ともに一般的なニキビ治療よりハードルが高くなります。専門クリニックで「この症状にはどのメニューがいいか」を相談し、見積もりと通院期間を把握してから始めましょう。

ニキビ跡の赤み、色素沈着、クレーターといった状態は、市販のスキンケアやエステだけで「完全に治す」ことは難しいため、美容皮膚科での治療を選ぶことが合理的です。レーザー治療を中心に、ダーマペン・内服薬・外用薬などを組み合わせることで、毛穴の開き・くすみ・凸凹も含めた肌全体の改善が望めます。都市部では専門クリニックが数多くあり、まずは無料カウンセリングで「治療法・期間・料金・回数」を相談しましょう。保険適用の範囲と自由診療が混在する分野ですので、料金はいくらかかるか確認し、納得のうえで通院を始めることがおすすめです。ニキビ跡が気になる場合は、早めに専門医に相談することが推奨されます、自分の肌に合う施術を選び、期間・通院計画を立てて改善を目指しましょう。
2008年に自治医科大学医学部を卒業。2010年に大阪府立急性期総合医療センター産婦人科に勤務後、2014年に大阪府障害者福祉事業団すくよかで医療部長を務めました。2015年から大阪府健康医療部で地域保健課主査を歴任し、2017年から愛賛会浜田病院産婦人科に勤務。2020年より某大手美容外科で働き、2021年には小倉院と心斎橋御堂筋院の院長を務めました。2023年からはルヴィクリニック院長に就任しています。
【資格・所属学会】
ボトックスビスタ® 認定医、
ジュビダームビスタ® 認定医、
ジュビダームビスタ® バイクロス 認定医、
日本美容外科学会(JSAS) 正会員、
日本産科婦人科学会 会員、
日本産科婦人科学会 専門医、
日本医師会認定産業医、
母体保護法指定医