【汗・多汗症対策】脇ボトックスの特徴や費用・持続期間をわかりやすく解説

2025.10.22
美容コラム

目次

脇ボトックスとは?人気の理由と仕組み

脇ボトックスは、汗の量が多くて悩んでいる方に対して医師の判断で行われることがある施術のひとつです。発汗を抑える薬剤を使用し、医療機関で行われる処置です。人気の理由と仕組みについて解説します。

脇汗と多汗症の違いとは

脇汗は日常的に起こる生理的現象ですが、多汗症は医学的診断を受ける症状です。特にアポクリン汗腺由来の汗は匂いを伴うこともあり、生活に支障を感じる方が診することがあります。ボトックス注射は医師の判断のもと、発汗抑制を目的に使用されることがあります。ただし、効果の感じ方や期間には個人差があるため、医師の指導のもとでの判断が重要です。

ボツリヌス注射の仕組みと効果

使用されるボツリヌス毒素は、アセチルコリンの働きを一時的に抑える仕組みで、注射後数日~1週間程度で汗の分泌減少を感じられますが、効果には個人差があります。局所麻酔を併用することで痛みや腫れを軽減することができ、日常生活への支障は限定的です。ただし、他の治療法と比較する場合でも、効果の出方には個人差がある点を考慮する必要があります。

注射後の経過と効果が出るまでの期間

注射後は軽い腫れや内出血が起こることもありますが、通常は1週間程度で落ち着きます。効果の感じ始めは1週間前後とされ、その後2〜3ヶ月間は汗の量に変化を感じる方が多いという報告があります。ただし、効果の持続期間は人によって差があり、治療間隔を含めて医師と相談しながら判断することが推奨されます。

臭いへの効果はある?わきがへの影響

注射によって汗の分泌が抑えられると、汗に由来するにおいの変化を感じる方いることがあります。ただし、わきが(腋臭症)の根本治療ではなく、恒久的な効果を保証するものではありません。軽度~中程度の症状の場合、においに関する変化を実感する方もいるようです。一方、外科的なアプローチが必要となるケースもあります。

使われる薬剤の種類と特徴

脇ボトックスに使用される薬剤はさまざまですが、効果や持続期間、副作用のリスクに関わる重要なポイントです。ここでは、代表的なボツリヌス製剤とその特徴について見ていきましょう。

アラガン・コアトックスなど主要な製剤の違い

脇ボトックスで使われる主な薬剤には、アラガン社の「ボトックスビスタ」(厚労省承認)や韓国製の「コアトックス」などがあります。ボトックスビスタは国内承認製剤として安全性に配慮されています。コアトックスはコスト面での選択肢となり得ますが、厚労省による承認状況が異なるため、使用時には医師からの説明を受けて納得した上で選ぶことが望まれます。

ボツリヌス製剤の種類と筋肉への影響

本来は筋肉の動きを一時的に抑える目的で使われていたボツリヌス製剤を汗腺近くに注射するため、施術には医師の技術が重要です。注射が深すぎると筋肉に影響を及ぼす可能性があるため、安全面の配慮と注射技術が不可欠です。注射後に腫れや内出血が起こることもあり、製剤によってその頻度が異なる場合があります。

抗体ができると効かない?薬剤選びの注意点

ボツリヌス製剤を繰り返し使うと、体がそれに対する抗体を作ってしまい、効果が出にくくなることがあります。これを「耐性」といい、特に頻繁に施術を受けている人に起こりやすいとされています。打ち続けると徐々に効かないと感じる場合は、この抗体の影響が考えられます。耐性を防ぐには、施術の間隔を適切に空けることが大切であり、短期間で2回目や3ヶ月ごとの施術を繰り返すのではなく、医師と相談しながら時期や量を調整することが勧められます。製剤の中には耐性ができにくいとされるものもあるため、予約の際にどの薬剤を使用するか事前に確認するのが望ましいです。副作用や後遺症のリスクを避けるためにも、薬剤選びには注意が必要です。

脇ボトックスの持続期間と効果の実感タイミング

脇ボトックスの効果はいつから感じられるのか、そしてその持続期間はどのくらいなのかは、治療を受けるうえで非常に気になるポイントです。ここでは、注射後の流れや変化、持ちの違いについて見ていきましょう。

効果が出るまでの流れと期間別の変化

脇ボトックスの注射を受けると、体感には個人差がありますが、多くのケースでは注射後3日ほどで変化を感じ始め、1週間以内には明確な効果を感じることができます。この時期になると、わき汗の量が目に見えて減少し、洋服の汗染みが気にならなくなる人もいます。その後、効果のピークは2週間前後に現れ、約2ヶ月から3ヶ月間安定した状態が続きます。その後、薬剤の効果が徐々に薄れてきて、4ヶ月を過ぎると持続力は緩やかに低下していきます。

持続期間はどれくらい?季節ごとの違い

脇ボトックスの効果が持続する期間は平均で3〜4ヶ月ですが、季節によってもその持ちに違いがあります。たとえば、夏場は気温や湿度が高いため、汗の分泌が活発になり、持続期間がやや短く感じられることがあります。一方で、秋冬は気温が低く汗の量が減るため、効果が長く持続する傾向があります。こうした季節ごとの違いを考慮し、施術のタイミングを計画することが大切です。多汗症に悩む方にとっては、春先に治療を始めると、最も汗が気になる夏の時期に効果のピークが来るように調整できます。

打ち続けるとどうなる?継続治療の注意点

脇ボトックスを継続して受けると、わき汗の悩みを長期間にわたって軽減できるというメリットがあります。しかしながら、打ち続けると抗体ができて効果が出にくくなる「耐性」のリスクもあるため注意が必要です。また、定期的に注射を続けることで、わきの皮膚に跡が残ったり、毛穴が目立ちやすくなるケースもあります。継続する場合は、2回目や3回目の注射の時期を医師と相談しながら計画的に行いましょう。副作用や後悔を避けるためにも、予約時に薬剤の種類や頻度をよく確認し、自分に合ったペースで治療を続けることが大切です。

脇ボトックスのメリット・デメリット

脇ボトックスは多汗症やわき汗に対して高い効果が期待できる一方で、注意すべき副作用やデメリットも存在します。ここでは、メリットとデメリットの両面から、正しい理解を深めていきましょう。

汗の量を抑える以外のメリットとは

脇ボトックスの一番のメリットは、わき汗の「量」を抑えることですが、それだけではありません。汗が減ることで、汗染みや臭いの心配が減り、洋服選びや人前に出ることへの不安が軽減されるなど、生活上の不快感が軽減されたと感じる方もいます。また、わきの皮膚環境が整うことで、毛穴の詰まりが減り、肌トラブルの予防にもつながります。加えて、汗による摩擦やムレが減ることで、脱毛後の肌荒れが改善されることもあります。こうした点は、ミラドライやレーザー治療とは異なるボトックスの特性といえるでしょう。効果の速さと持ちのバランスが取れている点も、継続治療を検討している方におすすめです。

デメリット・副作用・リスクを正しく知る

一方で、脇ボトックスにはいくつかのリスクや副作用があります。注射後には腫れや内出血が起きることがあり、敏感な人では赤みやかゆみを感じるケースもあります。また、まれに筋肉に影響を与え、腕の重だるさを感じることがあります。これらの症状は通常1週間ほどで治まりますが、効果が続く期間中、他の部位に汗が出やすくなる「代償性発汗」が現れることもあります。さらに、薬剤への耐性や抗体ができると、打ち続けても効果が出にくくなる場合があるため、使用頻度や注射の時期については注意が必要です。予約前に使用薬剤や施術歴を医師にしっかり伝えることで、リスクを最小限に抑えることが可能です。

打ち続けるとどうなる?継続治療の影響

脇ボトックスを長期的に続けると、わき汗の抑制というメリットが得られる反面、耐性や抗体の形成による効果の減少が懸念されます。特に間隔を空けずに頻繁に注射を受けると、効果が持続しにくくなる場合があります。そのため、2ヶ月〜4ヶ月の間隔を目安にし、症状や持続時間を見ながら計画的に行うことが推奨されます。また、何度も打ち続けると注射部位に軽度の硬さや皮膚の質感の変化が出ることがあるため、治療の際にはその都度医師と状態を確認し合うことが大切です。モニター制度やキャンペーンを利用して費用を抑えながらも、質の高いクリニックを選ぶことが後悔のない治療につながります。

注意事項と治療前後のポイント

施術を受ける前後にはいくつかの注意点があります。まず、注射当日は激しい運動やサウナ、温泉、入浴を避け、肌への負担を軽くするようにしましょう。また、治療当日は化粧品や制汗剤の使用を控え、皮膚を清潔に保つことが重要です。注射後1週間程度は、内出血や腫れが目立つ場合があるため、大切な予定がある人はタイミングを考えて予約を取ると安心です。施術後は医師の指示に従い、跡やトラブルを防ぐためのケアを怠らないことが肝心です。副作用が強く出た場合はすぐに病院へ相談し、無理に我慢しないことが大切です。

施術の流れと痛み・ダウンタイム

初めて脇ボトックスを受ける方にとって、施術の流れや痛み、ダウンタイムがどのくらいあるのかは重要な情報です。ここでは、具体的な流れと注意点を詳しく見ていきましょう。

注射方法と施術時間

施術はまず、脇の汗腺が集中する範囲をマーキングするところから始まります。その後、表面麻酔や麻酔クリームを使用し、注射による痛みを軽減します。注入は両脇に20〜30か所程度行うのが一般的で、左右のバランスを見ながら均一に薬剤を入れていきます。使用する薬剤によっても注入量や頻度が異なりますが、経験豊富な医師であれば施術時間は20分前後で完了することが多いです。短時間で終わるため、当日中に日常生活に戻ることができるのも魅力の一つです。

痛みや腫れの程度

注射と聞くと痛みを心配される方も多いですが、脇ボトックスでは表面麻酔を用いることで多くの人が「チクッとした感覚」程度で済むと言われています。人によっては注射部位に軽い腫れや内出血が出ることがありますが、いずれも1週間以内に自然と引いていきます。痛みの感じ方は個人差があるため、特に敏感な人は事前に相談し、痛みに配慮した施術を受けられるクリニックを選ぶと良いでしょう。なお、施術後に違和感や重だるさを感じる場合もありますが、時間とともに落ち着いていきます。

注射後の注意と経過観察

注射後は、汗腺の働きが抑えられるまで数日を要するため、その間は効果の有無を見ながら経過を観察する必要があります。特に初回の施術では1週間ほどで効果が出始め、その後徐々に汗の量が減っていくのが一般的です。注射当日はシャワー程度の入浴にとどめ、激しい運動やサウナ、温泉は控えてください。脇に摩擦や刺激を与えると腫れや内出血が悪化することがあります。また、まれに副作用が強く現れた場合は速やかに病院を受診し、必要であれば適切な処置を受けることが望まれます。

費用と保険適用の有無

脇ボトックス治療を検討する際に、多くの方が気にするのが料金と保険の適用可否です。ここでは、施術にかかる金額の目安や保険適用の条件、費用を抑える工夫について見ていきましょう。

人気クリニックの料金相場

脇ボトックスの料金は使用する薬剤やクリニックによって差があります。たとえば、アラガン製の正規品を使用する場合、両脇で4〜8万円が一般的な相場です。韓国製のコアトックスなど、やや安い製剤を使う場合は、3〜6万円ほどで受けられることもあります。費用には麻酔代や初診料、再診料が含まれることもあるため、総額での金額を事前に確認しておくことが大切です。また、人気のクリニックではキャンペーンやモニター制度を導入していることもあり、比較的安い費用で施術を受けられるチャンスがあります。予約時にはこうした制度の有無を確認すると良いでしょう。

保険適用になる条件とは

脇ボトックス治療はすべてが自由診療というわけではありません。医師によって「原発性腋窩多汗症」と診断された場合、特定の薬剤を使用することで保険適用となるケースがあります。対象となるのはアラガン社のボトックスビスタで、保険が適用されることで費用が抑えられることがあります。ただし、すべての病院で保険対応しているわけではないため、事前に確認が必要です。また、美容目的や軽度の症状では保険が使えないため、診断書の有無や症状の重さが判断材料となります。施術を受ける際は、何科で相談すればよいか迷う人もいますが、皮膚科または形成外科を受診するのが一般的です。

費用を抑えたい人へのアドバイス

費用をできるだけ抑えたい人には、モニター制度やキャンペーンを実施しているクリニックを利用するのがおすすめです。モニターとは、施術後の写真提供や口コミ投稿を条件に、施術費が割引される制度で、学生や若年層を中心に人気があります。また、韓国製のボツリヌス製剤は比較的安価で、安全性も評価されているため、費用面を重視する人には選択肢の一つとなります。さらに、近くの病院や皮膚科で保険適用の相談をすることも有効です。保険が使えない場合でも、定期的なキャンペーンや割引プランがあるクリニックも多いため、事前の比較と情報収集が費用を抑えるコツです。特に2回目以降は割安になるプランを用意している施設もあるので、継続を考えている方はその点も考慮すると良いでしょう。

どのクリニックを選べばいい?

脇ボトックスを受ける際、どのクリニックを選ぶかによって、効果や満足度に大きな差が出ます。ここでは、クリニック選びの基準と注意点について詳しく見ていきましょう。

おすすめのクリニック選びの基準

脇ボトックスを安心して受けるためには、施術実績が豊富で医師の技術が高いクリニックを選ぶことが大切です。特に多汗症治療に力を入れている皮膚科や美容外科では、脇汗の症状に適した薬剤の選定や、注射ポイントの精密な調整が可能です。さらに、アラガン製など正規品の薬剤を使用しているかどうかも重要な判断基準となります。予約前には、使用薬剤や施術担当医の経歴などを確認し、信頼できる施設を見極めましょう。また、麻酔の方法や注射後のアフターケア体制も、安心して施術を受けるために欠かせません。

薬剤の取り扱い・実績・口コミで比較

薬剤の取り扱い実績が豊富なクリニックは、製剤ごとの特性を理解しており、個人の症状や希望に応じた施術が可能です。特にコアトックスや韓国製の製剤を扱っているクリニックでは、費用面の柔軟性がある一方で、薬剤の安全性や効果に関する説明を丁寧に行ってくれるかが選定のポイントになります。また、実際に施術を受けた人の口コミも非常に参考になります。効果の持続性や副作用の有無、施術後の対応など、利用者の声から見えてくる情報は多く、予約前に確認することで後悔を避けることができます。

予約時の注意点と事前確認ポイント

クリニックを予約する際には、料金や薬剤の種類だけでなく、施術までの流れや当日の所要時間、キャンセルポリシーなども確認しておくと安心です。また、当日の麻酔方法やアレルギーへの対応、避妊中の可否など、個別の事情に応じた配慮があるかも重要です。さらに、施術の効果が出るまでの時期や、2回目以降の頻度、継続治療に関するプランについても事前に説明があるクリニックが望ましいです。疑問点があれば遠慮せず質問し、納得した上で施術を受けるようにしましょう。

脇ボトックスに向いている人・向かない人

脇ボトックスは幅広い方に選ばれている治療ですが、すべての人に適しているわけではありません。ここでは、どのような人におすすめできるのか、逆に慎重になるべきケースについて見ていきましょう。

効果が出やすい人の特徴

脇ボトックスの効果が出やすい人にはいくつかの共通点があります。まず、わき汗の量が多く、特に緊張や暑さで汗をかきやすい人は、注射による発汗抑制の効果を実感しやすい傾向にあります。また、軽度から中等度のワキガに悩んでいる人にとっても、匂いの原因となる汗の分泌が減るため、日常生活での不快感を軽減することが可能です。さらに、即効性を求める人や、短期間で汗を抑えたい大切な予定の前などには、他の方法と比較してもボトックスが適しています。このような人にとって、わきボトックスは非常に有効な治療法となるでしょう。

他の治療法と比較した場合の選択基準

脇ボトックスと他の治療法を比較すると、それぞれにメリットとデメリットがあります。たとえば、ミラドライはアポクリン汗腺を熱で破壊する方法で、効果が永久的とされる一方で、腫れや痛みが強く、ダウンタイムも長めです。レーザー治療や外科的な手術は根本治療に近い効果があるものの、費用や後遺症のリスクがあるため慎重な判断が求められます。一方、ボトックスは注射のみで済み、ダウンタイムが短く、仕事や学校を休まずに済むという点で手軽です。そのため、まずは安全に汗を減らしたい、どのくらい効果があるのかを試したいという人には、ボトックスが適した選択と言えるでしょう。

まとめ

脇ボトックスは、わき汗や多汗症、軽度のわきがに悩む人におすすめの治療法です。比較的効果を早く感じる人もおり、持続期間は2~4ヶ月とされており、季節に合わせた施術が可能です。副作用や抗体形成などの注意点もあるため、信頼できるクリニックを選び、医師と相談しながら進めることが大切です。費用や保険適用、キャンペーンの有無を事前に確認し、自分に合った方法で快適な日常を目指しましょう。

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この記事の監修

小西 恒 医師
小西 恒

2008年に自治医科大学医学部を卒業。2010年に大阪府立急性期総合医療センター産婦人科に勤務後、2014年に大阪府障害者福祉事業団すくよかで医療部長を務めました。2015年から大阪府健康医療部で地域保健課主査を歴任し、2017年から愛賛会浜田病院産婦人科に勤務。2020年より某大手美容外科で働き、2021年には小倉院と心斎橋御堂筋院の院長を務めました。2023年からはルヴィクリニック院長に就任しています。
【資格・所属学会】
ボトックスビスタ® 認定医、 ジュビダームビスタ® 認定医、 ジュビダームビスタ® バイクロス 認定医、 日本美容外科学会(JSAS) 正会員、 日本産科婦人科学会 会員、 日本産科婦人科学会 専門医、 日本医師会認定産業医、 母体保護法指定医

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