【防風通聖散の副作用】下痢は好転反応じゃない?原因・対処法・服用時の注意点を徹底解説

2025.6.3
美容コラム

防風通聖散とは?クラシエやコッコアポの違いも紹介

防風通聖散は、18種類の生薬を組み合わせた漢方薬で、主に肥満症や便秘、高血圧に伴う症状の改善を目的として使用されます。​この薬は、体内の余分な熱や水分を排出し、代謝を促進することで効果を発揮します。​痩せる目的で飲む人も増えています。市場には、クラシエやコッコアポといったブランドから防風通聖散を含む製品が販売されています。​クラシエの製品は、品質管理に重点を置き、厳選された生薬を使用しています。​一方、コッコアポシリーズは、肥満のタイプや体質に合わせて選べるよう、複数の処方が用意されています。​これらの違いを理解し、自分の体質や症状に合った製品を選ぶことが重要です。

配合されている漢方成分の特徴

防風通聖散には、18種類の生薬が含まれています。​主な成分とその特徴は以下の通りです。​まず、防風は発汗作用と解熱作用を持ち、体内の余分な熱を取り除きます。​麻黄は交感神経を刺激し、脂肪の分解・燃焼を促進する効果があります。​大黄は緩下作用を持ち、便秘の改善に寄与しますが、過剰摂取により下痢や腹痛を引き起こす可能性があります。​甘草は調和作用があり、他の生薬の効果を調整しますが、多量に摂取すると偽アルドステロン症を引き起こすリスクがあります。​これらの成分が相互に作用し、肥満症や便秘、高血圧などの改善に効果を発揮します。​ただし、各成分の特性を理解し、適切な用量を守ることが重要です。

クラシエ・コッコアポシリーズとの違いと選び方

防風通聖散を含む製品は、クラシエやコッコアポシリーズから販売されています。​クラシエの製品は、厳選された生薬を使用し、高い品質管理基準を持っています。​一方、コッコアポシリーズは、肥満のタイプや体質に応じて複数の処方が用意されており、例えば「コッコアポEX錠」はお腹周りの脂肪が気になる方向け、「コッコアポG錠」はストレスによる過食が原因の肥満に対応しています。​選び方としては、自分の肥満のタイプや体質、症状を考慮し、製品の特性を理解した上で選択することが重要です。​また、服用を開始する際には、医師や薬剤師に相談し、自分に合った製品を選ぶことをおすすめします。

防風通聖散が合う人・合わない人の特徴とは?

防風通聖散は、体力が充実し、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちな方に適しています。​具体的には、お腹周りの脂肪が気になる、便通が良くない、食べ過ぎや飲み過ぎによる体重増加が多いといった特徴を持つ方に効果的です。​一方で、体力が低下している方、胃腸が弱く下痢しやすい方、妊娠中または妊娠の可能性がある方、授乳中の方、高齢者などは、防風通聖散の服用が合わない可能性があります。​これらの方々は、副作用のリスクが高まるため、服用前に医師や薬剤師に相談することが重要です。

体質による向き・不向きの判断方法

防風通聖散の適応を判断する際、体質の見極めが重要です。この漢方薬は、体力が充実し、脂肪が多く、便秘がちな「実証」タイプの方に適しています。具体的には、食欲旺盛でお腹周りに脂肪がつきやすい、便秘がち、暑がりで汗をかきやすいといった特徴が挙げられます。一方、体力が低下している「虚証」タイプの方、例えば、疲れやすく、胃腸が弱く、下痢しやすい方には不向きです。また、妊娠中や授乳中の方、高齢者も注意が必要です。自己判断での服用は避け、医師や薬剤師に相談することが重要です。

合わないときに現れやすい症状と注意点

防風通聖散は、多くの方に効果をもたらす漢方薬ですが、体質や健康状態によっては副作用が現れることがあります。​飲み始めた途端に下痢や軟便、腹痛といった不調に悩まされる人も少なくありません。特に、胃腸が弱い方や体力が低下している方は、下痢や腹痛、吐き気、嘔吐などの消化器系の症状が出やすいとされています。​また、動悸や発汗過多、発疹、かゆみなどの症状が報告されています。​これらの症状が現れた場合、まず服用を中止し、症状が改善するか様子を見てください。​症状が続く、または悪化する場合は、速やかに医師や薬剤師に相談することが重要です。​自己判断での継続は避け、専門家の指示を仰ぐことで、安全に使用することができます。

防風通聖散の効果とは?ダイエットだけじゃない効能を解説

防風通聖散は、18種類の生薬を組み合わせた漢方薬で、主に肥満症の改善を目的として使用されます。​しかし、その効果はダイエットにとどまらず、便秘の改善やむくみへの対応など、幅広い悩みに対して活用されることがあります。​これらの効能は、各生薬が持つ作用が相乗的に働くことで実現されます。​ただし、効果の現れ方や感じ方には個人差があり、体質や生活習慣によって異なるため、使用前には医師や薬剤師に相談し、自分に適した漢方薬であるかを確認することが大切です。

脂肪燃焼・代謝促進作用

防風通聖散に含まれる麻黄や防風などの生薬は、代謝をサポートする生薬が含まれており、健康維持に役立つとされています。これにより、体内のエネルギー代謝が活発になり、ダイエット効果が期待できます。​特に、お腹周りの脂肪が気になる方に適しているとされています。​ただし、効果を実感するまでには個人差があり、数週間から数ヶ月の継続的な服用が必要とされます。​また、食事の見直しや適度な運動を併用することで、より高い効果が期待できます。

便通改善とデトックス効果

防風通聖散に含まれる大黄や芒硝などの生薬は、緩下作用を持ち、便秘の改善に寄与します。​これにより、腸内の老廃物が排出され、排便を促すことにより、不要な物質の排出をサポートすることが考えられます。​しかし、過剰な服用や体質によっては、下痢や腹痛を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。​特に、もともと下痢や軟便がちの方や、胃腸が弱い方は、副作用が現れやすいとされています。​服用を開始する際は、少量から始め、体調を観察しながら適切な量を見極めることが重要です。

:高血圧・むくみに対する作用

防風通聖散は、体内の余分な水分や老廃物を排出する作用があり、むくみやのぼせといった不調を感じる方が使用することもあります。特に、肥満傾向があり、これらの症状を持つ方に適しています。​ただし、高血圧の方が服用する際には、血圧の変動に注意が必要です。​自己判断での服用は避け、医師や薬剤師に相談の上、適切な使用を心がけることが重要です。​また、むくみの改善には、適度な運動やバランスの取れた食事も併用すると、より効果的です。

防風通聖散の副作用とは?特に注意すべき点

防風通聖散は、多くの効果が期待できる漢方薬ですが、使用に際しては副作用にも注意が必要です。特に、消化器系の症状として下痢や腹痛、吐き気、嘔吐などが報告されています。また、皮膚の発疹やかゆみ、動悸、発汗過多などの症状が現れることもあります。これらの副作用は、体質や健康状態、他の薬との併用などによっても異なります。服用を開始する際は、少量から始め、体調の変化を注意深く観察することが重要です。万が一、副作用が現れた場合は、速やかに医師や薬剤師に相談し、適切な対応を取るようにしましょう。

下痢は副作用であって好転反応ではない

防風通聖散の服用中に下痢が生じることがありますが、これは副作用であり、好転反応ではありません。​この漢方薬には便秘解消の効果がありますが、過剰な下痢や軟便は期待される作用を超えた反応です。​特に、もともと胃腸が弱い方や下痢しやすい体質の方は、副作用が現れやすい傾向があります。​下痢が続く場合は、服用を中止し、医師や薬剤師に相談することが重要です。

大黄や甘草などの成分による副作用

防風通聖散に含まれる大黄や甘草は、効果的な一方で、副作用を引き起こす可能性があります。​大黄は強い下剤作用を持ち、過剰摂取や長期使用により下痢や腹痛を引き起こすことがあります。​甘草は、過剰摂取により偽アルドステロン症を引き起こすリスクがあり、症状としてむくみや高血圧、低カリウム血症などが現れることがあります。​これらの副作用を防ぐためには、用法・用量を守り、長期連用を避けることが重要です。

大黄による下痢や腹痛

大黄は強力な下剤作用を持つ生薬で、防風通聖散に含まれています。​適切な使用で便秘解消に効果を発揮しますが、過剰な摂取や体質によっては下痢や腹痛を引き起こす可能性があります。​特に、もともと胃腸が弱い方や下痢しやすい方は注意が必要です。​服用中にこれらの症状が現れた場合は、速やかに服用を中止し、医師や薬剤師に相談することが推奨されます。

甘草による偽アルドステロン症に注意すべき理由

甘草は防風通聖散に含まれる生薬で、過剰摂取により偽アルドステロン症を引き起こす可能性があります。​この症状は、むくみや高血圧、低カリウム血症などを特徴とし、重篤な場合は筋力低下や不整脈を伴うことがあります。​特に、他の甘草含有製品との併用や長期服用はリスクを高めるため、注意が必要です。​服用中にこれらの症状が現れた場合は、直ちに医療機関を受診することが重要です。

長期服用による腸間膜静脈硬化症のリスク

防風通聖散の長期服用は、腸間膜静脈硬化症を引き起こすリスクがあります。​これは、大黄の成分が腸間膜の静脈に硬化を生じさせるもので、腹痛や下痢、便秘などの消化器症状を伴います。​特に、5年以上の長期使用で報告されており、定期的な医療機関での検査が推奨されます。​服用を続ける際は、医師と相談し、適切な管理を行うことが重要です。

防風通聖散を安全に使うためのポイント

防風通聖散を安全に使用するためには、以下のポイントに注意が必要です。​まず、用法・用量を厳守し、自己判断での増量は避けましょう。​次に、体質や健康状態を考慮し、特に胃腸が弱い方や妊娠中の方は服用を控えるべきです。​また、他の薬剤やサプリメントとの併用については、医師や薬剤師に相談し、相互作用のリスクを確認することが重要です。​定期的な健康チェックを行い、副作用の早期発見に努めましょう。

副作用を抑える服用のコツ

防風通聖散の副作用を抑えるためには、いくつかのポイントを心掛けることが重要です。まず、食後に服用することで、胃腸への刺激を和らげることができます。次に、初めて服用する際は、少量から始めて体の反応を確認し、徐々に適切な量に増やすと良いでしょう。また、十分な水分を摂取し、脱水を防ぐことも大切です。さらに、他の薬剤やサプリメントとの併用は避け、医師や薬剤師に相談することで、相互作用のリスクを減らすことができます。これらのポイントを守ることで、副作用のリスクを最小限に抑えることが可能です。

服用をやめるべきサインとは?

防風通聖散を服用中、以下の症状が現れた場合は、使用を中止し、医師や薬剤師に相談することが重要です。​まず、発疹やかゆみなどの過敏症状が現れた場合、アレルギー反応の可能性があります。​次に、食欲不振、胃部不快感、吐き気、嘔吐、腹痛、軟便、下痢などの消化器系の症状が続く場合、体質に合わない可能性があります。​さらに、動悸や血圧の上昇、過度の発汗などの自律神経系の異常が見られた場合も注意が必要です。​これらの症状が現れた際は、自己判断での継続を避け、専門家の指示を仰ぐことが大切です。

医師・薬剤師に相談すべきケース

防風通聖散の服用を検討している、または服用中の方で、以下の状況に該当する場合は、必ず医師や薬剤師に相談してください。​まず、現在、他の医薬品やサプリメントを使用している場合、相互作用のリスクがあります。​次に、妊娠中や授乳中の方は、胎児や乳児への影響が懸念されるため、使用を避けるべきです。​また、高齢者や体力が低下している方、胃腸が弱く下痢しやすい方も、副作用が現れやすいため、注意が必要です。​さらに、高血圧、心臓病、腎機能障害、甲状腺機能亢進症などの持病がある方も、症状が悪化する可能性があるため、専門家の指導のもとで使用を検討すべきです。

防風通聖散に関するよくある質問(FAQ)

防風通聖散の使用に関して、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。これらの情報を参考にして、安全に効果的に使用しましょう。なお、個々の状況や体質によって異なる場合がありますので、疑問や不安がある場合は、医師や薬剤師に相談することをおすすめします。

防風通聖散は肝臓に悪いの?

防風通聖散の副作用として、まれに肝機能障害が報告されています。​服用中に発熱、発疹、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)などの症状が現れた場合は、直ちに服用を中止し、医療機関を受診してください。​肝機能障害は頻度は低いものの、重篤な症状を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。

何ヶ月続けて飲んでいい?

防風通聖散の服用期間は、目的や個人の体質によって異なります。​便秘の改善を目的とする場合は1週間、肥満症の改善を目的とする場合は少なくとも1ヶ月の継続が推奨されています。​ただし、長期服用により大腸の粘膜が黒くなる「大腸メラノーシス(大腸黒皮症)」が生じる可能性があるため、長期間の連続使用は避け、定期的に医師や薬剤師に相談することが重要です。

飲み続けると腸が黒くなるのは本当?

防風通聖散に含まれる大黄の成分を長期間服用すると、大腸の粘膜が黒く変色する「大腸メラノーシス(大腸黒皮症)」が起こることがあります。一部報告では、長期使用による腸内環境の変化が指摘されています。服用については医師や薬剤師にご相談ください。

まとめ

防風通聖散は、肥満症や便秘、高血圧に伴う症状の改善など、多岐にわたる効果が期待できる漢方薬です。​しかし、下痢や腹痛、吐き気、嘔吐などの副作用が現れる可能性もあります。​特に、体質に合わない場合や、長期服用によるリスクが指摘されています。​服用を開始する際は、用法・用量を守り、体調の変化に注意を払いながら使用することが重要です。​また、疑問や不安がある場合は、医師や薬剤師に相談することで、安全な使用を心がけましょう。

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この記事の監修

小西 恒 医師
小西 恒

2008年に自治医科大学医学部を卒業。2010年に大阪府立急性期総合医療センター産婦人科に勤務後、2014年に大阪府障害者福祉事業団すくよかで医療部長を務めました。2015年から大阪府健康医療部で地域保健課主査を歴任し、2017年から愛賛会浜田病院産婦人科に勤務。2020年より某大手美容外科で働き、2021年には小倉院と心斎橋御堂筋院の院長を務めました。2023年からはルヴィクリニック院長に就任しています。
【資格・所属学会】
ボトックスビスタ® 認定医、 ジュビダームビスタ® 認定医、 ジュビダームビスタ® バイクロス 認定医、 日本美容外科学会(JSAS) 正会員、 日本産科婦人科学会 会員、 日本産科婦人科学会 専門医、 日本医師会認定産業医、 母体保護法指定医

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